創業融資の売上計画に必要な根拠は? 売上の目安の調べ方も解説

創業融資の売上計画に必要な根拠は? 売上の目安の調べ方も解説

創業融資を獲得するには、説得力のある売上計画が不可欠です。

多くの起業家が「具体的な根拠や目安がわからない」と悩んでいますが、本記事でその疑問を解消します。

この記事は、元銀行員として融資に関わってきた立志財団代表の坂本憲彦による監修を受けた解説記事であり、

  • 融資担当者の目線から見た、創業計画書作成のポイント
  • 根拠のある売上目安を出すための方法
  • 繁忙期と閑散期をどう考慮するか

といったことが分かります。

創業融資の計画書、売上予想をうまく立てるポイント

融資を受けやすくするためには、以下の要素が重要です。

  • 具体的な「売上」予測とその「根拠」の明示
  • 市場分析データや統計データの活用
  • 季節変動や地域性も考慮
  • 楽観的な予想ではなく控えめに
  • 過去の実績があれば、それを活かす

金融機関は事業の実現可能性を慎重に評価します。売上予測の裏付けとなるデータや市場分析を丁寧に記載することで、融資担当者の信頼を得やすくなります。

売上高の計算方法は、公庫の方式を参考に

日本政策金融公庫の創業融資申請時に用いられる売上高の算出方法は、多くの起業家にとって参考になります。

例)
飲食店の場合:客単価 × 1日の来客数 × 営業日数
小売業の場合:商品回転率や粗利益率も考慮

具体的に当てはめると、以下のようになります。

飲食店で1日の来店客数が30人、客単価が2,000円、月の営業日数が26日の場合、
月間売上 = 30人 × 2,000円 × 26日 = 1,560,000円

ただし、立地条件や競合状況によって数値は変動するため、慎重な検討が必要です。

業界ごとのだいたいの売上目安を知ることはできますので、それらも考慮して計算するといいでしょう。

もう少し深掘りします。

市場分析データや統計データから業界平均を把握する方法

業界平均売上を把握することで、より説得力のある事業計画を立てられます。具体的には次の次のような方法があります。

  • 業界団体が公表している統計データの活用
  • 同業他社の決算書分析(上場企業の場合は有価証券報告書を参照)
  • 中小企業庁が提供する「経営指標」の利用

コンビニの場合を一例として載せます。

コンビニの売上などのデータは日本フランチャイズチェーン協会にて統計データを出しており、2023年の状況を見ると1店舗あたり年商約2.1億円です(コンビニエンスストア統計調査年間集計〈2023年〉)。

全店舗で年間11.6兆円の売上、約55700店舗ありますので、1店舗当たりの年商は約2.1億円となる計算です(2023年)。そこから月商も導き出せますよね。

ただ、初年度の売上目標は、同業他社の平均の70%などを目安にして控えめにしても成り立つようにコストなどを意識するといいでしょう。

季節要因や地域性、繁閑を考慮した計画立案

季節変動や地域特性を考慮した事業計画は、融資審査で高く評価される傾向にあります。

  • 夏季の冷房関連事業
  • 冬季のスキーリゾート地域でのスノースポーツ関連ビジネス
  • 年間を通じて安定した需要が見込める業種
  • 学生が多い地域なのか、ビジネスパーソンが多い地域なのか、商店街なのかなど

これらの要因を反映させた計画は、より現実的で説得力のあるものとなります。

繁忙期や閑散期がある業種少なくないですよね。例えば、飲食店や美容室ならたいていは3月や12月が忙しくなるはずです。

そうした場合は、売上のバラツキを考慮していることが分かるようにするとベターです。

繁忙期と閑散期の売上を考慮した上で平準化して計算していることが分かる計画書と、そうした痕跡がなく計算している計画書ならどちらが真剣に考えているか明らかですよね。

結果は同じでも、そこに至るプロセスも見えたほうが考えが浅いのか、深く考えているのかが相手に伝わりやすくなります。融資するなら後者のほうがいいのは想像に難くないはずです。

過去の実績があれば、それを活かす

過去の実績がある場合はそれをもとにすることもできます。

融資というのは、完済される前提で行うものですから、未経験分野でのスタートと、それまで関わっていた業界でのスタートでは、差が出るのは当然と言えます。

公庫の場合は、民間の金融機関と違って利益重視ではない側面はあると思いますが、だからといって融資された分が返済されなくてもいいということは決してありません。

まとめ

創業計画書をつくるうえで確実に必要になる売上予想。その考え方、書き方についてお伝えしました。

  • 根拠のある売上計画をつくるために市場調査と競合分析の徹底
  • 公開されているデータは意外と多いのでそれらを参考にする
  • 公庫が提示しているデータも最大限使う
  • 経験のある分野はその経験を活かす

これらのポイントを押さえた創業計画書を作成することで、融資審査の通過率が大幅に向上するはずです。

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