母が青竹を握り割るほどの痛みと引き換えにくれたもの

立志財団の森川です。
内地よりも一足先に桜祭りが行われている沖縄県から、お届けしています。

 

唐突ですが、出産の痛みを「陣痛」と表現されます。
あなたのみならず、全人類漏れなく、母が「陣痛」と戦い生まれてきました。
ところで、あなたはなぜ、出産の痛みを「陣痛」と表現されるか、ご存知ですか?

 

「映画」というと、今では、「ボヘミアン・ラプソディ」「七つの会議」「マスカレード・ホテル」など、人気の映画が、ランキング上位を占めております。

ですが、ここ沖縄では・・・・・「洗骨」というタイトルの映画が人気です。
http://mail.omc9.com/l/02fNQH/ZjmHSTbz/

 

沖縄の離島の風葬の風習を描いた映画です。
洗骨とは、文字通り骨を洗う風習ですが、風葬してから4年後に骨を洗うために親族が集まります。
映画は、洗骨のために風葬の4年後に集まったある家族のお話です。

そして、ここからは、少しだけネタバレの話になりますので、ご了承ください。

亡くなった母親の洗骨に集まる親族の中に、妊娠中の娘がいます。
その娘の出産シーンが映画の中で描かれています。

そのシーンがあまりにも壮絶で、私は不覚にも、スクリーンを見続けることができなくなってしまい、上映中にそのシーンだけ目を背けてしまいました。

 

私は、出産に立ち会った経験がありません。
ですから、出産の大変さを知らず、この映画のシーンではじめて知りました。

出産の痛みを「陣痛」と表現されますが、「陣」とは戦の用語です。
産婦が命のやり取りするほどの痛みと戦うことが、語源だそうです。
事実、その痛みは、産婦の手に青竹を握らせていたら、それを握り割るほどと言われます。

 

私たちは、先祖の母たちの陣痛の経験を通して、生を受けました。
自身の命の危険を冒してまで、歴代の母たちがつないでくれた生です。
そして、それを守るために、歴代の父たちが家族を守ってくれてきました。

その歴代ご先祖たちの命と引き換えにした恩恵があって、生きています。
日ごろ、忘れているそんな大事なことを、改めて感じると、無駄遣いをする時間は、一秒たりともありません。

 

一日のうちに、一番多くの時間を使うのは、仕事です。
その仕事も、あなたは、今、心の底から、「やりたい」「充実している」と思えるものでしょうか?
命がけで命のバトンをつないでくれたご先祖の御恩にお応えできるような毎日でしょうか?

 

あなたが、仕事やそれ以外に使う時間の一秒一秒が、つながれた命の価値に見合うような毎日にされていることを立志財団では祈念をしております。

最初のコメントをしよう

必須