夢を叶えるビジネスを作った人々
第4章では「夢をかなえるビジネスを作った人々」に
ついてお話していきたいと思います。
これまで、「夢をかなえるビジネスの作り方」として、
ビジネス成功の5サークルをお話ししてきました。
ミッションを中心にしてビジネスを作るということを
実践されてきた方々はどういった方々がいるのかというのを
紹介していきたいと思います。
松下幸之助さん
1人目は松下幸之助さんです。幸之助さんは、
いわずと知れた昭和の大経営者で、
本当に自分の志をもってビジネスを立ち上げられました。
小学校中退というところからスタートして、
20代前半で起業し、そこから大きな松下電器という会社を立ち上げてきました。
その中でいちばん大事だったのは、理念を持つこと、
理念を作ることが経営の根本になるとお話しされています。
松下電器産業の創立記念日は、
実は会社ができた年ではなく経営理念が定まった年です。
これを創業の年としているぐらい、
理念を作るところがいちばんスタートになると考えていました。
ミッション、志を中心にしてビジネスをすることを、
たぶん日本の経営者の中でも最初に体現されて、
ずっと培ってこられたのが幸之助さんなのではないでしょうか。
幸之助さんの教えは、幸之助さん以降の経営者の方にも
脈々と受け継がれています。
立志、志から立てるところからビジネスを作るという志を
引き継がれているのが孫正義さんです。
孫正義さん
ソフトバンクの経営者でありますが、
孫さんは「情報革命で人々を幸せに」という志を
もとにビジネスを立ち上げました。
孫さんも20代前半で会社を作り、
そこからソフトバンクを創業して、
今では日本を代表する大手の企業になりました。
「情報革命で人々を幸せにする」という志がずっと中心にあり、
それに基づいた経営戦略をとってビジネスを構成してきました。
今泉知久さん
大きな会社の経営者ばかりではなくて、
小さな会社・ビジネスを作っている方でも、
志を中心にビジネスを作っている方は大勢いらっしゃいます。
1人目が今泉さんという方です。
バイクのツーリング会を展開していまして、
全国で3000名ぐらいの会員さんがいらっしゃいます。
バイクを通じてその方の人生を豊かにしていく、
感動を呼ぶ体験を提供していく、
そういった理念で主催しています。
今泉さん自身も、バイクを通じて人生が大きく変わりました。
学生のころから乗っていて、バイクを通じて学んできたこと、
体験したこと、そういったいろいろな感動や体験があります。
それを中心にして、サラリーマンをやめてツーリング会の
ビジネスを立ち上げ、
多くの会員さんに喜ばれるバイクのスクールなどを運営しています。
鬼本昌樹さん
鬼本さんという方がいます。鬼本さんは、
理念・思いを伝えながら、個人の人材コンサルタントを
していらっしゃいます。
大企業からの仕事の契約も受注するようになり、
大きな仕事の契約をとっています。
プレゼンテーションやコンペのとき、
何ができるかだけではなく、自分がビジネスをやっている思いを
伝えることによって、多くの企業との契約を決めてきました。
自分の思いを語るというのは、非常に大事な方針になっています。
岩瀬早苗さん
岩瀬さんという女性の方がいます。
お母さんの病気がきっかけで、
多くの人に食を通じて健康になってほしいという思いを抱きました。
こういった理念を通じて、今は名古屋のほうで料理教室を開催されています。
中規模都市にもかかわらず、
彼女が開催する料理教室は、
毎回満席になる大人気の料理教室になっています。
独立当初は全然お客様が集まらない状況でした。
何度もくじけそうになりましたが、
何のためにビジネスをやっているのか、経緯を見つめなおしました。
料理教室を始めたきっかけがお母さんの病気でした。
身体が弱かったが自分を育ててくれたお母さんに対する思いが
中心となって、今のビジネスをしていることに気づき、
それを伝えていくという信念が固まりました。
それが転機となって、今では多くの方を集めることに成功しています。
自分の根源となるところとつながることが、
ビジネスの大きな転換にもつながってくるということです。
多くの企業家・経営者の方が、自分のミッションを中心に、
そして自分の強み、商品、サービス、戦略・戦術、効率と収益性と、
大きな流れを作ってビジネスを起こしています。
ビジネスの構築の仕方はいろいろありますが、
ミッション、理念が中心であるのは共通しています。
こういった方々の例も参考に、考えていただきたいと思います。