第3回 市場軸ビジネスで失敗した私のケース
いつか起業を考えているけど、何から始めていいか分からない・・・
そう悩んでいる方へ。
起業家教育の専門家である坂本憲彦が、はじめての起業で成功するポイントを解説します。
今回は、「市場軸ビジネスで失敗した私のケース」について、お届けしていきます。
参考図書:6つの不安がなくなれば あなたの起業は絶対成功する
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「第3回 市場軸ビジネスで失敗した私のケース」
ある大手アパレル会社の話です。
20年ほど前、一世を風靡したブランドを持っていながら、近年、大きく失速してしまっているようです。
理由はいろいろありますが、業界人のみしか知っていない、そして、業界外では、あまり語られない理由があります。
それは、「会社トップが、アパレルを知らない。
それでも、経営力だけで、業界を牽引している」というものでした。
当時は、「興味がなくても、経営力があれば、業界トップに君臨できる」ということで、業界内では一目も二目も置かれていました。
しかし・・・・・
時間が経った今、メッキが剥がれた方のように大失速。大きな経営改革を迫られています。
経営力もあり、ブランド力もあり、それでも、失速してしまった理由は・・・
もう、おわかりですね。
坂本先生にお尋ねすると、こう答えるでしょう。
「トップがアパレルに興味がなかったため。」
なぜ、坂本先生がそう答えるのでしょうか?
それはこちらから視聴ください。
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森川:では坂本先生、今回もよろしくお願いいたします。
坂本:はい、よろしくお願いします。
森川:今回も、坂本先生の著書「6つの不安がなくなればあなたの起業は絶対成功する」の中から質問させていただきまして、深く聞かせていただきたいと思います。
第1章「誰でも見つかるビジネスアイディア」で、起業がしたいけれどもアイディアがなかなか湧かないという方にアドバイスをされていますが、ここで自分軸と市場軸の2つがあると書かれています。
その自分軸・市場軸について、例えば自分軸・市場軸という考え方からうまくいかなかった例、うまくいった例について、本の中では坂本先生ご自身の事例と、心理カウンセラーの三木さんの例が挙げられていますが、ここを深く聞かせてください。
まず、失敗した私のケースとして、坂本先生ご自身の英語のビジネスをされていた時のことが書かれていますね。
失敗した私のケース 失敗する要素はなかった英語教育事業
坂本:これは、新規事業を立ち上げないといけないという時のことでした。何か新規事業はないかなと、いろいろネタを考えたんですね。
その時ちょうど、速読の事業をやってまして、これはオンラインの講座だったんですけれども、英語のメルマガを書いてる方からの紹介がとても多かったんです。英語のメルマガの有力者がたくさんいらっしゃったので、何か英語のいい商品を作ってその人たちを通じて販売すればいいんじゃないか、と考えたわけです。英語の先生を見つけてきて、英語のカリキュラムを作って、それを販売していく、という新規事業を立ち上げようとしたのです。
ここに関しては、完全に市場軸のみで考えてます。英会話はビジネスの市場として考えたらすごく大きな市場ですし、ニーズもあるし、参加される方の情熱もある、お金を払ってくれる土壌もあるので、英語市場というのは比較的大きな市場です。
私たちが持っていたリソースに、そういう英語のメルマガを書いてる方がいたので、英語のオンラインの講座のシステムは自分たちで作れました。販売も、コンサル担当の人に入ってもらって、やっていくことになりました。だから、その時にそのタイミングで英語事業に参入するというのは、誰がどう考えても正解だったはずなんです。
森川:そうですね。失敗する要素が見当たらない、というくらい良い条件がそろっていますね。
坂本:実績のある先生にお願いしてコンテンツも作ってもらいましたし、マーケーティングにもコンサル担当の方に入ってもらいましたので、要素だけ考えると失敗する要素はないんです。
しかし、売り上げが伸びず撤退
坂本:実際やってみてどうだったかというと、最初はパーッと売れたんですね。売れたんですけれども、1年くらいでその売り上げが終息して、結局1年くらいで事業をやめることになりました。
何が原因だったかというと、もちろん市場性や、私たちの売り方の問題、マーケティングの方法などがあったと思います。しかし、1番大きな問題は何かというと、自分軸と沿っていなかった、ということですね。
失敗した原因は自分軸に沿っていなかったから
森川:自分軸に沿っていなかった?
坂本:自分軸って、やっぱり僕自身ですね、僕が社長でしたので、社長の自分軸と合ってない事業というのは、続かないと思うんです。
森川:自分軸に合ってないというのは、坂本先生が英語に対してあまりピンときてなかったというか、お好きじゃなかったのでしょうか。
坂本:そうですね。僕、英語に関して全く情熱がないんです。
森川:そうなんですか。
坂本:上達したいとは全く思っていなくて。
森川:そうなんですか。
坂本:僕は英語で全部失敗してるんですね。受験勉強とか、受験ですね。僕が今から頑張って英語を勉強するよりも、例えばGoogleの自動翻訳の方が、たぶん進度が速いはずなんですよ。僕が英会話5年やって5年後にペラペラになったとしても、GoogleさんとかAppleのSiriの方が、もっとはるかに優秀になってるはずなんです。だから、僕が語学をやることはあんまり意味がないな、と思っています。
自分が英語に興味がないということは、自分軸の中に英語教育はないので、そういう人間がリーダーだと、いくら優秀なコンサルを入れたり優秀な先生を連れてきても、やっぱりうまくかないんだな、とすごい感じますよ。
興味がないことには改善のエネルギーが働かない
森川:成功する条件がそろっていたけれど、唯一、自分軸という観点で坂本先生には英語に興味がなかったということですね。
その商品に対してはすごくいいという評価も一定以上おそらくあったんだろうなと想像できますが、例えば価格が適正だっただろうか、自分だったらこの金額払うかどうかなど、振り返って思うことはありますか?
坂本:月5,000円くらいの講座で、毎月新しい英語の音声のコンテンツとテキストのコンテンツを提供する、というものでした。毎日新しい音声を聴いて学習していくと英語が話せるようになる、というカリキュラムでした。商品が悪いということはなかったと思いますし、ある一定の水準は満たしていたと思います。やっぱり一番の原因は、僕に情熱がないので、もっとより良くしていこうという改善のエネルギーが働かなかったということですね。
ビジネスは才能ではなく何回改善をしたか
坂本:ビジネスって改善じゃないですか、最終的には。何回改善できるかという勝負になっていて、これは本の中でも書いてますけれども、僕は最低300回は改善しましようねって言ってるんですよ。
事業計画もそうだし、マーケティングもそうだし、何でも300回くらい改善していくと、必ず成果につながっていきます。
僕が教えてた生徒さんでも、例えばホームページを使って集客をしていますが、みなさん2,300回くらい修正しています。ホームページで集客できないと言っている方は、修正回数がほぼゼロ。10回やってる人も少ないですね。
森川:そんなに少ないんですね。
坂本:それってマーケティングの才能やセンスがあったわけではなく、物理的に改善の回数が何回あるかなんです。
そうなってくると、自分軸とつながってないものは、そもそも改善しようっていうエネルギーが働かないんですね。
自分軸に沿ったものなら改善し続けられる
坂本:僕は英語教育に対して情熱がなかったので、マーケティングをより良くするとか、商品ももっと良くするとかっていうのが、わからないわけですよ。だから、興味や情熱がないものはやっぱりやってはいけないんだな、とすごく思いましたね。
森川:そうですね。もちろん条件も大事だと思いますが、どれだけ条件に恵まれていても失敗してしまうというのは、自分軸というか、興味が持てる持てないということが非常に大切だという、すごくいい例ですね。
坂本:やっぱり自分のやりたいこと、好きなことと合ってないと改善していかないので、掘り下げられないんですよね。
そのマーケットに対する深いニーズとかもわからないので、自分がそこに興味があって四六時中ずっとそこのこと考えていてもやっていこうと思えるということは非常に大事だな、と感じましたね。
自分軸から考えて成功したカウンセラー 三木さん
森川:逆に、自分軸と市場軸がうまく重なって成功したという起業家の方の例として、心理カウンセラーの三木さんが紹介されています。
この方の事例についても教えていただけますか。
坂本:三木さんは逆に、自分がやりたいというところからスタートしています。
三木さんはサラリーマンでしたが、身体を壊されて、そこからカウンセラーの資格を勉強して、資格を取って独立されました。自分軸があると、やっぱり継続していこうという力が働くんですね。三木さんは、独立した当初はなかなか売り上げにもつながらなかったんです。最アルバイトしながらやっていたんですね。
森川:掛け持ちみたいな感じですか。
坂本:掛け持ちですね。最初はカウンセラーでは当然食べられなかったので。そしてアルバイトの収入の方が多かったのです。三木さんのすばらしいのは、それでも自分の軸はカウンセラーだというアイデンティティを常に持っていたんです。
自分軸をしっかり持って継続することが成功へ繋がる
坂本:みんな間違ってしまうのが、関わる時間も多くて収入も多いと、例えばアルバイトの方が本業だと思ってしまうことです。しかし、三木さんは、関わる時間は少なくても、常にカウンセラーが本業というスタンスだったんですね。そういうスタンスでいるので、ちょっとずつちょっとずつカウンセラーの方でもお客様が来るようになってきて、ブログを書いて集客したり、ご紹介いただいたりという形でやっていって、今ではすごい大人気のカウンセラーになっています。
なので、やっぱり自分の軸をしっかり持って継続していく。好きで本気でやっていこうと思うと、例えばブログで書き方を工夫したりという改善のエネルギーが働くんですね。
そこがうまくいくと、必然的にビジネスが回っていきます。
森川:先ほどの坂本先生の例とは、真逆で対照的ですね。
坂本:そうですね、真逆です。僕は英語には情熱なんて一切なかったですから。お金を儲けたいというだけで、収益を上げるというのが目的でしたから。
逆に三木さんは、収益よりも自分はカウンセラーとしてやりたいというのが先なので、最初は収益上がらなくても、1年、2年と継続していくことで、徐々にお客さんが増えてきて、信頼が上がってきて、ブログもそれだけ書いていると価値も上がってきて、集客につながるということですね。
森川:今回は先生の著書の第1章から、6つの不安の中の1つ「アイディアはないけど起業したい」という不安を持っている方に、市場軸と自分軸というアイディアの考え方としての具体例をお話しいただきました。
この本を手に取られた方が、坂本先生の指導の下、ご自分の夢である起業を叶えていただきたいと思いました。
自分軸を大切にしてビジネスを考えて欲しい
坂本:やっぱり自分軸というのを大切にして欲しいなと思います。そこからビジネスを考える方が、遠回りなようで実は近道です。
みんなすぐに儲かりそうなところから発想しがちなんですけれど、すぐに儲かるもので儲かる人ってごく稀です。ですから、自分軸から考えていただきたいなと思いますね。
森川:坂本先生、今回もありがとうございました。
坂本:はい、ありがとうございました。
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