創業融資の審査期間の長さと遅延の原因になりかねないポイント
本記事では、元銀行員として融資に関わってきた立志財団代表の坂本憲彦による監修を受けた解説記事であり、
- 創業融資の審査期間の目安と着金までの期間
- 審査をスムーズに進めるためのコツ
- 審査が遅れる原因となりやすいポイント
といった内容をお伝えします。
また、個人経営の店舗や事務所などを始めたいといった1人〜数人で開業できる規模感を想定した内容です。
重要な結論から先にお伝えすると、審査は2週間ほどかかり、申し込みから審査が通って、銀行口座に着金するまでは1か月と考えておくといいと思います。
以下、深掘りしていきます。
創業融資の審査期間の平均は2週間だが、着金までは1ヶ月を見る
初めての創業融資の場合、審査期間は通常2週間から1ヶ月程度かかります。
公庫(日本政策金融公庫)の場合、平均で2週間と書かれていますが、初めての融資とは書かれていないことに注意です。
Q4 借入申込をしてから、融資が決まるまでにどれくらいの日数がかかるのでしょうか。
A4
お申込みいただいた後は、迅速に対応させていただきます。ご融資が決まるまでの平均所要日数は2週間程度(土日、祝日を含む。)です。ただし、ご融資の条件などによっては、多少日数を要する場合もあります。お急ぎの場合などくわしくは、最寄りの支店窓口にお気軽にご相談ください。
日本政策金融公庫のQ&Aより(https://www.jfc.go.jp/n/faq/jigyoqj_m.html)
追加融資の場合も含む数字と考えるべきでしょう。
返済実績のあ経営者が追加融資を申し込む場合は、審査期間は短くなりますから、それも含めれば審査期間の平均は短くなります。
また、注意したいのは、審査が通ったら即日入金されるわけではなく、数日たってから振り込まれる点です。なので、申し込んでから審査が通って手元に入金されるまで1か月は見ておくのが無難です。
また、申請書類に不備がある場合や追加資料の提出を求められると、さらに時間がかかることもあります。
詳しくは次のセクションで見ていきます。
審査が長引くケースとその理由
審査に時間がかかる原因は主に次の理由があります。
- 書類の不備、追加書類が必要
- 創業計画書の内容が不十分
- ビジネスモデルが複雑、新しい場合
- 担保や保証人を用意する場合
- 融資金額が大きい
- 繁忙期(12月、3月)や連休を挟む場合
- 事業を開始後の創業融資申込なら、業績低迷の場合
以下、もう少し詳しく見ていきます。
※この記事では新規開業の方を対象した内容にしていますので、7つ目は深掘りしません。
書類の不備や追加情報を求められる場合
書類の不備がないように事前にチェックリストを作るなどして対策しておきましょう。
提出書類の把握はもちろん、内容にも不備がないようにします。
提出書類に関しては、公庫でこちらにチェックリストのようなものを用意してくれています。
創業融資を受けるにあたっては、まずは公庫に連絡を取って担当者に相談するのが普通です。
担当者とやりとりしていくことで、必要な書類は教えてもらえますので、そこでしっかりと把握しておきましょう。
また、早めの提出を心がけるようにします。提出期限ギリギリではなく、余裕をもって書類を提出することで、万が一の不備があった場合に修正が可能です。
審査担当者からのフィードバックにも迅速に対応し、必要な修正を行うことで、審査期間中の不確実性を最小限に抑えることができます。
創業計画書の内容が不十分
創業計画書が分かりにくかったり、情報が不足しているなどするとそれだけ審査に時間がかかります。それどころか、審査が通らないことも考えられます。
創業融資時には創業計画書が重要な役割を果たしますから、公庫が用意している各種書式で必要なのものを用意するのは当然で、プラスαで資料を用意することも検討しましょう。
ただ、資料が多すぎて複雑になってしまうのは問題ですし、なんでもかんでも用意すればいいわけではないので、審査する側の立場に立って必要な書類は役立ちそうな資料を用意するのがベターです。
このあたりは、銀行員として実際に融資を担当していた立志財団の坂本の無料相談やセミナーなどを活用してみてください。
資金調達のキホンセミナーや事業計画の作り方を学ぶ「坂本立志塾1日集中セミナー」、立志融資サポート無料相談などがあります。
ビジネスモデルが複雑、一般的ではない、新しい場合
創業融資の審査期間は、ビジネスモデルの複雑さや新規性によって大きく影響を受けることがあります。
よくある典型的なパターンであれば、これまでの融資実績から業績の予想がしやすいですが、そうではない場合には、どうしても審査に時間がかかってしまいます。
銀行などの民間企業ははもちろん、公庫であっても融資した金額を回収することが最重要事項です。
なので、審査する側もリスク評価が難しく慎重になりますから時間もかかるというわけです。
担保や保証人を用意する場合
公庫の場合、担保がなくても創業融資は可能ですが、担保を提供することで金利が有利になります。
公庫であれば、担保として用意できるものは不動産に限られます。
不動産の評価には時間がかかる傾向があるため、その分、審査期間も長くなりやすいです。
融資金額が大きい
2024年4月から公庫の創業融資として利用できる「新規開業資金」は最大でで7200万円までの融資となっていますが、支店決済は1000万円です。
なので、1000万円を超える金額たと支店だけでは決められないこともあってそれだけ時間がかかります。
繁忙期(12月、3月)や連休を挟む場合
繁忙期(12月や3月)だったり、連休だったりすると、その分、審査は長引きます。
融資の計画をする際には注意しておきましょう。
まとめ
以上、創業融資の審査期間についてでした。まとめると以下のようになります。
- 審査期間は2週間程度、申し込みから入金までは1か月を見ておく
- 審査をスムーズに進めるためにも書類不備に気をつける
- 担保や保証人を用意する場合も審査期間が長引くことがある
- 融資金額が大きい、繁忙期に申し込むと審査期間は長くなる傾向にある
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