「最大の調味料」とは一味違う調味料

こんにちは。
立志財団メンバー、沖縄在住ライターの森川応樹です。
今日も、この記事を見てていただき、ありがとうございます。

今回は

【「最大の調味料」とは一味違う調味料】

「空腹は最大の調味料」と言われます。

 

むかしむかし、
ある国のグルメな王がいたそうな。
彼は、贅の限りを尽くした結果、

どんな腕の立つ料理人の一品も、
王の舌を満足させることができなくなりました。

そんな王の舌を満足させたのは、
ある召使の作った粗末な料理でした。

グルメな王に「おいしい!」と言わしめたのは、

その国一番の料理の鉄人でもなければ、

料理の味そのものではなく、

ひたすら王に「おあずけ」をさせて、

空腹を我慢させたときに食べさせたという工夫なのです。

 

だからこそ、

「空腹は最大の調味料」

と言われます。

 

あなたにも経験があるのではないでしょうか?

学生時代、夏の暑い日に、

限界まで我慢させられた部活の休憩時間に

口にした水の味は、

 

やっぱり、いつもよりも
おいしかったのではないでしょうか?

 

さて、

その「最大の調味料」とは一味違う

「調味料」があるのですが、

あなたはご存知ですか?

 

8月17日は、

「パイナップルの日」

だそうです。

「パ(=8) イ(=1) ナ(=7) ップル」

の語呂から、

パイナップルを扱う大手、株式会社ドールさんが

制定した記念日です。

 

余談ですが、

「8月1日」は、

「パインの日」

です。

「パ(=8) イ(=1) ン」ですね。

 

こちらは、沖縄県や農林水産省による制定です。

パイナップルの消費拡大を狙ったものです。

 

ところで、ご存知ですか?

日本におけるパイナップルの生産量が一番なのは、

沖縄っぽいのは、なんとなく、

お分かりだと思いますが、

その割合は、どれくらいか、わかりますか?

 

日本のパイナップルの生産量の何%を

沖縄県によるものでしょうか?

答えは・・・

ほぼ100%!!

しかも沖縄全土で採れるのではなく、

本島北部と、石垣島エリアのごく限られた場所なのです。

特に夏の今の時期は、食卓を飾ります。

そのパイナップル、

実は、私たち日本人と、ある親日国家の国との

友好の懸け橋なのです。

 

台湾と日本の友好の証

日本にパイナップルを伝えてくれたのは、

親日国家でお馴染みの台湾人の皆さんです。

台湾がどのくらい私たちを慕ってくれているか

痛感したのは、最近でいうと、3.11の震災の時。

どの国々も、私たち日本人を心配して

多くの心遣いを贈ってくれましたが、

 

とりわけ多額の義援金を送って下さったのは

台湾です。

 

さて、パイナップルの話に戻ります。

台湾人が日本の石垣島に伝えてくれたのは、

1930年代。

多くの移民が台湾から石垣島へ渡ってきました。

彼らがもたらしてくれたのは、

「パイナップルの栽培と、その周辺産業」

と言われております。

50を超える栽培農家が台湾から石垣島に移住して、

本格的なパイナップルの生産が始まりました。

その後、缶詰の製造工場も作られ、

瞬く間に、パイナップルは、

当時の沖縄の主要産業の一つにまで

成長したのです。

 

それまでなかった産業が一つ、

沖縄にできたのですから、

台湾の方々の沖縄への貢献は、

とても大きなものでした。

 

ところが、

第二次世界大戦の激化により、

パイナップル産業に従事する人口は激減し、

産業が衰退することになりました。

 

さらに、

敗戦により、台湾と日本との間に

国境が引かれて、従来の友好関係を継続するのは、

難しい状況になりました。

 

当時の沖縄の人たちは、苦境に立たされました。

 

それでも、台湾の人たちは、見捨てませんでした。

心ある台湾人は、石垣島に残ることを決め、

復興に尽力してくれたのです。

 

その友好の懸け橋の証が、台湾人の手助けで

見事、復興を成し遂げたパイナップル産業です。

 

あなたが今、

口にされている国産のパイナップルの味は、

いかがですか?

 

「おいしい」

と感じてもらえるのであれば、

それは沖縄の気候や土壌の条件のたまもの

ともいえますが、

 

明日、あなたが口にするパイナップルのおいしさは、

親日国家である台湾の方々が、

友好の証として、育んでくれた、

格別のご厚意の歴史のたまものともいえるのです。

 

最大の調味料とは一味違う調味料とは?

 

パイナップル一つをとっても、

私たちの食卓に並ぶまでに

歴史や想いが詰まっています。

それを言葉にして伝えると、

 

それは

「ストーリー」とか

「もの語り」と呼ばれます。

 

グルメな王の舌を満足させたのですから、

「空腹」は確かに、

「最高の調味料」であることは

間違いありません。

 

ですが、

「ストーリー」「もの語り」は、

「空腹」だけでは、

付加しえないものを与えます。

 

その結果、一味違うものになります。

「ストーリー」はまさに

「空腹」とは異なる味わいを与える調味料ですね。

 

あなたのビジネスの価値を高めるために

パイナップルの「おいしい」と感じる味は、

私たちのビジネスに置き換えると、

・パイナップル = 提供する商品、サービス

・おいしい   = お客様の満足、喜び

・ストーリー  = 価値をさらに高めるもの

となります。

 

あなたが提供する商品やサービスそのものの価値が、

お客様に満足や喜びをもたらします。

それに「ストーリー」が加わることで、

お客さまが感じる価値は、

また一味違うものになるに違いありません。

満足や喜びが、時には、感動にまで昇華するものでしょう。

改めて、あなたが商品やサービスに込めている

想いを言葉にして、「ストーリー」として

伝えてみては、いかがでしょうか?

 

この内容が、

あなたのお役に立つことができましたら、幸いです。

今日も、ここまで読んでくださり、

ありがとうございました。