ビジネスにおける「伝家の宝刀」とは

ある企業に2人の

セールスパーソンがいます。
2人は同期で

能力も立場も同じ。

 

学歴や生い立ちも

とてもよく似ています。

 

同じOJTを受けて、

同じ商品を

同じ金額で扱っているのにも関わらず、

2人の売上成績は雲泥の差です。

 

そんな2人の明暗を分けているものは

一体何でしょうか?

 

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こんにちは。

立志財団の森川応樹です。

 

今日は、

【ビジネスにおける「伝家の宝刀」とは】

というタイトルでご案内いたします。

 

 

お役に立ちましたら、幸いです。

 

さて、

冒頭の2人の明暗を分けたものの

答えの一つとして、

 

「伝家の宝刀」

 

が挙げられます。

 

ところで、あなたは、

「伝家の宝刀」

という言葉、ご存知でしょうか?

 

イメージとしては、

昔、ドラマでやっていた

「水戸黄門」の印籠が

それにあたります。

 

ドラマの「水戸黄門」と言えば、

永く日本人に愛された

勧善懲悪の時代劇です。

 

現行犯の悪者を懲らしめた後、

印籠を見せつけて、

悪者を懲らしめる物語ですね。

 

このドラマについて、

よく、こんなことを言う人がいます。

 

「最初から、印籠を出せばいいのに」

 

確かに、その方が合理的ですが、

なぜ、そうしないのか。

 

実は、

時代劇として、成り立たない

というよりもむしろ、

 

このドラマの制作者は、

「伝家の宝刀に対する理解が深い」

と言えそうです。

 

というのも、

相手も、曲がりなりにも

悪党です。

 

いきなり序盤で印籠を見せることで、

現行犯で申し開きができず、

「もはやこれまで」と

開き直ったり、

破れかぶれになって、

決死の覚悟で、襲ってこないでしょうか?

 

それよりも、

まずは自分の正体を明かさず、

相手が「多勢に無勢」と高を括っているときに、

武力でねじ伏せます。

 

そうすると、

「武力では敵わない」

と大ダメージを心身ともに与えます。

 

そのうえで、印籠を見せることで

圧倒的な立場の違いを知らしめます。

 

これによる効果として、

相手の心を完全にへし折り、

観念させて、反撃の余地を一切なくして、

現行犯を認めさせる。

 

勝負あり、の瞬間ですね。

 

この印籠の使い方が

「伝家の宝刀」に当たります。

 

この例が象徴しているように、

「伝家の宝刀」の特徴は、次の通りです。

 

◆ここぞという時に

 使うからこそ、効果がある

 

◆その効果たるや、

 勝負を決定つける効果がある

 

◆ただし、使い方や使う場面を間違えると、

 その効果は、大きく損なわれるという

 弱点もある

 

そして、

ビジネスでも、

この「伝家の宝刀」を持っているかどうか、

さらには、正しく使いこなしているかどうかで、

成果に大きく影響を与えることがあります。

 

まず、ビジネスにおける

「伝家の宝刀」とは、

そもそも、どんなものが該当するのでしょうか?

 

・ベネフィット

・USP

・社会的証明

・顧客の声

・ビックプロミス

・特典

 

などなど、

 

色々と考えつきますが、

それらは、

売れるために不可欠なものであっても

「伝家の宝刀」ではありません。

 

そうではなく、

「なぜ、あなたがそのビジネスをしているのか」

という想いを伝えること、

それが「伝家の宝刀」です。

 

例えば、想像してみて下さい。

 

あなたがお客様の立場であって、

ある会社から

ある商品を購入しようとしていたとします。

 

「担当してくれるセールスパーソンを

 あなたが逆指名していい」

と言われたら、どんな人を逆指名したいですか?

 

マニュアル通りのセールストークを

そつなくこなす人も悪くはないのですが、

 

どうせなら、

こんな想いを持っている方と

お付き合いしたくありませんか?

 

「私は実は転勤で、この土地に

 はじめてやってきました。

 

 見ず知らずの土地で、

 やっていけるか不安だったのですが、

 不安を打ち消すように

 最初は無我夢中で仕事をしていました。

 

 出会う人がすべて、

 そんな私を歓迎してくれて、

 今では、この土地に来れたことを

 幸運だったと思っています。

 

 恩返しというと、

 少しオーバーかもしれませんが、

 自分が、仕事を通して、この土地の方々に

 恩返しができるのであれば、

 とてもうれしいです。

 

 少し大きな挑戦ですが、

 この土地で最も称賛される企業を作れるように

 頑張ります!」

 

あなたの想いをお客様が知って、

「どうせ買うなら、この人から」

と思っていただける内容が、

望ましいです。

 

ただし、

「伝家の宝刀」である「想いを伝える」ことは、

「正しく使う」ことが要求されます。

 

そのコツについて、

最後に少し、ご紹介します。

 

【1:適切なタイミングで】

「水戸黄門」の印籠は、

悪者を武力で懲らしめた後に

はじめて、見せることで効果的あるように、

 

あなたの想いも、

いつでもどこでも伝えればいいのではありません。

 

タイミングを間違えれば、

安っぽく受け取られてしまいます。

 

適切なタイミングは、

「お客様があなたの商品に強い興味を示した後」

です。

 

直接お会いする商談や

プレゼンであれば、

最後が望ましいケースが多いです。

 

【2:適切な内容で】

例えばあなたが、

「会社で一番になりたいんです」

「業界で一番になりたいんです」

と思っていたとしても、

 

それをそのまま相手に伝えたところで、

効果がないことの方が多いです。

 

お客様が

「だから、何?」

と思ってしまうからです。

 

あなたの想いを実現しようと行動するままが、

お客様のメリットになるような内容が

望ましいです。

 

上記の例で申しますと、

「仕事を通して、この土地の方々に

 恩返しができるのであれば、

 とてもうれしいです。

 

 少し大きな挑戦ですが、

 この土地で最も称賛される企業を作れるように

 頑張ります!」

が、それに当たります。

 

あなたが、

 

「自分のビジネスの価値が 

 正しく伝わっていない」

と感じることがあれば、

ぜひ、この「伝家の宝刀」を使ってみて下さい。

 

きっと、

あなたの価値がお客様に正しく伝わります。

 

今日も、ここまで読んでくれて、

ありがとうございました。