コロナ時代の採用のポイントは「想いの共感性」
毎週日曜朝9時半から、FM那覇で放送中の『坂本憲彦のラジオ経営塾』。起業の専門家、坂本憲彦がはじめての起業で成功するために大切なポイントをお届け。沖縄で起業したい人を応援するラジオ番組です。
今回は、人材採用について坂本憲彦氏に答えていただきます。会社を経営していくうえで人材確保は不可ですが、長く続く会社にするにはどのような基準で人材採用をするのがよいのか、会社と社員の対立を防ぐためにはどうしたらよいのかをお伝えしています。
これからの採用は条件よりも“共感型”
中田: 最近メディアでも取り上げられていますが、採用がオンライン面接になってきて、だいたい半数の企業さんが取り入れているということです。良い人を採用することは企業にとっても力になる部分だと思いますが、坂本先生のご経験を通して、よりよい人材を採用するために大切なことを教えていただきたいと思います。
坂本:今までは人材確保ができない状況でしたが、このコロナで企業側から見ると人を選べる可能性が出てきました。就職する人にとっては大変な状況であると思います。
ただ、全体を通して少子化の流れは変わらないでしょうし、企業としては人を採用していかないと縮小してしまうので、採用は非常に大切だと思います。
採用で大事になるのは、単純に条件がいい、給料がいい、福利厚生がいいということよりもその会社に共感できるかだと思います。社会性、公共性、世の中のため、人のためになる会社なのかというところです。
それを経営者自身が自分で語れるか、商品や会社、経営者自身のストーリーを語っていけるかは大事なところです。単純に収益を上げるために作った商品・サービスではなく、こういった問題を解決していく商品・サービスなんだということを経営者の口で語って、そこに共感した人が採用に至ると思います。共感型の採用が大きなポイントです。
中田:共感型の採用。今キーワードが出ましたね。条件ではなく、採用される側としては会社の想いやストーリーに共感をしてそこで仕事をするということですよね。
坂本:もちろん条件も大事だと思いますが、今回のコロナでみなさんの働き方の価値観が変わってきています。
今の大学生は人と会わないことが普通になっています。こうやってオンラインでつながりやすいメリットもありますが、だからこそ気持ちが繋がっているかは大事なところになりますよね。
中田:この前、新卒採用をコーディネートする会社の社長の話をお聞きしましたが、リアルではなくてオンラインでいい人材が採用できているということが意外でした。
大切なのは想いと数字で語ること
中田:共感してもらうストーリーを話すことは、社長さんや経営陣のひとつの大きなテーマだと思います。ですが、敷居が高くてできないとか、ストーリーを語るのは大変という方もいらっしゃると思います。そのへんのポイントやコツはありますか。
坂本:大事なことはビジョンを語ることだと思います。こういう状況ですけれど自社が5年後、10年後、どのように企業としてやっていこうとしているのかと、それを数字でも語っていくことです。
あとはその企業の歴史の部分ですね。なぜそれをやってきたのかです。
過去、現在、未来を想いと数字の両方で語ることが大事だと思います。
中田:私は新卒採用の時期からだいぶ経ちますが、禰覇さんは最初就職するときにどうでしたか。何を決め手にしましたか。
禰覇:面接は自分が見られる立場ですが、自分も会社を見に行くんだよと聞いたことがあって、私も会社のことを知りたいと思いました。
あとは人柄でしたね。その時の話し方の印象やどういう言い回しでお話をしてくれるんだろうとか、そのちょっとしたところが好きだなと思えるか。そういう会社で働きたいと思いました。
坂本:採用するときに能力も最低限は必要だと思いますが、能力以上にその方のやりたいところと会社のやりたいところの想いが一致しているかどうかが大事だと思います。能力重視で雇って想いに共感していないと、会社との不一致が起こりやすいです。これは新卒でも中途でも同じです。まずは会社が方向性をちゃんと伝えて、共感してくれる人を集めていくというかたちですね。
能力重視の採用は会社が崩れる
中田:坂本先生が運営されている立志財団でいいなと思うところが、同じ志のもとで素晴らしいスタッフさんが集められていて組織化されているところです。どうやって素敵な人たちが集まってきたのかぜひ教えていただきたいと思います。
坂本:僕が前にやっていた会社は、能力重視で採用をしていました。元外資系コンサル会社出身の方は能力はすごく高くてバリバリ仕事ができましたが、結局根底の想いの部分で折り合いがつかなくて別れてしまいました。
能力だけ重視していると、やりたいことや、目指す方向性、世界観が違ってそこで対立になる。条件面もそうですし、会社の方針としても対立がおこります。能力だけだと会社は崩れます。
中田:実体験のお話はしみますね。理念が共通していることと、共感があってこそ協力をしながら一緒に経営をやっていけるというところですね。
坂本:人に仕事を合わせていくことも大事かなと思います。その人によって得手不得手があるので、無理に苦手なところをずっとさせていても上手くいきません。得意なところを伸ばしてあげるという指導ですかね。
中田:採用する側としては、条件ではなく、能力だけでもなく、想いに共感している人材か。
禰覇さんからもお話がありましたけれど社長の言葉や人柄に感銘を受けてその仕事で頑張ろうと入ってくるんだよというところですね。
採用で気になっている社長さんの参考になれればいいなと思います。ありがとうございます。
Podcast: Play in new window | Download