創業融資はいつまで可? 申込タイミングはこの時期がいい
創業融資は一体いつまで受けられるのでしょうか? また、タイミングとしていつ申し込むのが適切なのでしょうか?
創業する事業規模によっても変わって来ますので、ここでは小規模事業(1000万円未満の融資)という前提でお伝えします。
その場合、創業融資として選択肢となる融資制度は条件からして次の2つ、
- 日本政策金融公庫の新規開業資金(新創業融資制度は廃止※)
- 制度融資
特に公庫の融資が候補になりますので、公庫を中心に解説します。
その前提で先に結論を書くと、いつまでの答えは創業から2期を迎えるまでで、融資の申込タイミングは事業開始の2~3ヶ月前くらいがいいでしょう。
以下、より詳しくお伝えします。
※2024年3月をもって、日本政策金融公庫の新創業融資制度は廃止となり、より良い条件になっています。
公庫の創業融資(新規開業資金)はいつまで?
創業融資であれば、新規開業資金(2024年3月までは新創業融資制度という融資制度がありましたが、今は廃止)という公庫の融資制度が第一候補となると思います。
「新規開業資金」は初めて目にする人からすると融資制度とは思えない名称ですが、公庫が提供する融資制度の1つになります。
「新規開業資金」を使えるのは創業から7年以内ですが、創業という観点からは法人なら法人設立(=登記)から個人事業主なら開業後、2期が終わるまでと考えておくのがいいでしょう。
2期を終えるまであれば、金利が安くなったり、無担保・無保証で借りられるなど有利になることがあるためです。
2期が終わるまでの期間は法人や個人によって変わる
2期が終わるまでという表現だと漠然としているところもあるかもしれません。個人と法人とでも違いがあります。もう少し詳しく見ていくと次のようになります。
法人の場合は、2期が終わるまでというのは、第1期の決算日から1年以内までを指します。
ただ、法人の場合、決算日は登記してから原則として1年以内であればいつにするかは自由に決められます。なので、いつ決算日にしたかによって設立からどのくらいの期間かは変わってきます。最大で1年近く変わります。
例えば、2020年10月1日に法人を設立して決算日を3月31日とした場合、1期は半年になります。2期以降は1期は1年ですから、2021年4月1日から2022年3月31日までの1年が第2期となります。この場合、2期が終わるまでの期間は、設立(=法人を登記した日)から1年半ということになります。
個人の場合はいつから事業を始めようとも12月31日が期の最終日となりますので、開業した次の年の寝年末までが2期以内になります。
1月1日からスタートした人は丸2年間は2期以内となりますが、年末近くに開業した場合は、1年と少しで2期が終わることになります。
公庫の創業融資はどのタイミング申し込むのがいい?
創業融資は創業前に申し込んでおくのがベストです。タイミングとしてはだいたい2,3ヶ月前には融資を申し込んでおきたいところです。これはあくまで申し込む段階の話ですので、公庫との相談はその前からすでに進めていくことになります。
公庫には融資制度がたくさんあり、組み合わせて使える制度もあります。条件もいろいろありますので、担当の方と相談しながら最適な融資制度を模索していくことになります。なので、創業の半年くらい前から相談し始めてもいいと思います。
急にまとまったお金を用意することは難しいですので、余裕を持って資金を調達しておきましょう。
ちなみに公庫に融資の申し込み後、審査が通って実際に入金されるまでの期間は平均的には3週間とされています(公庫のページより)。
ただ、融資というのは一般論として、一度借りて返済実績がある場合にまた借りるのと、初めての事業で最初の借り入れになるのとでは融資のお金が振り込まれるまでの時間に差があります。
特に初めての借り入れとなると、時間がかかるのが普通ですし、公庫というのは創業時だけに借りるところではありません。なので、公庫のページに3週間と書かれていても、それはあくまで平均です。創業時にはもっと時間がかかると思っておいたほうが無難だと思います。
制度融資の期限は自治体によるので一概に言えず
創業融資として有効な選択肢の1つとして自治体が設けている制度融資があります。
制度融資は条件が自治体によって変わります。一概にいつまでとは言いがたいため、関連する自治体で調べてみてください。
都道府県だけでなく、市区町村でも制度融資を取り扱っていることもありますので、都道府県と市区町村の両方で調べましょう。
創業直後の融資申請は可能だけれど、借りにくくなる
先ほどのとおり、公庫の新規開業資金は創業前に融資を受けておくことがベストですが、創業後であっても融資は可能です。
ただ、繰り返しにはなりますが、2期が終わるまでの間と、それ以降とでは融資の条件が変わってきますからそこは意識しておきましょう。
そして、それよりも問題なのが、創業後は融資が通りにくくなりがちだという点です。
事業開始前であれば、融資の可否は主に事業計画で判断することになります。これが少しでも事業が始まった段階になると、実績が求められることになります。
うまくいっていればいいんですが、そうであれば新たに融資が必要になることはないでしょう。なにかしらの理由でお金が必要になっているケースが多いはずです。となると、貸す側もリスクが大きくなると判断するでしょうから、融資は通りにくくなりがちです。
まとめ
この記事では創業融資、特に公庫の新規開業資金に関して、いつまで申し込めるのか? どのタイミングで申し込むといいのか? という点について解説しました。
結論としては、創業の数ヶ月前から公庫の担当者とやりとりをして2,3か月前には融資の申し込みが完了できるようにしておくのがベストだと思います。
いつまで申し込めるか? については、公庫は基本、事業者であればほとんどの場合、融資の対象となりますので、その意味では期限はないと考えていいでしょう。
ただ、新規創業の場合は特別な条件があるので、創業から2期以内というのを創業融資の申込期限と考えてもいいと思います。
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