【第8回】坂本憲彦のラジオ起業塾「起業への第一歩を踏み出す方法 その②」

毎週日曜朝9時半から、FM那覇で放送中の『坂本憲彦のラジオ起業塾』。起業家の専門家、坂本憲彦がはじめての起業で成功するために大切なポイントをお届け。沖縄で起業したい人を応援するラジオ番組です。

今回は前回のラジオ起業塾「起業への第一歩を踏み出す方法 その①」の続編です。起業をしたいならまずは小さなことから始めるのがいいというのが前回のトーク内容でしたが、では小さいことは具体的に何をしたらいいのか、その後はどのようにビジネスを広げていけばいいのかなど、坂本憲彦氏が実際にやってきたおすすめの方法を教えます。

▼こちらの音声は、下記の「FM那覇」のサイトよりお聴きいただけます。(※2019年2月23日放送)▼

http://www.fmnaha.jp/program/radio_kigyojuku/

起業をしたいなら小さいことから始めよう

森川 立志財団の森川です。坂本先生、よろしくお願いいたします。

坂本 はい。よろしくお願いいたします。

森川 今回は前回のラジオ起業塾の続きになります。前回のラジオ起業塾では起業したいけど何をしても続かない、大きな一歩を踏み出せないという悩みを抱えている方に向け、坂本先生は何でもいいから小さなことをやってみるのがいいというアドバイスをされましたよね。その小さいことというのは具体的には何をしたらいいのでしょうか?

坂本 この方法は第2回目のラジオ起業塾でも少しお話したので復習になってしまいますが、聞いていない方がいるかもしれないのでもう一度言います。まずは人から1000円貰うことから始めてみてください。起業というとすぐに何十万、何百万稼ぐというイメージを持たれる方が多いんですけど、いきなりそこまでの金額を稼ぐことはできません。また自分でそのような高いハードルを作ってしまうと結局何もできなくなってしまうので、まずは小さいこと、例えば1000円を貰うということから始めてみるのがおすすめですね。

森川 1000円だと金額的にはそこまで高くないので誰でも簡単に貰うことができそうですね。ちなみにその1000円という金額に何か理由はあるのでしょうか?

坂本 100円だと安すぎて貰ってもあまり意味がないですし、1000円くらいから責任が発生するイメージがあったんですよね。なので最低でも1000円からスタートしてみるのがいいと思います。

森川 なるほど。ちなみに坂本先生はどのようなことをして最初に1000円貰ったのでしょうか?

坂本 これも以前お話したので復習にはなってしまいますが、自分でゲーム会を開催して、そのときに参加費として1人につき1000円を貰ったのが最初ですね。当時僕は『キャッシュフローゲーム』といって、『金持ち父さん貧乏父さん』の著者であるロバートキヨサキ氏が開発したお金のゲームにハマっていたんですね。この頃は福岡に住んでいて起業する為に東京へ引っ越したんですけど、東京でも続けたいと思ってキャッシュフローゲームのゲーム会を探して参加してみたんです。そしたら全然面白くなかったんですよ。すごろくをやっているみたいな感じで、こんなにつまらないゲームじゃないのになって思ったんです。だからもっと楽しくやりたいと思って自分でゲーム会を開催したんですけど、そのときの参加費がちょうど1000円だったんですよね。

森川 参加してつまらなかったゲーム会の参加費はいくらだったんでしょうか?

坂本 多分500円とか1000円くらいだったと思います。お金を払って参加しているのに本当につまらなくて、だったら自分でやってみようと思って友達5人を集めてゲーム会を開催しました。そのとき1人につき1000円頂いたんですけど、1000円貰ったときに足が震えたんですよ。僕は福岡にいるとき銀行員として働いていたので何千万、何億というお金は普通に動かしていましたし、お金の扱いには慣れているはずでした。でも自分の提供したサービスで1000円貰うというのは全く違う感覚で緊張で足が震えたんですよ。会社員だったら何かあれば会社に責任が発生するのでそこまで緊張はしませんが、自分で開催したゲーム会なので何かあれば責任は全て自分にふりかかってきますからね。なのでお金を直接頂くということはすごく緊張したんですけど、この経験は自分が成長するために必要なことだったと思います。

森川 ではその最初に参加されたつまらないゲーム会と、坂本先生が開催されたゲーム会とではどのような違いがあったんでしょうか?

坂本 もともと『キャッシュフローゲーム』とは金融・投資・財務などを勉強するゲームで、紙のお金を使わずに、現金出納帳みたいなものを自分で作って遊ぶことができるんですね。僕は当時銀行員として働いていたので金融や投資の知識があり、その知識を活かしながらゲームをやっていたんですけど、最初に参加したゲーム会ではそういう知識のない方が集まっていたんですよね。だからお金のことを勉強するというよりも、すごろくや人生ゲームのような感覚でやっていたので僕とは全く違う遊び方をしていたんです。しかもゲームをする時間がとても短く、2時間くらいで終わってしまう会だったんですよ。普段僕は1日くらいやるので物足りなかったですね。

森川 同じゲームでも遊び方は様々なんですね。坂本先生は自分で開催したゲーム会の方が面白いという自信はあったけども、1000円の参加費を頂くのは緊張したということですね?

坂本 僕が開催したゲーム会の方が面白いよなとは思ってはいたんですけど、最初は自分が提供したサービスがいいものかどうかも分からなかったので自信はありませんでした。しかもそのゲーム会の参加費が初めて人からお金を貰うっていう経験だったのでとても緊張しましたね。お年玉とかでは1000円貰ったことはありますけど、それとはまったく別の感覚なので(笑)。あと会社勤めのときはお給料としてお金を貰いますし、何かあっても会社や上司の責任になるのでお金の重みがよく分からなかったんですね。でも自分の提供したサービスで1000円を貰ってみると、そのお金の価値や重みを実感することができました。

自分にできることは何かを考える

森川 自分の提供するサービスで1000円を貰うということはとても価値のある経験になるんですね。坂本先生は得意なゲームがあったので、そのゲーム会を開いて参加費として1000円を貰ったということですが、得意なことがないという方や、何をしたらお金が貰えるか分からないという方も多くいらっしゃると思います。そのような方に坂本先生はどのようなアドバイスをされますか?

坂本 まずは自分が何を提供したら人から1000円貰えるのか、よく考えて欲しいですね。発想として一番シンプルなのは”肩叩き券”。子供が親の誕生日に肩叩き券をプレゼントしたりしますけど、発想はこれと一緒です。要は自分が肩叩きをするっていうサービスに値段付けるか付けないかだけの話なので。だからこのように自分ができることは何かとまずはシンプルに考えてみてください。例えば何か作るのが得意だったらその作った物を売るとか、自分に何か特技があったり他の人より詳しいことがあれば、それを教えて授業料としてお金を頂くとかでもいいですよね。料理が好きな人の場合で例えると、料理教室を開いて参加費を頂く、作った料理やお菓子を近所の人に配ってその材料費としてお金を頂くといったように、お金を貰う方法はたくさんあるのでまずは自分が何ができるのか考えてみることが大事ですね。

森川 じゃあ何か作るのが得意な人は、たまに大きな公園とかでフリーマーケットが開催されているので、それに参加して何か売ってみるのもいいかもしれませんね。

坂本 そうですね。あとは自分の作った物でなくても、何かいらない物があればそれを販売してもいいですし。フリーマーケットが面倒ならヤフオクとかメルカリなどネットを利用して販売することもできますよね。このように1000円を貰う方法というのは考えればいくらでも出てくるんですよ。

森川 坂本先生のお話を聞いて思い出したことがあったんですけど、1000円を人から貰う経験をしたことによって、その後の人生が大きく変わった方がいたんですよね。その方は女性で私の後輩なんですけど、とても豆腐が好きな方なんですよ。ただ食べるだけじゃなく、大豆やにがりなど材料からこだわって自分で作っちゃうくらい好きだと言っていたんですよね。僕はこの話を聞いたとき、絶対ビジネスになると思って「そんなに好きなら豆腐の料理教室をやってみたら?」という提案をしました。そしたら彼女は、豆腐の良さを色んな人に知ってもらえるならぜひやってみたいという風に思ってくれて、実際に料理教室を開くことになりました。その当時は健康ブームで健康に良い食べ物が流行っており、豆腐も健康食材のひとつなので人気の食材となっていました。なので豆腐を手作りしたことのない方や知識がない素人の方なども、料理教室にたくさん来てくれたみたいです。この時に受講料として1000円頂いたそうですが、これをきっかけに自分の豆腐作りの腕前や知識に自信を持てるようになり、その後は海外に行って豆腐の良さを伝えているそうです。一番最初はただ1000円を貰うという小さなことから始めたのに、それがきっかけで今後の人生が大きく変わるんだなと思いました。なので自分の得意なことは何か探して、小さなことからでもいいので何かチャレンジして欲しいですね。

坂本 素晴らしいお話だと思います。やっぱり1000円を貰うことができないと、1万円、10万円、100万円、それ以上のお金も貰えないと思うんですよ。ビジネスを発展させる為には小さなことを積み重ねていかなければならないので。あと最初からいきなり何百万も稼ぎたいってなると、目標などがふわっとしてしまって結局何もできなくなってしまうんですよね。だからまず入口としては、1000円を貰うためには何をしたらいいか考える。それで実際にお金を貰えたら次の展開を考えるのがいいと思いますね。

森川 なるほど。あと先ほど坂本先生が自分が得意なこと、人より詳しいことがあれば、それを人に教えてお金を頂く方法もあるっていうお話をされたんですけど、これって誰でもできる方法なのかなって思ったんですよね。例えば受験勉強の話になりますが、自分が偏差値55だとします。そしたら自分よりも偏差値の高い人には教えることができませんが、自分より低い人、例えば偏差値40の人を自分くらいのレベルになるまで教えることはできますよね。人に何かを教えるのことって、別に自分がその道のプロじゃなくてもできますし、自分より知識がない人や経験のない人になら教えてあげることはできると思ったんです。だから自分が何も得意ことがないから1000円を貰えないと悩む方がいるかもしれませんが、本当に何もないのか、人より少しでもいいからできることや得意なことがないかもう一度よく考えてみて欲しいなと思いました。

坂本 本当にそう思います。人に何かを教えてお金を頂くのはいい方法ですよね。あとは先ほども言いましたが自分で物を作って売る、家にある不良品を売る、人の物を売って手数料を頂く、利益を折半するなど、考えればいくらでも1000円を貰う方法はあるんですよ。

森川 1000円という金額がちょうどいいですよね。大きなことをしなくていいですし、誰でもそんなに難しくなく貰うことができる金額だと思いました。

ビジネスの展開方法

坂本 1000円を貰ったあとは、それをどう増やしていくのか考えること。たくさんの人に買ってもらうのか、それともお金を払ってくれた人に追加で買ってもらうのか、単価を上げるのか。このように考えていけばビジネスはどんどん広がっていきます。僕の体験談でいうと、先ほど『キャッシュフローゲーム』というゲームのゲーム会を開催して参加費として1000円頂いたという話の続きで、ゲーム会は1回だけではなく何回も開催したんです。最初の何回かは1000円でやってたんですけど、参加者の満足度が高かったのでちょっと値段を上げてみようと思い、1000円→3000円にしてやってみました。そしたら前回と同じくらい満足度が高かったので、さらに値段を上げて6000円でやってみました。そしたら3000円の時と同じくらい満足度が高かったので、これはいけるだろうと思い一気に15000円まで上げてみたんです。そしたら集客をサボってしまったっていうのもあるんですけど、あまり人が集まらず満足度もイマイチでした。なので6000円と15000円の間をとって9800円でやってみたら、人も集まるし満足度も高いしちょうどよかったのでそのまましばらく9800円でやっていました。ちなみに参加者の満足度は一番最初に1000円でやっていたときと同じでしたね。

森川 9800円って普通に考えたら結構な金額ですよね。沖縄だったらそのお金があれば3~4回飲みにいけちゃいますよ。でもその金額を払ってゲーム会に参加する方がいるということは、坂本先生が開催されたゲーム会の内容がその金額に見合うくらい良かったということですよね。

坂本 講座の内容には自信があったので、9800円でも自分では安いと感じていましたけどね。でも僕のように少しづつ値段を上げてみるとか、他の方法だと商品数を増やすとか、同じ人に買ってもらうとか、とにかく最初の1000円を貰うことさえできればその後は縦横後ろ色んな方向にビジネス展開ができるので、まず入口としては1000円貰うことから始めてみるのがいいと思います。

森川 1000円貰うっていう言葉だけ聞くとあんまりピンと来ないという方もいるかもしれないんですけど、実際に足が震えたとかそういう体験談を聞くと、お金を貰うことの大変さや有難みがよく分かりますね。僕も同じような体験をしたことがあって、お金を貰うときにうまく呼吸ができなくなったというか、喉がカラカラになってしまったんですよね。

坂本 森川さんはどのようなことをしてお金を頂いたのですか?

森川 僕は昔、営業のやり方を教えるセミナーを開いたことがあったんですけど、その時に参加費としていくらかお金を頂きました。そのセミナーで初めて皆さんの前でお話するとき、緊張で喉がカラカラになってしまい、ペットボトルの水も全部すぐに飲んでしまいました。その後は一生懸命お話したんですけど、緊張しすぎて結局上手くいかなかったんですよね。参加費はそんなに高い金額を頂いたわけじゃないんですけど、自分で開催したセミナーだったので責任もありましたし、参加費に見合ったことをしなくてはいけないという気持ちがあったのでとにかく緊張しましたね。

坂本 金額に関わらず、自分の提供したサービスでお金を頂くということはとても緊張しますよね。例えば同じサービスを無料で提供するとなると話は全然変わってきて、責任もあまり感じないし失敗してもいいやと心が油断してしまうんですよ。お金を頂いたらいい意味でも悪い意味でも恐怖心が生まれるので、ぜひ起業をする前にこのような経験をして欲しいと思います。

森川 そうですね。あと金額の大小に関わらずクレームって発生しますよね。高いお店の方が責任が重くクレームも発生しやすいのかなと思われがちですが、安いファーストフード店のカウンターで文句を言っている人もよくみかけるので、責任に関しては同じくらいあると思います。だから1000円を頂くというのは金額的にはそこまで大きくはないですけど、充分お金を頂くということの大変さやは難しさは学べると思うので、起業を考えている方は1回でもいいので経験した方がいいと思いました。

坂本 1000円を貰って、そこから色んな経験を積んでいくと次のビジネス展開が見えてきますからね。

森川 起業を考えている方で何からした方がいいか分からないという方は、まずは小さなことから始めてみる。小さなことのひとつの例として、1000円を貰う方法を考え実践してみるのがおすすめだということですね。そしてこの経験が起業への大きな第一歩になると。とても分かりやすいですし、誰でも始めやすいですよね。ぜひ起業を考えている方にやってみて欲しいと思います。坂本先生、今日もありがとうございました。

坂本 ありがとうございました。

次回:【第9回】坂本憲彦のラジオ起業塾「仲間を大切にできる起業家になるために」

 

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番組概要

番組タイトル

沖縄で起業したい人を応援します「坂本憲彦のラジオ起業塾」

ナビゲーター 坂本憲彦
オンエア 毎週日曜 09:30~09:56
コンセプト 起業家育成の専門家、坂本憲彦がはじめての起業で成功する為に大切なポイントをお届けします。
関連サイト ■ポッドキャスティングでいつでも聞ける!
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