【必見!】カウンセラーになるには? 資格と仕事ガイド
昨今、カウンセラーやメンタルケアという言葉を耳にする機会が増えてきました。それはつまり、心に不安や悩みを抱えた人が増えてきた、ということかもしれません。
ですが同時に、現代ではそんな人の助けになりたいと思う人の力がより求められているともいえます。ここではカウンセラーを目指す人に向け、そのガイドとなるような情報をご提供します。
カウンセラーの仕事とは?
カウンセラーとは、医学的な治療ではなく、心理的な援助を人に施す仕事をする人です。明確なアドバイスや解決策を提供するのではなく、相手の話を聴き、相手に寄り添い、その人が抱える問題の自主的な解決を促します。
職場となるのは各種学校や企業、病院、自治体などで、多くの場合臨床心理士など一定の資格が求められます。実際の仕事としては、例えば就職支援をするカウンセラーなら、ひきこもりやニートの人が就職できるよう、精神的な後押しをするなどの業務をこなします。学校で働くスクールカウンセラーなら、いじめや不登校などで心に傷を負った子どもやその保護者、教職員の方に対し、支援を行います。
基本的には傾聴、相手の話に耳を傾け、熱心に聴く、というスタイルで仕事をします。
カウンセラーに向いている人の特徴
カウンセラーに向いている人は、人の話をよく聴けて、かつ人の心の機微に興味がある人、と言えるかもしれません。
援助を求める人の心中には何かしらの悩みがあるでしょう。その悩みを知るためには、相手が話すことにしっかり耳を傾ける必要があります。そして、悩みがどうやってもたらされたのかを把握し、適切に対処するためには、人の心がどういうものかについての深い知識、理解力が求められます。
常日頃から繊細な心の働きに気がつき、それに興味をもって接している人なら、自然と心への理解も深くなります。専門的で難しい勉強にも比較的抵抗なく取り組めるかもしれません。
逆に、自己主張が強い人はカウンセラーにはあまり向かないでしょう。
カウンセラーになるためには?
カウンセラーへの道筋として、大学などで学び資格を取得した後、各機関に勤める、というパターンがあります。カウンセラーには、心理や福祉に関わる資格、経験が求められ、そのためには体系的な教育を受けることが望ましいためです。
4年制大学や専門学校への通学、通信教育といった方法で知識、技術を学ぶ場合が多く、各資格取得に特化した学校、講座もあります。
カウンセラーに関する職業
カウンセラーが就く職業には、例えば次のようなものがあります。なお、職業名は機関などによって別の名前で呼ばれることもあります。
- スクールカウンセラー
小、中、高等学校などの教育機関で働くカウンセラーです。児童生徒や保護者、教職員が抱える問題に対する相談、学校や外部機関と連携した支援、ストレスチェックやマネジメントといった予防的対応もします。臨床心理士などの資格が要件となります。
- 病院カウンセラー
病院などで、患者の方がもつ不安や悩みを取り除く手助けをします。各症状へのカウンセリングや心理検査および職業適性検査、医師の治療に付随する心のケアなどを行います。臨床心理士などの資格が求められます。
- 心理相談員
働く人々の心の健康を保つため、メンタルヘルスケアを行うカウンセラーです。厚生労働省が進める「THP(心と体の健康づくり運動」において、運動指導、保健指導、心理相談、栄養指導のうち心理相談を担当する人で、中央労働災害防止協会が主催する研修を受ける必要があります。
- 企業内カウンセラー
企業内の一室や併設された施設などで、労働者の心の健康のため心理的サポートを行うカウンセラーです。仕事や職業生活についての支援を行います。
- キャリアカウンセラー
働く人に適したキャリアの形成を支援するカウンセラーです。その人の興味関心や価値観、能力などを基に助言をします。企業の人事労務部門や人材紹介会社、学校、行政機関といった場所に勤めています。
カウンセラーに関する資格
カウンセラーに関する資格、また職業に就く際条件となり得る資格には、例えば次のものがあります。
- 臨床心理士【民間資格】
臨床心理学を基礎とし、心の問題に取り組みための知識、技術を備えていると認められた人に与えられる資格です。大学および大学院でより専門的な教育を受けた後、また医師免許を所持し一定の心理臨床経験がある場合に審査を受けてなれる、特に専門性の高い資格です。
- 臨床発達心理士【民間資格】
発達心理学を基礎とし、子どもから大人まで、人の発達に際し生まれる問題に対する援助が行えると臨床発達心理士認定運営機構に認定された人に与えられる資格です。大学院修了あるいは研究、臨床経験がある人などが審査を受けられます。
- 学校心理士【民間資格】
学校を心理的援助の領域とする専門家と学校心理士認定運営機構に認められた人に与えられます。いじめや非行、不登校、またLD(学習障害)やADHD(注意欠陥多動性障害)などの児童生徒に対し支援を行える技能をもつことを示す資格です。
- 産業カウンセラー【民間資格】
労働者と組織に対し、メンタルヘルスやキャリア開発、職場の人間関係などに関する支援を行える技能があると日本産業カウンセラー協会に認定された人に与えられる資格です。
- 認定心理士【民間資格】
心理学の専門家として最低限必要な技能があると日本心理学会が認めた人に与えられる資格です。大学の心理学部などで所定の科目を修め、学会に申請することで資格を得られます。
- 精神保健福祉士【国家資格】
精神障害を抱えた人の社会復帰や社会参加を促すなど、人々の精神の保全を支援する能力があると認められた人に与えられる福祉系の資格です。専門の大学などで学び精神保健福祉士国家試験に合格した後資格を得られます。
なお、「心理カウンセラー」は、心理的な援助を行うとされている人を総称する、かつ多分野で用いられる言葉です。ですので、この名前の資格はありません。
また、福祉系とは異なる心理系の資格においてはこれまで国家資格がなく、上記含め数多くの学会など独自発行する民間資格のみでした。ただ、2017年からは、日本初の心理職国家資格「公認心理師」の運用が本格的に開始される予定です。
カウンセラーになるためにかかる費用と時間
カウンセラーになるためにかかる費用と時間は、職業や資格によって様々です。まず資格をとるにしても、特定の機関で数カ月講座を受ければ得られるものから臨床心理士のように指定大学院で学んだうえで審査を受けて合格すればやっと取得できるものまで存在します。費用の幅も数万円から数百万まで幅広いです。
費用が安いものなら約2~3万円、2カ月ほどで資格を取得できますが、もし大卒でない人が例えば臨床心理士になろうとすれば、受検資格を得るまでに4年制大学修了に4年で約400万円、さらに大学院にて2、3年教育を受けるので追加で約200~300万円かかるかもしれません。
このように、資格を発行している団体、審査自体を受けるための条件、通信や通学などの学習方法、学ぶべき専門的事柄の量といった各要素によりカウンセラーになるために要る費用や時間は変わります。
まとめ
カウンセラーは人の心に寄り添い、その回復と自立をそっと支援するお仕事です。ただ、カウンセラーには種類があり、目的も異なります。それはカウンセラーを志す人も同じだと思います。
カウンセラーになりたいと望む人がいるなら、自分が誰に、何のために、どんなサポートをしたいのかを考え、その達成に適した資格、職業を選ぶと良いかもしれません。