バーのマスターから学ぶ繁盛店作りに必要なもの
こんにちは。
立志財団の森川応樹です。
今日もこの記事を見てくれて
ありがとうございます。
「この内容は、悪用しないでください」
という言葉を、
特に情報商材を販売しているセールスレターや
メルマガで見かけます。
ひょっとしたら、
あなたのセールスレターにも記載があるかもしれませんね。
今日は、それに少し触れる内容です。
お役に立ちましたら、幸いです。
さて、もともと独身で、
知人友人がいない沖縄県に
仕事の都合で独りで来たので、
週に1~2回程度、バーに行きます。
お酒は好きなのですが、
強くはないので、たしなむ程度だったのですが、
最近、1回で飲む量が増えてきました。
それは、ストレスが原因なのでなく・・・・・
バーのマスターが駆使して成功しているクロージング不要のセールストーク。
実例を紹介します。
私が、例えば、ハーブ系のお酒を
飲んでいたとします。
すると・・・
「ハーブ系のリキュールがお好きなんですか?」
とマスターに質問されます。
「はい」
と私は答えます。
「他のリキュールよりもよく飲まれますか?」
とマスターは重ねて質問されます。
「はい」
と私は答えます。
「お酒にお詳しい方なんですね。」
と一言、私を持ち上げてから、
マスターは続けます。
「ハーブ系が好きなのって、
何か理由があるのですか?」
私がそれに答えると・・・・・
「じゃあ、これ、飲まれたことありますか?」
と別の銘柄の瓶を出してきます。
「これ、イタリアのハーブ系で、
お飲みになっているドイツやフランスのものと
ちょっと違うんです」
というトークから、その銘柄のものを説明してくれます。
そして最後、瓶を私の目の前において、
ニッコリしています。
「これ、召し上がりませんか?」
という一言は、添えません。
(たぶん、これが大事なのですが)
ちょうど、そのマスターのお話を聞きながら、
グラスが空になったので、
私は一言、
「じゃあ、これ、下さい」
好きなお酒と言っても、
そんなに強くはないので、
多く飲めば、翌日に多少なりとも
響きます。
毎朝、いつもより熱めのシャワーを浴びながら、
シャンプーで頭を洗っているとき、
「飲みすぎた・・・」
と思うことが、
最近、多くなったように思います。
誤解のないように申しますと、
「やられた」
とか
「だまされた」
というような感情ではなく、
後悔はしていない苦笑いなのです。
この短いやり取りは、
購買心理やマーケティング的な視点から
色々な気づきがあるのですが、
今回は、その一つをご紹介します。
クロージング不要のセールステクニックの正解は、〇〇〇〇〇
このサイトをご覧になっている方の多くは、
起業やマーケティングにご興味をお持ちの方と
拝見しております。
ですから、ここまで読まれて、
「あ、あの手法だな」
とピンときたかた、いらっしゃるのではないでしょうか。
そう、
「ご一緒にポテトはいかがですか?」
のアレです。
このポテト追加の例は、
クロスセルの代表例として
よく説明されます。
私のお酒の例は、厳密には、
アップセルなのか、クルスセルなのかは
わかりませんが、
「コンビニやファミレスのレジ前にガムが置いてある」
「車を買うと、カーナビなども一緒に買ってしまう」
というように、
「買い物をしたときが、一番、追加商品を販売しやすい」
ということを、実行している例と言えるのかもしれません。
(もちろん、あのマスターが、それを意図しているか、
純粋に会話を楽しんでいるのかは、
わからないのですが)
そして、「すごいな」と思うのは、
私の住んでいる近所にバーが割と多くあるのですが、
どこも同じ手法で、2杯目3杯目を
勧めてきます。
「ひょっとしたら、
同業者用のSNSや
メーリングリストがあって、
成功例を情報共有しているのでは?」
と勘ぐってしまうくらい、
手法が同じなのです。
もし仮にそうならば、
「守守守守守守破離」
という言葉がありますが、
そのお手本だなと思うくらい、
金太郎飴がごとく、同じです。
清々しさを感じるくらい
見事なまでに同じように
実践されています。
ただ、街に一店舗というわけではなく、
また、私にも時間が限られているので、
リピートするお店と、
そうでないお店を選ばなければなりません。
気が付くと、
品のいいリピーターや
お酒の楽しみ方を知っているお客が多い繁盛店と、
そうでないお店はやっぱり分かれているようです。
どの店舗も、適切にクロスセルのテクニックを駆使しているのに、繁盛店と、そうでないお店が存在する理由とは?
那覇市のある街の数店舗のバー。
どこも価格帯もお店の作りも内装も
同じです。
クロスセルで、初見のお客様に対して
客単価を上げる方法も共通しています。
ですが、
あるお店は「いいリピーター」で
にぎわっていますが、
あるお店は、そうではありません。
その違いを生み出しているもの、
それは何だかわかりますか?
私なりの答えをご紹介すると、
こうなります。
「テクニックにおぼれていない」
「また行きたいな」
と思うお店は、押しなべて、
そこで過ごす時間が楽しかったり
心地よかったりします。
その一つが、
マスターや店員さんとの会話なのです。
こちらがグラスを傾けている間、
楽しく心地よいひと時になるように
してくれているか、
それとも、
クロスセルのTTPはするけど、
それで仕事をした気になってしまっているか
というのは、
実は、酔った頭でも、けっこう
わかってしまったりします。
テクニックにおぼれていないお店は
「こんなお店を作りたい。
なぜなら・・・」
という理由が明確で、
その想いは、会話の端々に感じられます。
逆に、テクニックにおぼれてしまっているお店は、
「とりあえず、バーを出して、
とりあえず、売れている手法をマネしていますが、
それ以上はありません」
という感じです。
これは、テクニックがいい、悪いではなく、
テクニックが活かされていないのです。
冒頭の
「この内容は悪用しないでください」
という言葉を使うと、
どのお店も、
さすがにクロスセルのテクニックを
「悪用」はしていないと思います。
しかし、「悪用」しないまでも、
テクニックだけにおぼれてしまっていると、
提供できるものも、与える感動も
限られてしまうようです。
主客転倒している証拠なのかもしれません。
そうではなく、
テクニックは手段であって、
それを通じて、成し遂げたことや
提供したいことがあると、
優れたテクニックであればあるほど、
効果が発揮されます。
テクニックというものは
「悪用しなければいい」という
低い次元で語るものではないのは
当然のことです。
だからと言って、
それを使っていればいいというのも、
決して高い次元とは言えないようです。
テクニックとは、本来は、
もっと高い次元で考えるものなのかもしれません。
換言すると、
テクニックを使うにあたり、大切なのは、
何に成すために必要なのか、
という「主客」のようです。
ご参考になれば、幸いです。
今日も、ここまで読んでくれて、ありがとうございました。