開業したてのコンサルタント の年収は?高収入のポイントを解説
この記事では、
- コンサルタントとして独立するとどのくらいの収入になるのか?
- 年収を上げるための具体的な方法
- 開業コンサルタントと独立コンサルタントの違い
- 低年収なコンサルタントと高年収なコンサルタントとの違い
といったことを書いています。
コンサルタントとして独立開業したい、でも、
- どのくらいの収入になるのか分からず不安。独立してやっていけるのか?
- 独立してすぐにクライアントが来るのか?
- 軌道に乗るのはどのくらいの期間がかかるのか?
など、いろいろな疑問や不安をお持ちの方が多いと思います。
そこで、40歳でBtoBマーケティング専門コンサルタントとして独立し、以後、株式会社ロゼッタ(東証グロース)の正規代理店となり、社員ゼロ・人脈ゼロで100社以上の企業と契約し業績を拡大したアクスビー株式会社 代表取締役 山田俊明氏に独立当初のお話を伺いました。
コンサルタントの年収はどれくらい?0円〜制限なし。年収1000万円超も。
開業時に前会社から1社クライアントを引き継ぎ、新規の会社を4社契約したため、計5社からの収入がありました。
その結果、開業したての頃の年収は、1年目700万円、2年目には1000万円弱になりました。
引き継いだクライアントからのコンサルティング代は月数百万円と単価が高く、新規に関しては単価が低くなってしまうため、1000万円の内訳としては引き継ぎ7割、新規3割です。
新規だけで見ると約300万円の収入になります。
雇われている時と違い、独立をすると収入の上限はありませんが、確実に約束された収入もありませんので年収は0円~制限なしと言えます。
今回の例のように開業時の条件や、やり方によっては1000万円を目指すこともできるでしょう。
コンサルタントとして独立開業して年収を上げるには?
広告
今回は使用した広告媒体について以下の3つご紹介します。
- WEB広告
- DM
- 名刺
広告費については、開業時は月に5万~10万円を目安に、そして売り上げが上がったタイミングで徐々に割合を上げ、Max30万円まで使用して広告をうっていました。
WEB広告
ランディングページをいくつかつくり、それをとにかくGoogleアドワーズ(現在のGoogle広告)などのWEB広告に出しました。
文章をつくるときのポイントは、実績を載せることや、“○○社限定”などの信頼性や希少性を出すことです。
実績に関しては、開業当初は会社員時代の実績でもよいでしょう。
開業時の14年前は、web広告においてBtoC向けが多くBtoB向けが少なかったたため、当時としてはニッチな切り口に入っていました。
BtoB向けにアレンジしてやっていたこと、当時中小企業でネットから売り上げを上げたいという企業が増えていたことから、比較的アクセス数は取りやすい環境に広告を出していました。
最初の問い合わせがくるまでにかかった期間は1か月ほどです。
DM
会社を立ち上げた当時はSNSがなかったため、経営者向けのDMも送っていました。
当時は経営者向けのメルマガ媒体が多くあり、1回の配信で5万人の読者に届く媒体を活用して、配信をしたりもしました。
1回の費用は5万円~10万円ほどです。
当時は反応が良く、問い合わせは結構ありました。
名刺
過去にもらった名刺に、“こういう仕事を始めました”とご挨拶のメールも配信しました。
ですが、これは私の場合は反応が少なかったです。ターゲットが前会社と少し違ったことが要因です。
独立前とターゲット層が同じであれば反応が見込めるかもしれません。
無料オファー
広告やDMは無料オファーに繋がるようにしました。
方法は
- 小冊子をダウンロードまたは郵送で無料で配る
- 問い合わせが来た人に小冊子を読んだ頃のタイミングを見計らって電話をする
- 個別相談に繋げる
- 契約
という流れです。
小冊子の内容は、“BtoB専門のネットマーケティングという肩書で、法人向けに商品サービスを提供する個人企業・中小企業がどうやってwebから集客して売り上げをあげるかという方法”を記載したものです。
電話をすると、小冊子を読んだ人からはいろいろな反応が返ってきます。
そこで詳しくお話を伺って相手企業の課題を明確にし、対応策があることを提示することで個別相談に繋げます。
そして、個別相談から検討してもらい契約をしていきました。
価格
金額設定は、大手のコンサル会社に比べ、半額くらいの感覚でやっていました。
- 3ヵ月お試し期間で5万円/月
- 本契約で平均20万円~30万円/月
- コンサルの内容によって本契約の値段は変わる(最低10万円~最高60万円/月)
最初の3ヵ月はお試し期間で5万円/月からはじめました。
この価格設定の理由は、5万円/月であれば3か月間15万円なので、スタートアップの中小企業もハードルが高くなく利用できると考えたためです。そして、集客が見えてきたところで本契約という流れです。
本契約の価格設定方法は、会社の規模、コンサルの内容によって幅を持たせました。
最初の3か月間で相手の会社の状況が分かるため、必要なコンサル内容を見極め、フルパッケージか部分的なコンサルかによって10万円~60万円/月で設定しました。
例えば、webランディングページを作り、広告をつくるだけであれば10万円/月
さらに、集客した後のアフターフォローも含める場合や小冊子などのツールを作る場合は30万円/月です。
相手が価格に難色を示しても、価格を下げて安売りすることはしませんでした。もし希望があった場合には、サービスを減らすことで値段を下げて提案をしました。
20万円~30万円/月での契約が平均的で、60万円までの契約になると、大手の会社で複数のプロジェクトに関わりました。
契約数・リピーター
契約数は、2年目には5社となり、それ以降は常に5社と契約がある状態を維持しました。
5社から契約を増やさなかったのは、きちんとサポートできる体制を維持するためです。
コンサルティングは、3~6か月契約が1クールです。
1~2回は契約の更新がありましたが、2年くらい経つとある程度のことは伝えきってしまうため、その後のリピートには繋がらないというのが現状です。
コンサルタント以外の収入源
先程お伝えしたように、コンサルティングの継続目安は6か月です。2年近くもやれば、ノウハウ的な部分は全て伝えてしまうので、リピーターを長期間獲得することが難しい業種のためコンサルティング契約だけでやっていくのは厳しいと感じました。
そこではじめたことが、WEBサイト構築の代行サービスです。
WEBマーケティングのコンサルタントをしていたため、そのままWEBサイト構築等の実務代行まで仕事の幅を広げ、継続的な契約に繋げました。
クライアント様の内情として、コンサルをした内容を実際に行うのは社員ですが、タスクが増えるとやる人がいなくなります。
そこのお悩みを代行サービスとしてやることにしました。
代行になると立場的に指導する側ではなく、クライアントになるので相手の要望も聞かなければいけなくなるという違いはありましたが、そこはうまく折衷して請け負っていきました。
このように提供するサービス内容を変えていきました。
開業コンサルタントと雇われコンサルタントの違いとは?
雇われコンサルタント
メリット
安定した収入が入ってくる。
起業する前に勤務していた会社では新規開拓は営業部が行い、コンサルタントがその契約案件を担当する流れでしたので、固定報酬ではありましたが、比較的安定した仕事と収入が確保されていました。 また基本的にコンサルティング業務のみに集中できるという点では仕事を進めやすいという部分はあると思います。
デメリット
会社で決められた仕事をやらなければならないため、自分でクライアントや案件を選べない。
前の会社ではベンチャー企業だったためか、、営業部がとにかく何でも案件を取ってくる状況でした。
営業が取ってきた案件を実際にコンサルティングしてみると、営業から聞いていた話と全然違うということがよくありました。営業は経営者と契約しますが、現場の社員に内容が伝わっておらず、「なんでそんなことに時間を使わないといけないの」「本当に効果があるの」などといった反応が返ってくることも少なくありませんでした。1から全て、何をやるのかから説明しなければならない状況もありましたが、どんな案件もやらなければならない状況で、自分が思うような仕事をすることが難しかったです。
あとは固定報酬型だったので、コンサルティングでいかに成果を出しても収入に反映されなかった事は個人的にモチベーション低下の要因になりました。
独立コンサルタント
メリット
とにかく自由にやりたいことができる。
先程お伝えしたように、営業が取ってきたものは、現場に入ってみると事前に聞いていた話と違うことが多くありました。ですが、独立をすることで最初から取引相手のストーリーが見え、また現場の課題やニーズも自分で納得するまで細かくヒアリングできるため、本当に自分がやりたいと思える案件を請け負うことができます。
結果的に契約するクライアントとの相性も良くなり、当然に成果も出しやすくなります。
デメリット
事業方針など、大切な決断を迷った際に相談相手がいない孤独感がある。
新規開拓から契約まで全て自分一人でやらなければなりませんし、毎月の給与が保証されているわけではありませんので、独立当初は不安定という部分は否めません。
また、時に事業の方向性や投資に対する判断を一人でしなければいけません。以前の会社では仲間と相談・議論しながら進めることができましたが、開業すれば社長一人で全て決めますので、その部分での孤独感が出てくることは、起業家の多くが経験するところだと思います。 そういう意味で、起業家や経営者が集まるコミュニティーはとても重要です。
低年収なコンサルタントと高年収なコンサルタントの違い
コアコンセプトを決める
専門性があるかどうかが大切です。
とにかく多くの人や企業を集めたいと考えて、「あれもできます。これもできます。」とより総合的に何でもできることをアピールし、広い範囲をターゲットにする人もいます。
大手の会社や資金力や人材等経営リソースが多い会社はこのやり方でもいいと思います。
ですが、小さいベンチャー企業は他社との差別化がポイントになります。
そのためにはなんでもやりますではなく、いかに際立った専門性が一つあるか、どれだけターゲットを絞れるかが大きいのです。「私はこの分野に強いです。」という専門性を発信していきます。
これは、“ランチェスター経営”の考え方です。これは「弱者の戦略」とも呼ばれ、大手が狙う市場やターゲットは無視して小さなニッチの世界で1番になる、という経営方法で、コンサルティングで稼いでいる人はこの方法を実践している人が多いのです。
ちなみに、ソフトバンクの孫さんやHISの澤田さんも、起業当初ランチェスター経営の考え方を実践していたというのは、知る人ぞ知る有名な話です。
複合的なサービス提供
コンサルティングだけをやっていた時にも、生活ができる収入はありましたが波がありました。
長期的に契約が継続するかしないか保証されていない状態です。そうすると今ある契約が更新されなかったら、という不安要素が常にありました。
そこで独立してから4年目に、販売代行業(代理店ビジネス)も始めました。モデルチェンジをしてからの方が経営は安定し、売り上げはコンサルティング:代行業8:2から5:5になり、今では逆転しています。
コンサルタントだけで食べていくにはよっぽど認知度がある人や実績があるという人が多い業界です。個人差はありますが、コンサルティングだけだと不安要素があるため、代行サービスのような何かしら付加価値をつけ、事業を複合的にやった方がよいでしょう。
プロフィール
一般社団法人 SIA心のゼロ経営プロジェクト代表理事 アクスビー株式会社 代表取締役 山田 俊明
「これからの経営は時代に左右されるノウハウよりも人間関係の構築が最重要」との信念のもと「真我(本当の自分)」という心の法則をベースとした企業経営や人財育成をサポートする専門コンサルタント。 明治大学経営学部を卒業後、野村證券やIRコンサルティング会社等を経て、40歳で起業し、アクスビー株式会社を設立。真我を体現した経営に取り組んだことで、顧客契約企業は100社を超え、創業12年目に新たに一般社団法人SIA心のゼロ経営プロジェクトを発足。真我を企業経営に普及させていくべく活動に取り組んでいる。 2020年11月 初の著書「人生を変える!本当の感謝」を自由国民社より出版。翌月12月に重版。趣味は下町の大衆酒場めぐりとエアピアノ。