第26回 起業家のメンタル的な面

いつか起業を考えているけど、何から始めていいか分からない・・・
そう悩んでいる方へ。

起業家教育の専門家である坂本憲彦が、はじめての起業で成功するポイントを解説します。

今回は、「起業家のメンタル的な面」について、お届けしていきます。

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起業家の約4割が気分障害や不安障害を抱えてる実態

森川 最近の起業家に関するトピックのニュースで、坂本先生が気になったニュースや話題は何かありますか。

坂本 そうですね。最近起業家の4割弱がメンタル不調っていう記事がありまして、僕はこのニュースで結構衝撃を受けました。これはある団体さんが調査した起業家のメンタルヘルス調査レポートで一般の人や非起業家の方は、気分障害とか不安障害を持っているのが全体の5%くらいなんですけれども、起業家の場合37%が気分障害や不安障害を抱えてるというのが調査結果で出てきたんですね。

森川 はい。

坂本 これを見てですね、一般の人よりも7倍以上気分障害、不安障害の方が多いっていう結果が、非常にこれ衝撃だなと思いまして。

僕も起業支援をずっと10年以上やっているんですけれども、特にこの数年うつ病の経験のある方がすごく多いなっていう印象があったんですね。それがこういう形でデータでも出てきて、起業したい方や実際起業してる方に関しては、そういうメンタルのケアをしっかりしていかないとなかなか成果を出していただくっていうのが難しいんだなっていうのを改めて実感しましたね。

森川 4割っていうのは結構大勢だなっていう印象なんですけれども、どうなんでしょうか。その方々っていうのは元々そういうきらいがあったのか、起業を頑張ってたからリバウンドみたいな感じでそうなってしまったのか。その辺りって何かあるんでしょうか。

坂本 どうですかね。僕もしっかりデータを見てるわけじゃないですけど、どっちかというとその前からそういうのを抱えてる方が多いのかなと思います。

森川 元々っていう事ですかね。

坂本 起業してからも当然プレッシャーはかかってくるのでその影響はあると思いますが、起業してからと言うよりも起業前から会社でうつになっていたとか、そういう気分障害や不安障害を抱えてるっていう方が会社に縛られずに自分で自由になりたいという形で独立するパターンが多いのかなと僕は考えますね。はい。

森川 なるほど。

実際会社員だからとか起業家だからということはもちろん無いと思うんですけど、やっぱりそういう精神状態だと仕事ってしにくいんだろうなと思います。特に起業家さんですと、スタートアップ時期ってその方が止まってしまうとビジネスが回んなくなっちゃうのかなと思いますが、それっていうのはその精神状態が原因でビジネスが止まってしまうとかっていうのはあったりするんでしょうか。

坂本 そうですね、そういうのはあったりしますね。

実際にうちの財団に来られてる方で、今もうつを抱えながらやってる方とかもいます。その方はずっと薬を飲みながら躁うつを抱えてるんですけど、そのような精神状態でやってる方とかもいますよね。だから大事なのがそういう方を責めちゃうと、彼らはまたプレッシャーを感じてきて落ち込んでしまうので、僕らが気を付けてるのは安心安全な場所を作るっていうのを意識しているんです。

森川 はい。

起業家同士の集まりで相手のダメ出しはNG

坂本 起業家同士の集まりって相手のダメ出しばっかりするみたいなイメージがあるかもしれないんですけど、あんまりダメ出ししてても意味が無いなっていうのをすごく実感しますね。

森川 そうですね、それはすごく思います。

坂本 ダメ出しじゃなくて応援をしてあげるというか、それでいいよとか。もちろん褒めてあげるっていうのはすごく大事で。

アドバイスもするんですけども、そういうのってちゃんと安心安全で非難されないとか否定されないっていうのがわかった上で褒めて認めてくれる環境が必要だと思うんです。そこでもうちょっとこうした方がアイデアとしていいんじゃないかっていう意見を言ってあげるのがすごく良いかなと思ってまして、そういう事とかにも意識してやってますね。

森川 今、本当にそうだなと思うことがあって。

例えば何か相談をしてるとか、相談してなくても自分の作ったホームページとかメルマガとかに、本人はアドバイスのつもりでも上から高圧的な視線でモノを言ったり、何かこうお前がダメなんだ、だから教えてやってるんだみたいな相手の方の努力とか今までこだわってきた事とかそういったことに敬意を表さずに踏みにじるような発言をする人ってたまにいるのかなって感じるんですね。

そういった方のアドバイスが万が一、的確でもその人と接してる時間っていうのはその起業家の方の足を止めてしまうとか足を引っ張ってることになるなってすごく思ったんですね。非常に誰と付き合うのが大事かなというか。

立志財団が目指す起業家のための安心安全な環境

坂本 そうですね。やっぱり起業したい方とか起業家の方こそ、そういう安心安全な環境をちゃんと作っておくっていうのがすごく大事かなと思います。黙っててもビジネスの世界なんで、お客さんから否定されてくるので。

でもその時にどっかで安心できる場所があるかどうかっていうのは、やっぱり起業で成功していく為にも大きく差が出てくるなと私は考えるんですね。そうでないと、休まる場所が無いし、そういう気分障害だったり不安障害みたいなのがより進行しちゃうと思うんです。

森川 そうですよね。会社員云々っていう事ではもちろん無いと思うんですけど、そういった気持ちの障害を抱えてる方がより働きやすい環境って、ひょっとしたら起業してご自分でされてる方が働きやすいかもしれないっていうのは感じるところがありますよね。そういった方がせっかくそういった道をご自分で選んでるのに心無い言い方とか、心無い発言内容や態度で彼らの足を引っ張るって、失礼千万っていう感じですね。

坂本 そうですね。

森川 人の人生を踏みにじって楽しんでるのかなって思う事は最近たまにあったりしました。

坂本 僕もそうは言っても昔、そういうのやってしまってて。

森川 そうなんですか。

起業支援での経験からの学び

坂本 そうなんです。起業支援をやり始めてまだ初期の頃ですけど、ダイエットのやり方みたいなのを作って売りたいって言う方がいたんです。どれくらいダイエット指導をした実績あるんですかって聞いたら、自分が十何キロ痩せたんで、それをノウハウにして売りたいって言われて、それをバサッとそれじゃあ売れないですねと言ったんですね。

自分一人がやったくらいじゃ実績として全然足りないんでダメだと思いますって話をして、そんなのでは無理だからダイエットのすごい先生を引っ張ってきてその先生と一緒にやった方が良いよって言ったら、その人が結局最後にすごい怒りだしちゃったんです。

その時は僕もわかんなかったんですけど、今だとその人がダイエットをやりたいっていうのは裏にいろんな理由があってそれに行きついているので、そこをちゃんと聞いた上で、どうやったらそれができるのかをフォローしてあげないといけないなという事がすごくわかったなっていう事例だったんですけど。

森川 そうですね。多分その方で言うと、ご自分が頑張った経験を例えば他の人に役立てたいとか、そういうご自身としては純粋な気持ちがあったのかなって思いますね。

坂本 そうなんです。それを僕はその頃未熟だったから、全部踏みにじっちゃったので。

今は本当申し訳ないことをしたなってすごく思ってるので本当謝りたいですね。やっぱりその人のやってることを認めてあげて、褒めてあげて伸ばしていくっていうのが、起業支援においても非常に大事だなっていうのは今回のニュースを見てすごく思ったところですね。

森川 わかりました。ありがとうございます。

非常にそういったところはお話しを聞いていて大事だなと思いましたし、起業支援をする上で付き合う人を選ぶっていうのも非常に起業家の方にとっても大事かなと思いました。
坂本先生、今回もありがとうございました。

坂本 ありがとうございました。

森川 また宜しくお願い致します。