学生起業の基本 | メリットと成功の6ステップ
昨今、ネットを通じて学生の頃からビジネスを始め発信を続けている方を多く見かけますよね。
自分も起業を考えている。自由な時間を遣って自分でビジネスをしてみたい。でも実際どんなふうにビジネスを始めれば良いのかわからない。すぐに飛びつくとカモにされるではないか…?
もしあなたがそんな憧れや不安を持っているのであれば、抑えておくべき学生起業の基本的な心構えがあります。
自分のやりたいことをビジネスにしたい学生もいれば、どうやってお金を儲けようか、せどりやアフィリエイトなど話題性や効率性で始める学生もいます。理由はどうあれチャレンジ精神あふれる学生起業家が自分自身でビジネスをしてみる体験は非常に貴重です。
今回は1万人上の経営者・起業家を指導してきた坂本憲彦氏に、学生であることを最大限活かす起業とは何かをうかがいました。
坂本氏は「どうせ起業するなら学生のうちからした方がいい」と言います。これから起業を考えている学生の方は、ぜひ参考にされてみてください。
学生起業ならではのメリット
学生のうちに起業するのですから、そのメリットを理解し存分に活用していきましょう。社会人になってからでは難しくなってしまうけれど、学生のうちならば伸び伸びとできることがあります。
身分が保証されるから人と会いやすい
学生の特権ともいうべきメリットがあります。それは、学生であるだけで身分が保障されているということです。身分が保障されていれば色々な人とあうチャンスを作ることができます。
聞こえは悪いですが、社会人になると会社名や職種・雇用形態などの色眼鏡が入り、紹介の時点で信用を図られてしまいます。
ところが学生は、「学生です」というだけで世間体が立ち自然と応援の目線で接してくれます。なぜなら、「学生のうちから起業を志して業界研究をしている」という評価になるからです。
自分がやりたい業界の経営者と会う機会を作ることができれば、非常に貴重な情報を得られると思います。
無条件に信頼を得られる特権を活かして、自分のやりたいことを伝えその業界のつながりをどんどん作っていきましょう。
自由に使える時間が多い
学生のメリットといえば、自由に使える時間が多いということでしょう。
社会人になると想像以上に時間を取られてしまうので、もしやりたい職種に就けないとなるとそのための時間を後から作らなければいけません。それなりのエネルギーが必要になってしまうのです。
学生のうちには学業やサークル、アルバイトなどすることはたくさんあるでしょう。ですが、特に文系であれば単位を取るにつれて自由に使う時間は選択できると思います。
ぜひ、どうやって自分の時間を遣うのかを自由の利く学生だからこそ考えてみてください。
失敗がマイナスにならない
学生のうちに起業する最大のメリットは、仮に起業が失敗したとしてもキャリアとしての失敗にはならないということです。
失敗も含めて学生の頃に挑戦した経験として、相手からもチャレンジ精神のある人だとポジティブに捉えられるからです。
起業をする人にとって失敗を繰り返すのは当然のことです。ぜひ失敗を恐れずにやりたいことにチャレンジしていってください。
気をつけるべきリスク
学生のうちにどんどんチャレンジした方がいいのですが、抑えておくべきリスクについてもお話していきます。
最低限のリスクは知った上でチャレンジしていきましょう。
金銭的なリスクには敏感になる
たくさん行動した方が良いのは事実ですが、金銭的なリスクには敏感にならなければいけません。
取り返しのつかない状態になり、学校も卒業できないようなことになってしまうのは避けた方が良いでしょう。
投資のリスクを抑えて行動できるビジネスモデルから始めるのをオススメします。
失敗してもへこたれずにいられるか
失敗してもいいといえば聞こえはいいですが、それは失敗しても続けられる気持ちがないといけません。
社会人としての知識や経験もない中で始めるので、失敗は当たり前です。ですが、「起業」「経営」という意味では会社員もそれを本当に経験しているわけではありません。
言ってしまえば起業に対する経験値は同じくゼロの人が大半なので、経験・知識の乏しさを引け目に考える必要はないのです。
一度失敗したからといって、やっぱり自分には出来ないと諦めてしまうのではなく、繰り返し挑戦していける心構えを持ちましょう。
儲け話のビジネスには要注意
「誰でも簡単に始められる!」「手軽に儲かる!」といった謳い文句のビジネスは基本的に疑ってかかったほうが良いでしょう。
時には学生の経験の少なさに漬け込んでうまい話を持ち込んでくる人がいます。ネットワークや投資系の儲け話にはホイホイとついていくべきではありません。
何もわからない状態だからこそ誰についていくか、メンター選びは非常に重要です。
・その経営者がどういう志でビジネスをしているのか
・金持ち自慢をして釣ろうとしていないか
・自分のやりたいことと感性が合うか
これらのポイントを参考に、欲に目が眩んで騙されないよう十分に注意しましょう。
学業や遊びの時間との折り合いが必要
自分の時間を自分で選択するということは、起業のために時間を犠牲にしてでもやる決断が必要ということです。
学業をこなしながら、必要ならばアルバイトをしながら起業をするための時間をコントロールするにはそれなりに意志を持っていないとできません。
遊びが起業アイデアの種になるのも事実ですが、それでも決めたことをやりぬく主体性を持って他の時間を犠牲にする覚悟は持っておきましょう。
成功するためにやりたい事に振り切る
どうせ学生のうちから起業をするなら好きな事や興味のある事で起業を志すのをオススメします。
遊びながら発想したこと、好きなことで起業を考えることを誰にも気兼ねする必要はありません。思い切り振り切ってみましょう。
マネタイズ・期限は最後に考えればいい
好きなことで起業すればいいと言っても、どうやってマネタイズしようとか、いつまでに何を達成すればいいだろうとか、計画をあれこれ悩んでしまう人も多くいると思います。
はっきり言って、マネタイズや期限は最後に考えればいいのです。まずは自分が何をやりたいのか、何が好きなのかを思い切りアウトプットしてしまいましょう。
「ビジネスはそんな簡単ではない」と今思われたかもしれません。確かにビジネスは甘くはありません。ですが、結果的に好きなことから出発した方が成功する可能性は高くなるのです。
結局、極められなければ勝てない
なぜ計画は後回しで好きなことをした方がいいのかをお話します。
それは、ビジネスで成功するためには結局はそれを極めなければならないからです。極めないと業界で埋もれてしまい、選ばれるビジネスにはなりません。極めた人だけが生き続けられるスポーツ選手と同じです。
果たして、儲かりそうだから、流行っているから、やれそうかどうか、と言った理由でスタートしたものを根気よく続けて極められるでしょうか。
好きなものや自然とそれをしてしまうもの、している時間が苦にならない物の方が断然続けられそうではありませんか?
つまり自分が自主的に研究熱心になれるものを選ぶべきなのです。そのためにも、好きなものをとにかくたくさん挙げて、できることから始めてみましょう。夢中で打ち込めるものを早く見つけられた人の勝ちです。
それがどうやってビジネスになるのか、つまり市場にどう合わせるか、どうマネタイズするかは後になってから必死に調整すればいいのです。大学生の4年の中でマネタイズできればそれは成功なのです。
学生起業の6ステップ
では、学生起業をするにあたってのステップを6つに分けてお伝えしていきます。
①やりたいことを見つける
まずは自分のやりたいことは何なのかを見つけましょう。儲かるか・流行っているかではなく完全に自分軸で見つけるように自由に考え、動いてみましょう。
②事業アイデアをたくさん出す
自分の好きなことが見つかったら、それらに関する事業アイデアをとにかくたくさんアウトプットしてみてください。数は多ければ多い方がいいので、まずは30個考えてみましょう。
③長くやりたいことを選ぶ
アイデアの数がある程度でたら更に自分の基準で絞っていきます。それは「長くやりたいこと」です。どれだったら極めるために続けられそうかを選んでみましょう。
④コアコンセプトを考える
長くやりたいことが絞れたら、いよいよ事業のコアコンセプトを作ってみましょう。コアコンセプトとは
・誰に(ターゲット)
・何を(サービス内容)
・USP(独自性)
です。この3つを明確にして、自分だからこそ提供できるサービスを考えましょう。
⑤事業計画にする
コアコンセプトまで考えてようやく、事業計画にします。特に事業の目的や実現したいこと、コアコンセプトといった事業内容を周囲に伝えるための言葉から作りましょう。
⑥目標・期限を決める
事業内容と伝える言葉ができて、最後に数値目標・行動目標です。
これが最初になってしまうと、そもそも継続するエネルギーが湧いてこないビジネスを始めることになってしまいます。
とにかくやりたいことをアウトプットし、続けられるものを選定し、コアコンセプトまで決まったらそれを実行するための数値を決めましょう。
業界に身を置き経験と資金を得る
学生のうちからビジネスを始めるにあたってどうやって経験や資金を得たら良いのかは大きなテーマです。身近なアルバイトという選択からクラウドファンディングまで、その心構えについてお伝えします。
アルバイトやインターンは好きなことで選ぶ
アルバイトを単なる生活費の収入源としてしまうのはあまりにもったいありません。最初にお伝えしたように、学生には身分が保障され、体裁が立つという最高のメリットがあります。
どうせ時間を費やすのであれば、やりたいことにつながる方が資金も経験も得られて一石二鳥です。これから自分が打ち込んでいきたいビジネスの世界に身を置くチャンスとすべきでしょう。
インターンシップ選びも業界研究にはうってつけのチャンスです。企業のネームバリューで幅広く選ぶのも大手の働き方を知る意味では勉強になりますが、独立を考えているビジネスに関わりが深い業種についてどんな企業があるのかを徹底して探してみることをオススメします。
社長のカバン持ちは唯一無二の経験
学生であることは仕事選びにとって自由度を上げてくれます。アルバイトというと、いわゆる飲食店や販売、イベントや塾講師・家庭教師などの対人のスタッフのイメージが強いかもしれません。
ですが興味のある業界・仕事でアルバイトの求人がないからと言って、稼ぎながら経験を得られないとは限りません。独立に向けた研究という理由で直接企業へ問い合わせをしてもいいわけです。
社長のカバン持ちが出来たならこの上ない業界研究と言えるでしょう。なにせその企業のトップが1日をどんなふうに送っているのかを間近でみることができるからです。仮に無給だとしても、学生ならではのお金以上に価値のある体験になるはずです。
必ず社長のカバン持ちというわけでもありませんが、それくらい自由に活動していいのです。学生にも窓口がある起業コミュニティもありますから、多くの繋がりから経験の場を発掘してみましょう。
クラウドファンディングは一つの手段
今、何かと話題のクラウドファンディング。やりたいことに共感してくれた人から支援を受けられる魅力的な資金調達の手段です。
クラウドファンディングで必要なのはビジネスの明確さはもちろんのこと、なぜそれをやりたいのか、そのビジネスを通して何を実現したいのかと言った理念の明確化が非常に重要です。
人様から資金を援助していただくことの重みをしっかりと理解して、その情熱を伝えましょう。
もし手取り早く資金を得られると安易な想いでできると考えているなら、支援していただく人たちに失礼なので、まずは自分のやりたいことを見つけることから始めましょう。
まとめ(熱意に勝る理由はない)
総括としては、学生で起業をするのに「熱意に勝る理由はない」ということです。
知識も経験もない。でもこれで成功したい!この業界で成長したい!
そんな熱意が自分の原動力となり、周囲を動かす魅力となります。
学生から起業を志すのです。やりたいことにチャレンジしない手はありません。マネタイズや事業計画は後回しにして、やりたいこと・続けられることへ全力で傾いてください。
夢を追うのに気兼ねしない今の環境を存分に活かして行動しましょう。
今回の記事が起業を志す学生にとって一つでも有益な情報となれば幸いです。
お話を伺った坂本憲彦氏の経営コミュニティ「立志財団」では、実際に学生の方の会員もビジネスを始めています。
まず自分軸をとことん掘り下げることにフォーカスした起業について知ることができ様々な業界への繋がりもあるので、参考にしてみてください。