夢と志の違いって何?
戦前は「夢」と言う言葉はあまり使わなかったようです。
その代わりに使っていたのが「志」でした。
志と夢の違いはいったい何でしょうか?
そして、どうして「夢」を使うようになってきたのでしょうか?
今回は「夢」と「志」の違いについて少しお話します。
戦前、日本は「夢」という言葉より「志」という言葉を多く使っていたとのこと。
今でこそ、「志」という言葉を使う機会は少なくなっていますが、昔はそれこそよく「志」を使っていました。
ではなぜ、「志」は使われなくなり、代わりに「夢」を使うようになってきたのでしょうか?
夢と志の違い
そもそも、「夢」と「志」の違いは何でしょうか?
「夢」を辞書で調べると
- 眠っている間に、種々の物事を見聞きすると感ずる現象。
- 現実がもつ確かさが無いこと。はかなく、たよりがないこと。「―の世」 現実を踏まえない甘い期待。「すっかり―に浸る」
- 現実のあり方とは別に心に描くもの。 将来実現させたい希望・理想。
一方、「志」を調べてみると、
- こころざすこと。こうしようと心に決めたこと。
- 厚意。親切。「―を感謝します」
- (感謝などの)気持をあらわすための贈物。
- 心が、ある目的に向かって動く。 目的をたてる。こころざす。 目的。めあて。こころざし。立てた信念
とあります。
ソフトバンクの孫社長は新卒ライブ2012 の講演で
夢と志は違います。
夢は漠然とした個人の願望であり、
志は個々人の願望を超えて多くの人々の
夢を叶えようとする気概です。夢はこころよい願望だが、
志は厳しい未来への挑戦です。
と語っています。
言い換えるなら、夢とは達成できたらいいな~という個人の目標や希望であり、あいまいな想いの可能性も高いです。
一方、志は個人の願いだけでなく、よりもっと公的でまわりの人を幸せにしたいという想いであり、そして、行動も伴っているものであるといえます。
夢の対象は自分のみであるかゆえに個人のモチベーション一つではたせなくなります。
しかし、「志」は対象が自分以外にもいるためにあきらめられにくく、願いも果たされやすいとも言えます。
特に「志」は想いが大きければ大きいほど時代を超え引き継がれていくまで昇華できます。
夢ではなく、志を持つから長続きする
事実、日本は世界で一番長い歴史を持つ古い国家になったのも、「志」を引き継いでつないでいったのではないかと思います。
なお、世界最古の企業トップ3はすべて日本企業です。さらに1000年続く企業が7社もあります。
これは、伝統と守りつつさらに時代の変化に対応でき、柔軟に行動できないと難しいと判断できます。
それは、単に伝統だけにとらわれては変化は難しいはずでそのビジネスに対して想いをもって行動しなければ長続きはできないでしょう。
志の重要性を認識する
戦後になり、日本はアメリカのGHQの指導により戦前の教育を変えられてきました。
それは、再度、戦争を起こさないようにするためでしたが、その中には日本の誇るべき良い文化や伝統までも変更させられたこともあります。
そしてその中の一つとして「志」ではなく、「夢」を多用することになりました。
アメリカンドリームという「夢」が導入され、アメリカの影響で「個人の夢」、「個人の自己実現」を目指すという考え方が主流となっていきました。
そして、「志」という概念は弱くなり薄くなっていったと言えるのではないでしょうか。
吉田松陰・坂本龍馬のような歴史的人物や現代では孫正義氏や多くの企業経営者が「志」の大切さを話しています。
「志」を持つことが希薄になった今だからこそ、「志」の重要性を今一度考えてみてはいかがでしょうか?
あなたの志の実現を応援しています!