第6回 ビジネスを失敗させない「価値提供」の考え方

いつか起業を考えているけど、何から始めていいか分からない・・・
そう悩んでいる方へ。

起業家教育の専門家である坂本憲彦が、はじめての起業で成功するポイントを解説します。

今回は、「ビジネスを失敗させない「価値提供」の考え方」について、お届けしていきます。

参考図書:6つの不安がなくなれば あなたの起業は絶対成功する
https://www.amazon.co.jp/dp/4788914565

「第6回 ビジネスを失敗させない「価値提供」の考え方」
Podcastの音声はこちらよりご視聴ください

PodcastをiPhoneやアンドロイドから視聴する方法は、
こちらをご覧ください。


森川:今回も坂本先生の著書の内容から聞かせていただきます。
今回は、コアコンセプトの2つ目の構成要素「何を」について伺います。これは一体どういうものでしょうか。

何を売るのかということは、どんな変化を提供するのかということ

坂本:「何を」というのは、まず「何を売るのか」です。誰に対してどんな価値提供をしていくのかということですね。
商品、サービス、コンテンツなどいろいろなものがありますが、一番大事なのは、どんな変化を提供するのかというところです。
その商品をお客様が手に入れることで、どんな状態からどんなふうに変化するのか、ということですね。
なぜ物を買うかというと、シンプルに言うと変化が欲しいわけです。例えばお腹が空いたという現状に対して、それを満たすためにお金を払うんですね。
どんな価値を提供するのか、これが「何を」です。

森川:価値は人によって違うので、万人受けするものはなかなかないと思いますが、「誰に」に対してぴったり合うものを「何を」に設定するということでしょうか。

ターゲットが何に困っているか、何に悩んでいるかを考える

坂本:そうですね、ターゲットになる人が何に困ってるのかです。
ビジネスには「悩みごとを解決する」と「あったらいいなっていうものを提供する」の2つがありますが、要求として強いのは「今困っていることを解決する」ですので、こちらの方が最初はビジネスになりやすいですね。
ターゲットとなる人が「何に困ってるのか」「何に苦しんでるのか」「何に悩んでるのか」を、どういう形で価値提供をして、どういう変化をもたらし、
どんな手段で提供し、どの価格で提供し、それは払いきりなのか継続課金なのか、というふうに、いろいろな提供の仕方があります。

森川:起業される方が「何を」を考えるときのポイントは何でしょうか。

自分の得意なサービスで感動価値を提供する

坂本:自分が得意なパターンで提供できるものを提供する、自分の強みを生かすといいと思います。
他人をそっくり真似するという方法もありますが、はやり自分なりにどういう風に価値提供をしていくのかを考えてやっていくといいですね。
また、実質価値ではなく、感動価値を提供することを考えます。
実質価値というのは、ただ物を提供しただけの価値です。感動価値とは、それを買うことでお客様が非常に喜ぶ、感動レベルでお客様が喜ぶというものです。
感動価値を提供できるものは何かを、ここで追求していくと非常にいいでしょう。

森川:うまくいってる人とそうではない人で、考え方の違いはありますか。

どんな変化を得られるかをシンプルに伝える

坂本:やはり「何を」があいまいな人は、どんな変化を提供するかをシンプルに伝えきれませんね。

森川:シンプルに伝えきれない?

坂本:コアコンセプトを突き詰めていくと、すごくシンプルになっていきます。
例えば、私の受講生に結婚指輪を売っている人がいます。その結婚指輪は、金属アレルギーの対策の指輪なんです。
実は、以前はレアメタルで作る指輪として売っていましたが、あまり売れませんでした。そこで、「何を」を金属アレルギーの指輪にしたところ、売上が10倍になったという実績があります。
何をどういう価値を提供するのかというのは非常に大事で、このように見せ方を変えるだけでも全然変わります。

森川:その商品やサービスでどんな変化を得られるのかがシンプルでわかりやすいかどうかで、非常に大きな違いが出るんですね。

坂本:そうですね、やはりどんな変化を与えられるを伝えられるかどうかが、非常に大事です。

自分が生涯をかけてやりたいと思える仕事ならうまくいく

森川:「何を」に悩む起業家が多いと思いますが、どのように考えると答えが見つかりやすいでしょうか。

坂本:自分軸から考える、つまり、自分の生涯の仕事になるものかどうかを考えることは、すごく大事だと思います。
自分がその商品を一生かけて売ってもいいと思えるかどうかです。一度その視点で考えてみるといいと思います。
起業をすると自由になります。あまり興味がないものをやるのも自由だし、めちゃくちゃ興味あるものをやるのも自由です。
どっちがうまく行ってるかどうかというと、やはりその商品にめちゃくちゃ興味ある人っていうのはうまくいっていますね。

儲かるビジネスでも興味がないと続かない

坂本:転売のビジネスやってる方の話です。その方に転売ビジネスを教えてくれた先生は、秋葉原で売っているようなフィギュアを専門にしていました。それを見て、フィギュアの転売が儲かりそうだと思ってビジネスを始めたのです。
最初はそこそこ儲かっていましたが、自分はそんなにフィギュアが好きじゃないと、ある時気づいたんです。
その先生は、すごいディープな世界でフィギュアがめちゃくちゃ好きなんです。だからその価格にも詳しいし、こういうものはいい値段が付くとか、これはもうちょっと安くなるとか、もう感覚でわかっちゃうんです。
単に儲かるからだけではなかなか続きませんね。本当に心底好きで、ずっとやっていても全然飽きないというものをビジネスにするのが大事だと思います。

森川:そうですね。きっかけでビジネスをされてる方と、本気で打ち込んでてなおかつそれが苦じゃないっていう方と、同じ商品を扱っていても雲泥の差を感じますね。突き詰めると儲かりそうという市場軸だけではなく、自分軸も大事で、その2つがないと本当にいいものを提供できないですね。

坂本:その両輪がとても大事ですね。市場軸と自分軸がちゃんとマッチするところが、一番良い「何を売るのか」という部分になります。

森川:今回もありがとうございました。

坂本:はい、ありがとうございました。

最初のコメントをしよう

必須