売れる営業マンが実践している4つのポイント
多くの営業マンや経営者にとって、毎月のノルマ達成や売上アップは頭を悩ませている大きな課題だと思います。
今回は立志財団理事長、坂本憲彦先生に「売れる営業マンになるために必要な4つのポイント」と題してインタビューを行い、その内容をわかりやすく解説していきます。
今後の営業力向上、売上アップのヒントにしていただければ幸いです。
お客様に関心を持ち本音を聞く
まず一つ目のポイントは「お客様の本音を聞く」ことです。営業と言うと上手な営業トークばかり考えがちですが、営業マンにとってまず大切なのは「話す力」よりも「聞く力」です。
お客様がどんな悩みを持っているのか、どんな生活を送っているのか、どんな価値観で仕事をしているのか。
その本音の部分を引き出せるかが最も大切です。
本音を引き出すことで、営業マンがすべき提案の仕方や幅も変わってくるはずです。「聞く」ことをせずしてお客様に響く営業はできません。
では、お客様の本音を引き出すためにはどうすれば良いのでしょうか。大切なのは「お客様に関心を持つ」ことです。
例えば、好きな異性の話には関心を持って耳を傾けますが、そうでなければあまり関心を持ちませんよね。
果たして、関心を持たれていない相手は心を開いて自分の話をしてくれるでしょうか。当然、答えはNOです。
お客様に関心を持つとは、お客様を好きになることです。極端に言えば「営業=愛』なのです。
もう少し具体的な話にして、営業トークの順序を考えてみましょう。
売れない営業マンはとにかく「商品説明」をしたがります。
お客様の悩みがはっきりしていない状態で、どれだけ流暢に商品説明をしたところで、「目の前にいるそのお客様」の悩みを解決できる提案をできるはずがありません。
すべき順番としては、
①悩みや困りごとがないか(課題)
②本当はどうなりたいのか(理想)
③なぜそうなりたいのか(理由)
④提案
です。商品説明するのは4番目で良いのです。
まずはお客様の今の悩みを聞くことに徹し、本当はどうなりたいのか、なぜそうなりたいのかを聞いていきます。
理想の姿とその理由まで話してくれれば、お客様が本音を語ってくれたと言っていいでしょう。
本音を聞くことで、「目の前にいるそのお客様」に合った提案が可能になるのです。
商品を「話す」ことの前に、まずはお客様の本音を引き出すために「聞く」ことを実践しましょう。そのためにはお客様に関心を持って好きになることが大切です。
集客段階を意識して断ってもらう
営業マンは実際にお客様とお話をして契約をいただくのが仕事、と言うのは間違っていないのですが、効率よくコンスタントに数字を上げていくためには「集客段階」を意識することが必要です。
集客段階とは、見込み客かそうでないかをふるい分けていくことです。
例えば100件お客様と商談をしても、100件とも契約がいただけるわけではないのは誰もがわかっていますよね。
明らかに自社の商品で悩みを解決できないお客様にいくら商談を続けても、時間の浪費になってしまいます。
数字を追う時間は有限ですから、売れる営業マンは何より見込み客でない人へ時間を割くことを嫌います。
集客段階を意識せずにいつまでも時間を割いていると、営業できる限られた時間も減っていきますし、何より断られることに恐怖心を抱いてメンタルが落ち込んでしまいます。
気持ちのあり方としては「合わないお客様に断ってもらう」くらいがちょうど良いのです。
先程の「お客様の本音を聞く」でもお話した通り、お客様の悩みや理想を聞くことができれば、見込み客かそうでないかを判断できます。
しかし、それをせず闇雲に商談を続けてしまうと、お客様も営業マン自身も疲弊してしまいます。
時間を効率的に使い営業活動をしていくためにも、やはり序盤のトークを磨いてお客様の本音を引き出しつつ、見込み客かそうでないかをふるい分けていきましょう。
情報を与え続け信頼を得る
三つ目に大切なポイントは、とにかくお客様に自分が「与える」姿勢でい続けることです。
何気なく「契約をいただく」と言う表現を使っていますが、実際の営業マンの仕事はお客様に商品を通した価値を与えることに他なりません。
お客様が欲しているのは、自社の商品を購入することで手に入れられる「その先の生活」や「目に見えない価値」です。
商品そのものが欲しいわけでもなければ、ましてや営業マンが数字を達成できるかどうかはお客様にとってどうでもいいのです。
「契約を下さい」と言う姿勢で商談に臨んでいれば、その心理は自然とお客様にも伝わり、引き出せる本音も引き出せなくなってしまいます。
何より、「下さい」と思ってばかりではお客様に関心を持てませんよね。
「自分から与える姿勢」が大切な理由は他にもあります。それは信用を得るということです。
先程、序盤のトークで見込み客かそうでないかを判断するとお話しましたが、現在は自社の商品にニーズがないとしても何か与えられるものはないかを考えてみましょう。
一番簡単でわかりやすいものが「情報」です。
自社ではお客様の悩みを解決することはできないけれど、自分の知っている誰かであれば解決できるのならば、それを進んで紹介してあげるべきです。
人間には「返報性の法則」と言う心理があります。与えてくれた人には自分も何かお返しをしなくてはと思う心理のことです。
例え数字にならなくても、自分にとって有益な情報を与えてくれた人のことをお客様は信頼し、感謝するでしょう。
すると、その営業マンの名前を覚えてくれるきっかけになり信用につながるのです。
営業は信頼が第一、ということをよく聞くように、信用できない相手から商品を買ったり話を信じたりはしませんよね。
率先して自分から与えられるものは何かを考え、提供することが信用を積み重ねていくのです。
正直、数字は出せない時は出せないものです。
長期的な面で結果を出すためには、お客様の新たな課題が生まれた時やお客様の知り合いが困っている時に、自分の名前が出てくるかが非常に大切です。
見込み客かどうかを判断する中でも、自分に提供できる情報はないかを考えてお客様に与え続けていきましょう。
そういった信用の積み重ねが、巡り巡って良い商談を引き寄せてくれます。
上司を上手く使い味方にする
最後にお話しするポイントは上司との付き合い方です。
多くの方が、お客様に対する営業とは別に社内営業にも悩んでいることと思います。
上司と上手く付き合いながら数字を上げていくためには、素直に相談にいくことが大切です。
売れる営業マンは上司も上手く使うものです。困った時、正直に助けを求めてコミュニケーションをとる回数を増やせば関係性も良くなっていきます。
ポイントは単に助けを求めるのではなく、「私はこう考えていますが、どう思いますか?」と自分の意見を先に伝えた上でアドバイスをもらうことです。
その方が、自分でも考えているやる気が伝わりますよね。
可能であれば同行をお願いするのも良いです。上司も、かつて自分が売ってきたやり方があります。
しかし、営業のやり方は言葉で伝えるのが難しい部分もあるので、実際に見て盗んだり、自分の営業を見てもらいフィードバックをもらったりしましょう。
もし、上司が面倒臭そうにしているのなら「数字を出したいので!」と、こちらのやる気をもっとアピールして相談しましょう。
ためらう気持ちもあると思いますが、気にする必要はありません。
上司の仕事はチームとして結果を出すこと、つまり、部下に数字を上げさせることです。本来、上司は使われる存在なのです。
それでも忙しくて相手をしてくれないのなら、極端な話、「数字を上げなくても良いのですね?」ということになります。
その人は、上司の役割を放棄しているといっても過言ではないと思います。さらに上の管理職に相談しても良いかもしれません。
上司との人間関係は大きな悩みの一つだと思いますが、目指すべき結果は同じはずです。
上司もお客様の一人だと思って味方につけられるかが社内営業の大切なポイントです。
経営者や管理職の方は、逆の立場になって部下の成績アップに目を向けていくきっかけにしていただければと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。売れる営業マンになるために必要なポイントを4つに分けて説明してきました。
共通しているのは、「自分から与えていく」ことです。
・お客様に価値を与えるために本音を聞いていくこと
・信頼を得るために情報を与えていくこと
・上司を味方につけるためにコミュニケーションを与えていくこと
数字を追っていくと、どうしても結果を求めることに頭がいっぱいになってしまいますが、「自分から与えていく」ことを念頭に営業活動を実践してみましょう。