【サークル1】あなたのビジネスにブレない軸をつくる~その1~

【サークル1】あなたのビジネスにブレない軸をつくる~その1~

前回の夢を叶えるビジネスを作るには?~その2~の続きです。

ここから、いよいよあなたの夢を叶えるビジネス成功への5(ファイブ)サークルの話をしていきます。

あなたの夢を叶えるビジネス成功の5(ファイブ)サークル

5サークルの要素を中心から縦に並べるとこちらのようになります。

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あらためて、一つひとつを確認します。

サークル1がミッションです。
あなたのビジネスのぶれない軸を作るというところです。

サークル2が自分の強みです。
ここは、自身の強みとあと弱みを徹底的に活用してビジネスを作るというところです。

サークル3が商品、サービスです。
ミッションから売れる商品を、自分のミッションに沿った商品を作るということです。

サークル4が戦略、戦術。
例えば、ミッションを広めるための戦術、戦略を身につけるということです。

サークル5は効率性、収益性です。
簡単にいうとミッションを実現させることです。

ミッションはただ描いているだけでは意味がありません。夢を紙に書いても叶いません。この5つを実行していきます。

サークル1【ミッション】あなたのビジネスにブレない軸をつくる

サークル1はあなたのビジネスにぶれない軸を作るというところで、コアの部分です。

ミッション=「人生の目的」からビジネスを考える

そもそもミッションとは何でしょうか。人によって言い方は違います。

理念、経営理念、会社だと社是とか社訓、志と言ったり、ミッションステートメントとも言いますね。

とにかく自分の中心になるものです。

一番大切にしたい価値観のことですね。

これがミッションというものです。

ビジネスで変わっていいものと、変わってはいけないもの

ビジネス活動において重要なのは、何を変えてよいか、何を変えてはならないかを適切に判断することです。

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ビジネスは、時代の変化もありますし、移ろいがありますから変わっていく部分もあります。

その一方で、変わってはいけない部分もあります。

ミッションは基本的には変わってはいけない部分です。
変わっていけないというよりも、変わらない部分です。

変わるのはビジネスモデルです。
この区別が大事なんですが、みんな全部ひっくり返そうとします。特にスタートアップの段階ではそうした傾向があるように思えます。

たとえばダイエットのビジネスを立ち上げようとして、うまくいかなかったら、今度は投資系の何かをやろうとか、まったく違うことをやろうとします。

それがその人のミッションを軸とした変化ならいいと思います。

ですが、こっちがだめだったからあっち、また別なものが儲かりそうだからそっち行こうという考え方だと問題になります。

儲かっていることはないか、といろいろなビジネスモデルを探して、放浪し続けることになるからです。

変わらないのは常にミッションであり、それがあった上で、ビジネスモデルは自由でいいのだという考え方が非常に重要です。

ソフトバンクの創業者、孫正義さんのビジネスのつくりかた

ソフトバンクの創業者である孫さんのビジネスの作り方を見てみましょう。

孫さんは新30年ビジョンでも語っているとおり、基本的にはミッション、ビジョン、ビジネスモデルという3つを軸にしています。

ミッションからまず作ります。

次にビジョン、どういう未来に行きたいかということですね。

そしてビジネスモデルがあります。

孫さんも新30年ビジョンの中で、はっきりと「ビジネスモデルは分からない」と言っています。

ソフトバンクのビジネスモデルはどんどん変わってきています。

創業当初はソフトの卸会社からスタートしたのがソフトバンクです。パソコンソフトなどの卸です。

90年代に入ってネット回線の会社になりました。

インターネット会社、ヤフーBBとかやりましたね。次はモバイル、携帯の会社です。やっていることは変わってきています。

でも、孫さんは理念、志は一緒だと言っています。

孫さん、ソフトバンクの志は「情報革命で人々を幸せに」です。

創業時は、情報革命で人を幸せにするのがパソコンのソフトでした。

90年代はインターネットを普及させる、回線を普及させることが情報革命で人を幸せにすること。2000年代に入ってからは携帯です。

情報革命で人々を幸せにという理念は30年間ずっと変わっていません。

理念、志が変わらないということは、孫さんはこの先もずっと変わらないということです。

ただ、時代時代によって何が情報革命の中心になるかどうか分からないから、ビジネスモデルは変わるかもしれません。

ミッションをどうやって明確にしていくか?

変わっていいものと変わってはいけないものが何なのか、そこをしっかり理解することが重要となりますが、何でも新しいことをやればいい最新のものがいいとやっていると、新しいもの症候群みたいになって、それに踊らされてしまいます。

ミッションとは自分の中の一番大切な、不変の価値観です。
最終的には変わらないものです。

ただ、これを作る段階で変化していくことはもちろんあります。

ミッションを考えたことがない人は特にぼやっとしてしまうと思いますが、最初はそれで構いません。

とにかく気に入った言葉を書けばいいです。

最初からこうでなければならない、絶対変わっちゃいけないと考えると行き詰ります。

最初は変わっていい。いろいろ試行錯誤しながらやって、最後に落ち着くものが出てくるはずです。

言葉尻も変わっていいと思います。

でもコアの、魂の部分は多分変わりません。

その表現がちょっと変わるだけです。

私のミッションは「すべての人を真に導く」ということですが、きたのが去年です。

ミッションの大切さを聞いたのが10年ぐらい前ですが、ようやくそこに行きつきました。

これはもう一生やっていくことを腹に決めていますが、そこに至るまでに時間がかかりました。

個人・家族・会社の3つのミッションを考える

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ミッションを考えるうえで大切なポイントはミッションを3つ考えるということです。

中心にあるのが個人のミッションです。

それがあって、次は家族のミッションです。家族でどこに行きたいのかというところです。

3つ目が会社のミッションです。

個人のミッション

創業者とか経営者の場合は、個人のミッションと会社のミッションがイコールになることも多いと思いますから、最初はイコールでもいいと思います。

あくまでも、個人の、自分がどこに行きたいのかが先だということです。

すべての中心は個人のミッションから始まります。

個人のミッションとは、個人の一番大切な人生の目的、生きる意味です。

自分が何のためにこの世の中に生を受けたのか、自分が一生涯かけて成し遂げたいことです。

よくミッションとして目標を掲げる人がいます。

例えば、年収3千万になりたいというようなことをミッションだと言うのですが、ほとんどの場合、それはミッションではありません。

生涯かけてやりたいことがミッションであり、目標とは違うということだけ理解してください。ミッションは目的です。

これからの人生、いろいろな家族の関係もあるかもしれないし、会社、仕事での関係もあるかもしれない。

そのとき、意思決定の一番の中心になるものがミッションです。

ミッションは最終的には不変です。

途中段階で変わることはあります。私も10年前に作ったものと今は違います。でも最終的には変わらないのがミッションです。

会社の場合、まずは社長個人のミッションが大事です。

個人のミッションから会社のミッションに派生していきます。

人生を幸せにする家族のミッション

家族はあなたの人生で一番大切な存在です。

人によって価値観は違うかもしれませんが、死んだときに周りにいるのはやはり、自分の家族だと思います。

もちろん友人知人がいてもうれしいですが、やはり家族にいてもらうのが一番幸せを感じるのではないでしょうか。

大事なのは、家族の目的はどこなのか、家族が何をしたいのか話し合うことです。

家族だからこそ話していないことはたくさんあるでしょう。

逆に家族だからこそ話し合う時間を持つのが大事です。

私も正月、妻とどうしていくかをあらためて話しました。

そのようなときはあらたまって話す場を設けたほうがいいと思います。

会社の会議と一緒で、「この日のこの時間、ここで話をするからこの時間は空けてね」と決めて、家族の10年の計画を一緒に作る。

でないと、普段一緒にいるせいでかえって話しにくかったりします。

話をきちんとしていないと、途中で別れがやってくる可能性があります。

一生懸命がんばってきたのにお互いに違う方向を向いていて、熟年離婚の可能性もあるかもしれません。

大事な身の回りの人にこそ、きちんと話しておくのが大事です。

夢を叶えるための会社のミッション

会社のミッションは、最初は個人で作ってもいいのですが、できれば経営幹部の方と一緒に作るのがおすすめです。

従業員が少なければ従業員全員でもいいですが、5から6人くらいが最大になると思います。

人数が多いと、いろいろな価値観が出てまとまりがつかなくなるからです。

経営幹部とか主要な人を集めて作るのがよいでしょう。

ミッションを作ると、その作る過程に自分も関わっていると実感でき一体感が出ますし、結束力が上がります。

自分たちが好きな言葉、大切にしたい価値観、そういったものを自由に書き出して話し合ってつくっていくのがいいでしょう。

できれば一泊二日でいいので、泊まりこみくらいでやったほうがいいですね。

言い方はミッションステートメント、コアパーパス、コアバリュー、行動指針といろいろあります。

例えば、スターバックスの場合を見てみましょう。

スターバックスになぜ人が集まるのか? スターバックスのミッションとは?

なぜスターバックスに人が集まるのでしょうか。

先にも触れましたが、スターバックスのミッションステートメントは
「感動体験を提供して、人々の日常に潤いを与える」
です。

これは初期のものです。

1000店舗あたりまではこのミッションでした。

感動体験を提供して、人々の日常に潤いを与えるのがスターバックスの使命ですから、スターバックスのお店で感動をしてもらい、人々の日常がちょっとでも楽しく、潤う環境を提供することになります。

単にコーヒーを売ることじゃないんですね。

今はコーヒーを通じて、と入っているのですが、感動体験を提供していくのがスターバックスの使命なのです。

行動指針でミッションを日常業務に落とし込む

ミッションを具体的にしたものが行動指針です。

例えば、スターバックスの行動指針は次のとおり6つあります。

  1. お互いに尊敬と威厳をもって接し、働きやすい環境を作る
  2. ビジネス運営上での不可欠な要素として多様性を積極的に受け入れる
  3. コーヒーの調達や焙煎、新鮮やコーヒーの販売によって常に最高級のサービスを目指す
  4. お客様が心から満足するサービスを常に提供する
  5. 地域社会や環境保護に積極的に貢献する
  6. 将来の繁栄には利益が不可欠であることを認識する

従業員に関する行動指針、商品、サービスに対する行動指針、そういったことが定められています。

そして社内で議論するときは、これを中心に全部考えていきます。

だから、お互いに尊敬と威厳を持って接し、働きやすい環境を作ることに基づいて、人事評価や、社内の環境整備を進めていくのです。

行動指針や理念を作ると、縛られるのは従業員ではなく経営者です。経営者がまずやるかどうか。

経営者がやらなければ、理念はただの絵に描いた餅です。

これに沿って自分が行動できて、これに基づいて判断できるか。

できるようになってくると、従業員に、これに基づいて判断してくださいと指示を出すことができます。

どうやってミッションをもとに日々活動していくのか

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小さい会社などで初期に起こる問題は、常に社長に聞かないと分からない、社長に意思決定してもらわないと決められない、といった問題でしょう。

人を雇っても、社長はどんどん仕事が増えます。そのうえ、いつまでたっても人が育ちません。

一時的には自分がいないとだめだと、それが優越感になります。

ただ、自分から仕事が離れていかない状態になってしまいます。

従業員は
「勝手にやったら社長に怒られるから」
「社長に聞かないと」
となってしまい、悪循環になっていきます。

それを防ぐために、行動指針を基準に意思決定する形にしていきます。

お客様が心から満足するサービスを常に提供するというのがあるなら、それができているかをみんなで考えます。

行動指針とマニュアルは別

行動指針は指針であってマニュアルではありません。

マニュアルはマニュアルで必要になることもあると思いますが、マニュアルで全部縛ると、マニュアル外のことができなくなってしまいかねません。

冗談のような話ですが、こんな話があります。

あるチェーン店の店舗の前で人が急に倒れて救急車を呼ばないといけなくなりました。

まだ携帯電話がない時代の話です。

お店に、「人が倒れていて救急車を呼びたいから電話を貸してくれませんか」と人が来たのですね。

すると、お店の人は、「うちは外部の人に電話を貸せないのでだめです」と断ってしまいました。

理由はマニュアルにそう書いてあるからでした。

これは極端な例だとは思いますが、そういう事態が起こり得るということです。マニュアルには限界があります。

スターバックスの接客マニュアル

スターバックスは接客マニュアルが1行だそうです。

「あなたがしてほしいことをお客様にしてください。それに基づいて全部考えてください」

これだけ。

それをもとに議論していきます。

こういう行動指針に基づいて判断ができる、それをみんなで考えていくというチーム、組織を作れるかどうかが会社を作っていく上で大事なところです。

ミッションに沿った人事評価、商品開発、経営計画

ミッションを作ると、ミッションに沿った人事評価ができます。

たとえばスターバックスは、コミュニケーションに関してそれがあります。

職場での健全な人間関係を築くためには、互いに相手の尊重と威厳を意識し、働きやすい環境を整えることが重要です。

また、多様性を積極的に受け入れることも、ビジネスにおいて不可欠な要素となっています。

そのため、人事評価においても、コミュニケーションが適切に行われているかを、企業のミッションや目標に沿って判断することができます。

新入社員とかアルバイトのコミュニケーションのレベルは、元気よく挨拶するといった程度ではあります。

これが幹部クラス、経営幹部だと、異人種、宗教の異なる人同士でのコミュニケーションが円滑かというレベルになります。

マーケティングも同様です。

ミッションに基づいているかどうかで全部意思決定していきます。

サービスや商品も、経営計画もそうです。

すべてミッションから考えていきます。

すると理想の会社に、本当に人が自立してみんなが自分たちで考えてよくしようという形の会社になってくるのです。

まずは個人のミッションを見つけるところから

最初はとにもかくにもまず自分の、社長の、経営者としてのミッションを明確にしないといけません。

では、どのように見つければよいのでしょうか。

皆さんがイメージしやすいのはビジョンだと思います。

ですから、最初はビジョンを明確にすることです。

あなたのビジョン(未来像)を明確にする

ビジョンを明確にするとは、理想の未来を明確にするということ、どこに行きたいのかということです。

自分が旅に行くとして、沖縄に行きたいのか、北海道に行きたいのかで方角は全然違います。

どこに行きたいか決めないと飛行機に乗れませんから、まずはどこに行くのかを明確にしていきましょう、ということです。

どういう未来を描きたいか、5年後や10年後、こんなふうになったらいいな、こんな生活送りたいな、こんな仕事したいな、そういう「なりたい未来」があると思います。

なんとなくでも、ぼやっとでもあるはずです。

過去-現在-未来をつなぐ

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過去と現在と未来はつながっています。

次に、なぜその未来を実現したいのかを考えます。それがミッションにつながっていきます。

その未来を実現したいという源泉ですね。大元はどこになってくるか。それは過去につながります。

皆さんが描いている未来は、過去の経験があった上で描かれています。

たとえば、自由な生活を送りたいという未来があるとするならば、それは多分過去に不自由をした経験があるからです。

束縛されて嫌だった、本当に苦しかったという経験があるから思っているわけですね。

自分が未来を描いたら、それをやりたい理由は過去にあります。

そこがつながってくると、ミッション、使命は明確になってくるのです。

終わりに

今回は、「サークル1ミッションを明確にする」というところの前半をお伝えしました。

今回お伝えした内容をぜひ考えてみてください。あなたのために、少し時間をとってみてくださいね。

次回は、続きのワークを用意しています。

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