おけいこ先生を元気にして、日本人の心を豊かにする
お稽古は日本独自のもの、ということをご存知でしたか。
日本人の心を豊かに育てるお稽古を教える
「お稽古先生」が今、危機的な状況にせまられています。
「自分らしく生きる人を育てる」
平野とも子氏は、この人生の目標を掲げ、
ご自身の過去の経験をもとに、
「お稽古先生」を元気に、日本人の心を豊かにするための秘訣をお伝えします。
はじめまして、平野とも子と申します。
私はお花の先生で今まで
18年間1万人に教えてきました。
その経験から、おけいこ先生をビジネス的に元気にして、
日本の元気を、日本人の心を豊かにする、
というテーマでお話をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
お稽古は日本独自のもの
いきなりなんですけれども、
みなさん何かお稽古ってなさったことある方いらっしゃいますか。
ありがとうございます。
たぶん、書道とか珠算とかなんか色んなことを含めれば
皆さん何かしら習ったことがあるんじゃないかな
って思うんですね。
ただ、このお稽古っていうのは、実は日本独自のものなんです。
海外には、お稽古っていうものって無くて、例えば、
お花のスクールとかお料理のスクールって
日本には趣味の学校があると思うんですけれども、
欧米にはそういったものは無くて、
欧米は、花の学校とか料理の学校というのは、
プロになるための学校。
あるいは、プロがさらに技を向上させるために来る学校なんです。
そのお稽古っていう概念は日本独自のものです。
これは私が考えるに、日本には
華道、茶道、というように
「道(どう)」
っていう考え方があるんですね。
つまり、お稽古をして、
お稽古をすることで自分自身を磨くという、
そういう日本独特の考え方なんです。
これは、こういった仕事にならないことにお金を払って自分を磨く、
時間とお金を使って自分を磨く、
という概念は海外にはないものなんです。
そのお金にもならないことを、お金を払って自分を磨く、
というこの日本独自の文化は私は、とっても素晴らしいものだと思うんです。
だからこそ、私は「おけいこ先生」を応援したいっていう風に思っています。
その「おけいこ先生」が今ピンチです。
「おけいこ先生」がピンチ
私は、今まで「おけいこ先生のビジネス学校」というところで、
約800人の人に講座をしてきたんですけれども、
ほとんどの方がこうおっしゃいます。
「生徒が集まらない」
ということをおっしゃるんです。
長くおけいこを学んできたけれども、
ずっと自分自身の技は磨いてきたんだけれども生徒が集まらない。
せっかく人の心を、日本人の心を豊かにする、人を磨くという
おけいこ先生がうまくいっていない、
これは大きな問題っていう風に私は考えています。
私は週末起業、
会社員を17年やっていたなかで、週末起業3年半を経て、
フラワースクールを立ち上げまして、
そして18年1万人以上の人に教えてきました。
そして3年前から
おけいこ先生のビジネス学校というのをやっておりまして、
そこの中でわかった、気が付いたこと
「おけいこ先生として
活躍するにはどうしたらいいか、
そうするのが日本にとってどういいか」
という話を今日お話させていただければと思います。
自分自身を伝える技を持つこと
お稽古先生として活躍するために最も大事なことって何でしょうか。
自分自身を伝える技を持つ、
ということです。
私のひいおじいさんは京都の小さな茶碗屋を
たった一代で全国区のブランドに育て上げました。
もう戦後すぐのことなんですけども、
同じ柄の食器を毎月毎月一年間売って、
そうするとセットになる。
頒布会(はんぷかい)っていう売り方なんですけれども、
この売り方をして、
ほとんどのデパートに今入っているようなブランドに育てた人なんです。
こんな風に
人に伝える技とかアイディアってとっても大事なんです。
じゃあ、私は18年間どうやってやってきたかというと、
私がスクールをはじめた時は
まだブログとかSNSとかそういうものは
全くない時代でしたから、
人と繋がるということをしてきたんです。
そして、
人が集まるということをしたい人達と私がつながる、
ということをしてきたんですね。
例えば、
お店とかサロンとかPTAとか何か、生協とか
そんなふうに人を集めたい人たちと私がつながり、
そこへ行って私がレッスンをして、この先生いいな、
と思った人が私のところにやってきて生徒になる、
という風な私がつながり、
そこへ行ってレッスンをして、
そんな形で人と繋がり、
人と環境を作り、
自分のレッスンを見てもらって
生徒をどんどん増やす
ということをしてきました。
これは浦和にあるフレンチレストランのお部屋をお借りて、
クリスマスのレッスンをしているという風です。
レストランもいいし、私もいいし、
なんかそんな風にしてずっとやってきました。
人と繋がっていくということは、
つまりはそれが集客になっていくわけです。
例えば今は人と繋がる、リアルに繋がるということは
もちろん大事なんですけど、今は特に
ブログとかフェイスブックとかSNSがありますから、
人と繋がるということを
リアルとウェブと両方繋げてやっていくといいんですね。
そうすると必ず人の輪が広がり、
結果的にスクールは大きくなります。
是非、参考にしていただけたらと思います。
独自の世界観、自分ワールドを持つこと
じゃあSNSなりリアルで人に
自分を伝えるにおいて、必要なことっていったい何だろう?
って思います。
それは
独自の世界観、自分ワールドを持つ、
っていうことなんです。
私は自然がとても好きで山によく行きます。
今でもよく行くんですけれども、アケビのつるとか、
こういうのをぐわ~っと持ってきてリースにさせたりとか。
あるいは流木をとってきて、
それをアレンジの中に入れたりとか、そんなレッスンをしました。
そういうことを伝えたくて私はスクールを始めたんですけれども、
そんなことをしていたら、
「それ面白いね」
と言ってどんどん人が集まってきました。
つまり自分が好きなこと、
自分が好きだなって思うことを深めていくと
それが強みとか独自性とか、
これマーケティングでいうと「USP」っていうことですよね。
そんなふうなものになっていきます。
それをきちんと伝えていく
っていうことで、
どんどん広がっていくんです。
そして自分ワールドを伝えて、
そのワールドがいいなと思った人がやってくる。
っていうのがおけいこスクール。
つまり、
おけいこスクールってファンクラブであり、
自分発のコミュニティなんですね。
こんな風にしておっきくなっていきます。
自分の根っこを知ること
じゃあ、この自分発信のワールド、
世界観をつくるために必要なことは何なのか、
というと、
それは自分自身の根っこを知るということです。
おけいこ先生が売るものはおけいこではなくて、
あなた自身、私自身なんです。
だから、あなた自身、私自身を知るということがとっても大事になってきます。
じゃあ私の根っこは何なんだ、
って考えてみると2つありました。
母の言葉と旦那さんの死
1つは京都の長男、跡取りが一番っていう呉服屋に生まれた母は、
私によくこう言ったんですね。
「女の子だからってできへん言うたらアカン」
今でも実は言われます。ずっと言われました。そのことが1つ。
その私も28のときに結婚しました。
ですが、
8か月後に旦那さんがぜんそくの発作で死んでしまいます。
そしてそれは、そのこと自体はとっても悲しいことだったんですけれども、
それ以来ですね、
週末の日曜日のダイエー、午後のダイエーに行って、
「ああ、私は一人で悲しそう」
とか、あるいは新婚旅行で行ったホテルで一人で泊まって
「ああ私って不幸」
って泣いてみたりとか、
引っ越しゃいいのに旦那さんが亡くなったマンションに3年半1人いて
「ああ私って可哀そう」
ってことを散々3年半やっていたんです
けれどもあるときハッて気づいたんですね。
私は、
「自分で自分を不幸にしているだけじゃん」
って。
自分の人生、生きてないじゃん
って、それすごいもったいないって思たんですね。
そこから私は花をやるしかないと思って、
花を頑張りだしたんです。
私の根っこは、
「女の子やから言うたらアカン、できひんと思たらアカン」
ということと、
「自分の人生、生きなきゃ勿体ない」
ということでした。
ですから私は、フラワースクールでもビジネスのスキルを教えるスクールでも、
自分の人生生きよう、
自分の人生生きなきゃ勿体ない、
女の子やって言うたらアカン
っていうことを、伝えてきています。
人生の目的は、自分らしく生きる人を育てること
こんな風に自分が、
自分の根っことやっていることが繋がっていること、
これはスクールに限らずだと思いますけれども
そういうことって
長く続きますし、
どんなことがあってもやっぱり止められないんですね。
そういうことなんです。
私自身の人生の目的は、
自分らしく生きる人を育てる、
ということです。
そして
このことを通じて、日本人の心を豊かにする
ということをします。
つまり人は経済だけではない。
経済だけでは生きてはいない、
と私は思っています。
心の豊かさと、そしてそれが
経済と結びつく車の両輪としてある、
そういう日本をつくっていきたいです。
そして私のひいおじいさんが
全国区にした京都の茶碗屋というのは『たち吉』といいます。
今もほとんどすべてのデパートに入っています。
ですが、
2年前経営不振でファンドに株を全部売りました。
もう創業家はいません。
私のひいおじいさんの血はもうないんです。
つまりどんなに優れた技やどんなに優れた技術も、あなたの技術も、
伝えるっていうことができなかったら存在できない、
無いのと一緒になってしまう。
とっても勿体ないんです。
だから
技がある人ほど、ビジネススキルがあって欲しい。
だから、私は技ある人にこそビジネススキルを持ってほしいと、
いつでも、だれでも、どんなときでも
自分らしく生きられる、自分の技で自分らしく生きられる、
そういう
おけいこ先生を育て、そして日本人の心を育てていきます。
誰もが自分らしく生きられる場をつくろうとした父の影響
私の父は50年近く前になりますが、テレビ局に転職しました。
その父がよく私に言ってくれたのが、
「ともちゃん、やりたいことはやりなさい。迷ったらやりなさい」
っていう言葉でした。
開局前のテレビ局に公務員から父は、
音楽番組がつくりたい、
と転職をしました。
ところがあまりにも過酷な状況で、
例えば過労死が頻発しているような状況で、
父は組合を作り会社と交渉しました。
結果、父は左遷されて、
音楽番組を作るっていうことはなかったんですね。
そういう父ではあったんですが、今にして思ってみると、
例えばテレビ局、開局前のテレビ局に入っていく人って、
今でいうYoutuberになって音楽配信をして一発あててやろう、
とか、そういう人だったんだなっていうこと。
そして誰もが
自分らしく生きられる場をつくろう
っていう人だったんだなというふうに今回改めて思いました。
私はいつの間にか
父と同じことをしている私をとっても嬉しく思い、
そんな父を誇りに思いました。
父がやっていたことと同じように
自分らしく生きる人を導く、
そして日本人の心を育てる、ということを私はやっていきます。
迷ったらやりなさい、やりたいことはやりなさい、女の子やから言うたらアカン
そして、私は私の生徒さんたちに、
「迷ったらやりなさい、やりたいことはやりなさい、女の子やから言うたらアカン」
っていうことを伝え続けたい、私はそう思っています。
輝く未来を、あなたに。
どうも、ありがとうございました。