「パートナーから120パーセントの力で応援してもらう方法」 坂本裕子
起業家や経営者にとって、パートナーからの
サポートは絶対に不可欠です。
ただ、実際には、夫婦関係が完全に冷え切っていたり、
まったく自分の仕事を応援してくれていない、という人も多いようです。
坂本裕子氏は、起業家の妻として、8年以上にわたって、
近くから旦那さんをサポートしてきたそうです。
ただ、最初から関係が上手くいっていた訳ではありません。
どのようなことがきっかけ旦那さんを、
心から応援できるようになったのか?
妻の立場から経営者の力を最大限に発揮させるサポートをする、坂本裕子氏に、
「パートナーから120%の力で応援してもらう方法」ということで
その秘訣をお話していただきます。
皆さん、こんにちは。坂本裕子と申します。
よろしくお願いいたします。今日は
「パートナーから120パーセントの力で応援してもらう方法」
ということでお話をさせていただきます。
起業家をサポートする立場からパートナーがいる方に向けて、お話をさせていただきたいと思います。パートナーがいらっしゃらない方は、将来のパートナーの方のためにということで、お聞きいただければと思います。
もっとパートナーから自分のことを応援してもらいたい男性
まず、男性の方へ質問があります。
もっとパートナーから自分のことを応援してもらいたい、と思ってらっしゃる方、いらっしゃいますか?いらっしゃいますね、ありがとうございます。
もっとパートナーから自分のことを理解してもらいたい女性
次に女性の方。もっとパートナーから自分のことを理解してもらいたい、もっと自分のことを愛してほしい、と思ってらっしゃる方はいらっしゃいませんか?はい、挙がりました。ありがとうございます。
そもそも、そんなことも忘れてしまったという方もいらっしゃるかもしれません。夫婦ってそういうところもありますよね。すでにパートナーに何も期待していないという方も、もしかしたらいらっしゃるかもしれません。
私も実は、パートナーのことがあまりよくわかっていませんでした。しかし今ではいろいろ変わりまして、毎日楽しい、心からだんなさんを応援するということにコミットしています。今日は「パートナーから120パーセントの力で応援してもらう方法」ということでお話をさせていただきます。
公私共に忙しい夫
私のだんなさんは、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんけど、10年ぐらい前から起業家としてずっと走り続けている人です。
3、4年前のことです。彼はその頃、とても大変な時期でした。何が大変だったかというと、会社の社長ということで業績を上げなければいけない、成果を出さないといけない、あとはビジネスパートナーとの人間関係、意見の相違があったり、さらには彼のお父さんが深刻な病気にかかっており、実家の和歌山を行き来することが多く、公私ともに忙しい大変な時期でした。私はだんなさんが頑張っているのを見てはいましたが、私自身も仕事が忙しくて、毎日帰りが遅く、土曜日も出勤して仕事をするというような、お互い忙しい大変な時期でした。
何のために仕事をしているの?
当時私は営業職の仕事をしていました。
営業成績が上がらない、毎日辛い、苦しい。仕事にやり甲斐はありますが、営業の仕事というのは、頑張ったら頑張っただけ営業の成績が上がるというものではないので、なかなか大変な辛い毎日でした。
そんなとき、彼も大変なときでしたが、「大丈夫?」と聞いてくれました。そのとき初めて私は「辛い、苦しい」と打ち明けることができました。そのとき一緒に聞かれたのが、「何のために仕事をしているの?」ということでした。
そもそも私は昔から、ある一つの価値観というものがあり、それを抱えながら生きてきました。そのある一つの価値観というのが、私自身が「価値ある人間でいないといけない」、というものです。
「価値ある人間でいないといけない」という重荷
子どもの頃、私は兄と二人兄弟ですが、兄がやんちゃというか、両親に心配をかける子どもでした。近所のガキ大将で、学校から何度も両親が呼び出されることがありました。そういうのを見ていたので、私はいい子でいなければ、と常に思っていました。母も「お兄ちゃんは大変だけど、あなたはいい子だから助かるわ」といつも言ってましたので、私は「いい子でいないといけない」「いい子でいないと私は価値がない」と感じていたのだと思います。
そして、私はバツイチで再婚です。今のだんなさんは2回目の結婚になります。1回目の結婚というのは、とても空虚な時間でした。愛されていない、大切にされていない、という気持ちをずっと抱えて生活をしていたのを今でも覚えており、今でも思い出します。
私はバツイチで、さらにだんなさんより年上です。そうすると本当に条件の悪い私です。
こんなに条件の悪い私でなくても、彼は初婚だし、かっこいいかはわからないですけど、年下でもっと条件のいい人がいるのではないかと思っていました。彼にとって、私は「価値のある人間でないといけない」と思っていました。
頑張らないと愛されない
仕事で結果を出していないと愛されないと思っていました。なぜかというと、彼は付き合った当初から、「頑張る人が好き」とずっと言っていたので、私は頑張っている、頑張って結果を出す、というふうにしていないと愛されないのではないかと思っていました。
だんなさんに褒められたいから
その彼に「何のために仕事をしているの?」と聞かれました。
最初は、お客さんのため、自分のため、とパッと出た答えを言いました。これが実際に話をしたときのメモになります。
なぜ仕事をするのか。何をしたらいいのか。どのようにしたらいいのか。ということを書いてあります。営業成績を上げないといけない、なども書いてあります。そのまま二人で深くその話を掘り下げていきました。
そうすると、意外なことがわかりました。
「だんなさんに褒められたいから。」結局そこでした。だんなさんは、「頑張っている人が好き」というようなところがありましたが、それで私が頑張って契約をとってくると「すごいね、よくやったね、頑張ったね」というようにいつも褒めてくれました。結局私は褒めてもらいたくて、仕事をしていたのだということがわかりました。
会社だけでなく、家でも成果主義をしていたのか
それがわかったとき、衝撃的なことが起こりました。だんなさんが泣き出しました。号泣に近いくらいの泣き方でした。なぜ泣いたかというと、「会社だけでなく、家でも成果主義をしていたのか。ごめんね」という感じでした。
彼は会社の社長という立場でしたので、業績を上げるということにフォーカスしていたのだと思います。
それを家でもやっていた、ということで「ごめんね」と謝ってくれました。
何も生み出さなくても君のことをずっと大切にする
「もう今後一生、何も生み出さなくても君のことをずっと大切にする」、ということも言ってくれました。私はとても嬉しかったです。
「仕事もやめていいよ。自由に好きなことをしていいよ」ということも言ってくれました。あんなに子どもの頃から、価値ある人間でないといけないと思っていた私ですが、そのとき価値ある人間でいなくてもよくなりました。
それから私は会社をやめました。
そして、だんなさんの会社を手伝うことにしました。無条件で受け入れてくれた彼の会社ですので、逆に頑張れる自分がいました。
そして気づくと、以前よりずっと価値を生み出している自分がいました。
以前よりずっと価値を生み出している自分
どういうことかと言いますと、「顧客サポートなら、裕子さんに任せておけば安心」というふうに会社のみんなから言ってもらえるような仕事ぶりになっていました。
例えばですが、うちの会社ではいろんな事業をやっていますが、その一つにオンラインスクールがあります。そちらのお客様が「もうやめたい」とお電話をしてこられたときに、きちんをお話を伺ってサポートをさせていただき、そうしましたらお客様が私のサポートを気に入ってくださり、「やっぱりやめるのはやめた。年間会員になって続ける」と言ってくださったこともありました。とても嬉しかったです。
今では、私は自分らしく、心がとても自由で毎日楽しい、そんな状態になっています。
「やらなければならない」ではなく、「やりたい」でいると自然と動けるようになりました。
私はもう大丈夫です。
パートナーを無条件で受け入れてあげて
男性の皆さんにお伝えしたいのは、ぜひパートナーを無条件で受け入れてあげてほしいということです。
一人の人のことを無条件で受け入れるというのは、とても勇気がいりますし、本当に怖いことだと思います。でもぜひ、そういうふうにしてあげてほしいと思います。
そして、女性の皆さんにお伝えしたいのは、女性の方、結構プライドが高い方が多いと思います。男性もそうかもしれませんが。女性の方はプライドがあって、だんなさんにいまさら、という方もいらっしゃるかもしれませんが、プライドはちょっと置いておいて、肩の力を抜いて、素直な気持ちでパートナーと向き合ってみてほしいと思います。
「私がこれをやってあげたから、あなたもこれをやって」とか、「これをやってくれないから、私もやらない」というような、ギブアンドテイクがよくあると思いますが、そういうことではなく、無条件で受け入れる、素直に向き合うということをしていただけたらと思います。
そうすることによって、パートナーはあなたを心から応援してくれるようになります。
ただ、いきなり「無条件で」といわれても難しいという方もいらっしゃると思うので、本当に簡単なことですが、簡単なことだからできないのかもしれませんが、まずは「ありがとう」と「ごめんなさい」を適切なときに言ってください。
わかるだろうではなく、「ありがとう」と「ごめんなさい」を言うところから始めていただきたいと思います。
ぜひ小さな一歩から始めてみてください。
幸せな未来をあなたに。
ありがとうございました。