20代で起業するのに必要なこと

毎週日曜朝9時半から、FM那覇で放送中の『坂本憲彦のラジオ起業塾』。起業家の専門家、坂本憲彦がはじめての起業で成功するために大切なポイントをお届け。沖縄で起業したい人を応援するラジオ番組です。

▼こちらの音声は、下記の「FM那覇」のサイトよりお聴きいただけます(※2019/04/07放送)▼

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20代は起業に向いているか


森川 今回は、20代の方からお問い合わせをいただいています。
「以前に40代からの起業についてお話を伺いしました。自分は20代なのですが、その場合にはどうしたらいいのでしょうか。どんなことに気をつければいいのでしょうか。」ということです。

坂本 20代から起業される方も意外とたくさんいらっしゃいます。私も起業支援に取り組む中で、いつから起業されたんですかと相手の方にお聞きしたところ、22、3歳からやってましたという方がいらっしゃいました。早く行動に出る人は、20代でも起業するのかなと実感していますね。その中で僕は、起業するには一番いい年齢かなと思っています。失敗が一番許される年齢で、多少上手くいかなくても誰からも責められない。もちろん上手くいけばいいに越したことはありませんが、失敗しても挽回する時間も十分ありますね。人によって最適な時期は違うので一概には言えませんが、早い段階で起業したいなら、20代はどんな仕事でもいいと僕は思っています。やってみたいものを、ご自身の感性に従って進めていくのがすごくいいと思いますね。

森川 挑戦という意味では、年齢が若ければ若いほどいいことになるんですね。

坂本 はい。

森川 以前、40代の方に焦点を当ててお話していただいたときは、例えばその方の人生のテーマを掘り下げて、そこからというお話でしたね。逆に20代の人ですと、すでにそういうものが見つかっている人はいいと思いますが、それらを抜きにして単に「儲けたい」とか「儲かりそうだ」といった動機でも、挑戦する理由の一つとしてはありなんでしょうか?

坂本 20代のときは、全然それでいいと思います。もちろん、自分の人生の目的を決めていて、それを元に選択をしているのが一番良いとは思います。たとえばソフトバンクの孫さんは22、3歳のときに起業して、その時点で人生50年計画を立てていました。そのときから「情報革命で人を幸せにする」という志を定めていましたので、そういう風にするのもすごく素晴らしいと思います。長期的に大きい企業をちゃんと作りたいのであれば、そこからやった方がいいですね。ただ、まだそこまで至っていない場合は、まずは「お金持ちになりたい」という動機でも良いです。がむしゃらにやっていける環境で進めていけばいいのかなと、すごく思います。

森川 それで本当にお金持ちになれたら、それに越したことはないですよね。

坂本 そうですね。当然、人を不幸にするビジネスは絶対やっちゃいけません。しかし、誰かを幸せにして自分も幸せになっているのなら、それでいいと思います。20代は方向転換もいっぱい効きますので、若いうちにがむしゃらにやって30代、40代で方向転換も十分できます。以前お話した40代からだと、最後の方向転換になってしまいます。

森川 そうですね。

坂本 なので、40代の人は自分の志や使命、天命に沿った仕事をするべきだと思います。しかし、20代はまだ時間があるので、感性のままに一度触れてみるのもいいと思います。僕も最初の頃は、そんな感じでやっていました。ただ、それだけだとたぶん途中で限界を感じると思うので、そのときにちゃんと方向転換をしていけばいいのではないでしょうか。

森川 20代で起業を志す方が少なからずいると、坂本先生はさっきおっしゃってましたけど、坂本先生の周りでは、頑張っている20代の方はいらっしゃいますか?

坂本 結構若くても、サラリーマンやりながら副業みたいな形でやっている方もいます。いきなり会社を辞めてやるかは別ですが、副業として始める方はやはり多いですね。システムの会社とかで20代から起業して、もう十何期もやってらっしゃる方もいます。

森川 今、副業というお話がありましたけど、副業も起業の一つと考えたときに、会社員をしながら起業するのは収入面で不安がなくてすごくやりやすいと思いました。一方で、会社員は会社員でできる経験があって、起業して独立したなら独立したなりの深い経験もできると思います。会社員をしながら副業をする場合、会社員としての経験も副業の方に活きてきたりするんでしょうか。

坂本 会社での経験は絶対に間違いなく活きてくるので、会社での仕事の方もかなり一所懸命にやった方がいいですね。会社で頑張れない人は、起業して自分のこととなってもできるかどうか分かりません。やはり会社でしっかり成果を出していくことは、すごく大事だと思います。
20代だと、私の起業塾にリクルート出身の女性の方が来ています。リクルートは営業がすごく強い会社です。彼女もはじめの頃はとても苦労しましたけど、頑張って全国3位になったりと非常に努力している人です。今は会社を変わって、自分で好きにやりたいと頑張っていますが、リクルート時代に培った営業のスキルがすごく活きていますね。営業のときに、合わせてコーチングやカウンセリングをやりたいとも言っています。会社員時代のスキルは、すごく役立っていますね。

森川 リクルートさんがとりわけ特殊と言いますか、起業を応援してくれる会社というのもあるのでしょうか。

坂本 そうですね。結構、起業したい人が集まる会社ではありますね。

起業に役立つ万能スキルとは


森川 特に20代の方を想定した場合、起業を目指すなら会社員時代に身につけておきたいスキルや、学んでおきたい分野などはありますか?

坂本 人によって違いますが、営業力は万能で役に立つと思います。起業したときに最初に必要となるのが、いかに売り上げを立てるかですので、営業力はすごく大事です。いくらいい商品があっても、売り方が上手でないと売れず、つまり売り上げが立ちません。やはり営業力というのは、単純に人にものを押し売りする力ではなくて、段取り力も身に付いてきます。

森川 段取り力ですか?

坂本 製造の人とか企画の人と調整したり、お客様とも調整したり、自分の上司とも調整しますね。仕事全体を見ていくのが、営業のお仕事です。もちろんセールスして、売り上げを立てていくのもありますが、仕事全体を見るということが、社長の仕事に一番近いのかなと思います。

森川 なるほどですね。

坂本 やはり社長というのは、必ずトップセールスでないといけません。自社の商品をちゃんと一番売ってくる人でないと、厳しいように思います。技術系の社長さんもいますので、一概には言えませんが、やはり社長が売るのは大事な力です。それが一番身に付くのが、営業の仕事かなと思います。僕も以前銀行に勤めていて、営業を三年くらい経験させていただいたのですが、やはりすごい調整力が要るんです。お客様からの要望を取り入れて、銀行の内部で調整して、融資課の人や審査部の人と交渉して、融資を引き出すようにして、お客様からも条件を聞きながら、その要望が全部通るわけではないので銀行側として言わなければいけないことも言ったりとか・・・・そういったことを全部やりながら、プロジェクトを進めていきますので、仕事を組み立てるという意味で、そこは非常に役立ちます。

森川 僕の知り合いでマンションの販売をしている方がいます。その方も、お客様と会社の間に立っていて、最初すごいつらかったそうです。お客様はお客様の都合でいろいろ言ってくる、でも会社には会社の都合がある。その板挟みになってつらかった、と。ただ、だんだんそれに慣れてきたときに、仕事が上手くいくようになったと言っていました。具体的にどうやったのかと聞いたら、嘘ではないんですけども言葉を選んで調整する力が身に付いたそうです。もちろん、正直なのはいいことだと思うんですけど、何でもかんでも率直に言えば相手が理解してくれるわけでもないですし、いいところに着地するわけでもありません。お客様、会社、自分の三者が幸せになる落としどころを作るときに、作り方を調整する力が付いてきたと言われていました。結果としてそれは売り上げにつながっていますので、営業力や段取り力というのは、結果を出す力をつける活動であり、それが営業という仕事なのかなと思いました。そう考えると、20代の方って営業経験がまだまだ短いので、営業課や営業部にいらっしゃる方でしたら、これからお仕事をすごく一所懸命に頑張ると将来役立つ力になりますね。

坂本 そうですね。やっぱり20代のときに営業職を一回経験しておくと、起業には大きなアドバンテージになるかなと思います。もちろん技術系だからダメだというわけではありませんが、まず受注を取ってくることが大事になりますので、技術畑で営業もできたりすると非常にいいですね。自分で営業力を持っていると、食いっぱぐれが少ないですね。

森川 そうですね。

坂本 何かを売ればいいのです。それが自社商品でなくても、代理店として他人の商品を売って手数料をもらってもいいのです。

森川 こんな話があります。アメリカが大不況だったときに、誰もが解雇されてどこも就職口が無いのに、唯一すんなりと職を確保した男性がいたらしいんです。その人は何をしたかというと、企業に自分を売り込みに行ったらしいんですね。就職面談というのが、セールスの場なんです。結果、自分を売り込んで入社しました。最初笑い話かなとも思いましたけど、自分を売り込む力は営業力だと思います。坂本先生がおっしゃったように、まさに営業する力があれば食いっぱぐれがないですね。

Webでもリアルでも基本は同じ


坂本 そうですね。起業しようとしても、20代は最初収入も貯蓄も少なかったりしますので、まずはサラリーマンで営業を経験するのもすごくいいなと思います。僕も銀行で営業を経験していて、その後webマーケティングの世界に入ったのですが、リアルで営業をしていたのがすごく役立ちました。

森川 Web上でも、ですか?

坂本 そうですね。基本、webのマーケティングって、リアルで売れないものはwebでも売れないんです。リアルで売れないからwebで売ろう、みたいな幻想を抱く人がいるのですが、リアルでちゃんと売れるから、webでも売れるんです。当たり前ですよね。欲しくないものは、誰も欲しくないわけです。ちゃんと口頭で説明して売れるものが、ネットでも売れます。Webでの売り方を覚えるときも、リアルで営業の経験があったので、どう伝えればいいのか、どう伝え方を変えていけばいいのかの改善の方法が分かりました。営業の経験はすごく活きました。ホームページの内容は、営業のセールストークで言っていることをそのまま書く形でやりましたから。

森川 そのセールストークを対面で聞くか、web上で読むかの違いだけでしたか。

坂本 本当にそんな感じです。

飲み会やイベントを主催してみよう


森川 売る力というのは、起業にとてもアドバンテージだとわかりました。しかし中には、経理や総務といった部署で仕事をしながら、起業や副業を考えている20代の方もいらっしゃると思います。その方が会社の仕事をないがしろにせずに営業力をつけたい場合、何かアドバイスはありますか。

坂本 そうですね。飲み会とか企画するといいと思います。

森川 飲み会ですか?

坂本 はい。自分が幹事となって、飲み会を企画する。

森川 それって少し、全然離れた話と感じる方もいらっしゃるかと思いますけど。そのあたりはどうなるんでしょうか。

坂本 要は、イベントのようなものを企画して欲しいなと思います。

森川 イベントですか。

坂本 そうですね、何でもいいんです。花見でもいいし、夜飲みに行こうとか、そのようなものでもいいんです。とにかく自分が主体になって場所決めて、人をそろえて、みんなが楽しむ、というものです。たとえば、合コンとかでもいいですね。行くだけの受け身ではなくて、主催する側に回ることですね。

森川 はい。

坂本 幹事って大変じゃないですか。でも、仕事できる人が飲み会を仕切るとやっぱり上手なんですよね。

森川 ありますよね、そういうの。

坂本 やっぱり、営業がいまいちな方が仕切ったりすると。飲み会や慰安旅行もパッとしません。意外と、会社の上司もそういうところを見ていて。そこで仕事ができるやつかどうか判断されたりしていますね。

森川 今の飲み会を例に取ると、ああそうだなと思ったのは。場所の確保や、何をどう企画したらみんなが喜んでくれるのか。それってプライベートとか飲み会だけでなく、会社の売り上げを立てることにもすごく応用できる考え方だと思いました。最終的に、お客様にどう喜んでもらうか。そのためにはどんな商品が必要か。どういう風に、お客様に見せていったらいいのかとか。考える過程は、全く一緒なのかなと。

坂本 そうですね。本当にそこって、全く一緒なので。なかなか営業職につけていない方もイベントや合コン、飲み会を企画してその場を楽しく盛り上げるといいのかなと思いますね。

森川 飲み会とか合コンとかでもそうだと思うんですけど、ただ単に集まってもらっただけで楽しいかというと、意外にそうでもないことが結構あると思うんですね。

坂本 先日も経営者の方にお会いしましたけども、その人は一緒にお会いしたもう一人の方とサラリーマン時代、20代のときに合コンばかりやっていたとお聞きしましたね。

森川 そうなんですか。

坂本 合コンで、雑誌に取材されるまでになろうと。そういう人たちが取材されているのを見て、自分たちもそうなりたいと。もう合コンを毎週何回もやったり。それで今は、海外の人の人材紹介の会社をやっているそうなんですけど。すごい立派なちゃんとした社長さんなんです。やっぱりそういう原点というか、遊び心が今の仕事にもつながっている形ですね。

森川 そうですね。やっぱり参加してくれた人に満足してもらうとか、喜んでもらわないと誘われても次に行こうとはなりませんね。

坂本 いや本当にもう、そんな感じです。いかに相手の女の子を喜ばせるか、来てくれた相手のメンバーを喜ばせるかにフォーカスしていましたね。

森川 どういう風にやっていたか、ぜひ具体的な話を知りたいですね。

坂本 今度機会があったら、ぜひ。

森川 ありがとうございます。
今回は、20代の方が起業するときに必要なものということでお問い合わせをいただきました。その方が起業するときにはまずやってみるというのが、経験になることでしたね。それと合わせて副業ですとか、会社員をやりながら営業力をつけたりですとか。営業職でない方は、イベントや合コンのようなことを企画するのが将来の起業に役立つと。そんなお話を聞かせていただきました。
坂本先生、本日もありがとうございました。

坂本 はい。ありがとうございました。

 

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番組タイトル

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ナビゲーター 坂本憲彦
オンエア 毎週日曜 09:30~09:56
コンセプト 起業家育成の専門家、坂本憲彦がはじめての起業で成功する為に大切なポイントをお届けします。
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