起業するのに資格が必要ない理由とは⁉

毎週日曜朝9時半から、FM那覇で放送中の『坂本憲彦のラジオ経営塾』。起業の専門家、坂本憲彦がはじめての起業で成功するために大切なポイントをお届け。沖縄で起業したい人を応援するラジオ番組です。

今回は、起業と資格の関係について坂本憲彦氏に答えていただきます。資格は取ることがゴールではありません。起業をするうえで資格は必要なのか、また資格をどう活かしていくのが良いかについて解説しています。

 

資格よりも大切なのは経験

禰覇:資格=起業と考えている人も多いように感じられますが、実際起業をするのに資格は必要でしょうか。

私の周りでも同じように、好きなことよりもまず、何もできることがないと困っている人がいるのでそのあたりをお願いします。

 

坂本:起業するにあたって資格の勉強をする方は多いと思います。もちろん持っていてだめということではありませんが、僕は必ずしも資格は必要ないと思っています。

起業という意味では資格を取ることよりもまず経験を積むことが大事だと思います。

最初は小さいことでいいんです。例えば商売の原点で言えばメルカリやヤフオクで家にある不用品を売るところからのスタートでもいいと思います。イベントを開催して500円とか1000円もらうのでもいいんです。

僕が最初にやったのはキャッシュフローゲームというボードゲーム会です。友達を集めて1000円でやっていましたが、1000円をもらうのに最初は足が震えました。銀行で仕事をやっている時は普通に何百万、何千万、何億という金額を動かしていましたが、いざ人様から1000円をもらうことは怖かったんです。そういう経験を積まれると、より資格も活きてくると思います。

 

資格を取った先のビジネスを考える

禰覇:資格から入ると、そもそも資格を取るのにお金も時間もかかるし、取って結局これなんだったんだとなってしまうのが一番もったいないと思います。

 

坂本:僕も昔、サラリーマンの時に中小企業診断士という資格を勉強しました。一次は受かりましたが二次で落ちて、その後もう一回受けることはしませんでした。資格の勉強を何となくやっていて、途中でこれをやって何になるんだろうという疑問が起こって勉強に身が入らなくなったからです。

資格を取って活かしたい仕事があるのであればいいと思います。

起業前の方は、自分の自信のなさが資格を取ったらうまくいくんじゃないかという錯覚に陥ることがありますが、難しい現実があります。

たとえば行政書士の資格がありますが、独占業務がないんですよね。僕の知り合いにも何人かいらっしゃいますが、行政書士の中でも建築業務の許可申請に特化しているとか、外国人に特化しているとか、資格を取ってどう活かすかは人によって違うんですよね。

今は士業資格を取ってもその資格だけで食べていくのは難しい部分もあるので、資格を取ったら安泰ということは基本的にありません。その先のビジネス展開を考えながら資格を勉強されるとよりよいのかなと思います。

 

禰覇:資格にとらわれると、資格を取っただけでやったつもりになっちゃうというか、危険な気がします。

 

坂本:本当にそうだと思います。その先のビジネスを考えないとせっかく資格を取っても結局何もできない。

ファイナンシャルプランナーという資格は人気で、金融機関の方は結構取っています。僕も金融機関で働いていたので持っていますけど、取っただけでは基本的に仕事はなくて、それをどう活かすかというところです。

 

中田:ある体験談なんですけれど、よくインターネットで“起業に活かせる”というふれこみがあると思います。その資格を取ったら起業ができると思ったらしく、会社を辞めちゃったんですよ。それで事務所を借りてパソコンを買って、そこに座るところから始めたらしいんですけれど、やっぱりなかなかうまくいかなくて。資格がある=お客様が来てくださるというイメージがあって、大失敗したということがあります。

これは笑い話じゃなくて、身近にある話じゃないかと思うんですよね。

 

坂本:営業力がある方は資格を活かしやすいんですよね。どうお客様を獲得するかが分かっている人は資格も活きますが、営業が嫌だとか苦手というと実際厳しい部分がありますね。

 

中田:資格を取った先を考えるということですね。

 

自分で資格を取るだけが活用方法ではない

坂本:資格がないとできないと思っていると、いろんな資格を取りたくなっちゃうんですよね。複数の資格を取ることがダメではないですが、資格や知識がないと業務ができない、不安があると言っているといつまで経っても起業できない。

資格がないけどその仕事をしている人もいますからね。

 

中田:意外と多いですよね

 

坂本:大手の美容室チェーンはオーナーが資格をもっていないパターンがあります。自分が資格を持ってなくても、その資格を持っている人をマネジメントする方法もあるんです。

自分が資格を取らないといけないというのはビジネスマンの発想としては違う部分があると思います。資格を持っている人をどう使うかを考えると、新しいビジネス展開があると思います。

 

禰覇:自分の身近にも思い当たる人がいるし、経験値で採用されている人もたくさんいることを思い出しました。自分で何かを経験する方が早いという実感があったので、私自身は資格にはあまりとらわれてはいません。“資格を取ってその先”というキーワードもあったんですけど経験から学ぶところから入るのが近道なのかなと感じました。

 

坂本:小さく商売を始めて、経験値がだんだん大きくなって売れると分かったら、そこを拡大していくためにどうするかを考えていけると思います。

 

中田:資格を取ることももちろん大事、でもその先の活かし方、スモールステップで実績を作って実現していくというところですね

禰覇さん今日のもやもやは解決できましたか

 

禰覇:もやもやしていたことがキーワードとして言葉で入ってきたのですっきりしました。

 

中田:坂本先生、禰覇さんありがとうございました。

 

坂本禰覇:ありがとうございました。