読書の秋第一弾!【金持ち父さんのパワー投資術】から学ぶ「投資の正しい認識」
毎週日曜朝9時半から、FM那覇で放送中の『坂本憲彦のラジオ経営塾』。起業の専門家、坂本憲彦がはじめての起業で成功するために大切なポイントをお届け。沖縄で起業したい人を応援するラジオ番組です。
今回は、ベストセラー金持ち父さんシリーズの1冊「金持ち父さんのパワー投資術」を坂本憲彦氏に紹介していただきます。元銀行員で現在経営者、お金の流れの裏も表も見てきた坂本氏が、自身の経験も踏まえて、お金のことを学ぶ必要性やお金の増やし方、お金で騙されない方法についてお伝えしています。
こちらの音声は、Podcastよりお聴きいただけます。
動画は、下記YouTubeよりご覧いただけます。
お金はどうやって増えるのか
中田:読書の秋ということで、今日は先生からお勧めの1冊をご紹介いただきたいと思います。
よろしくお願いします。
坂本:ご紹介したい本は、ロバート・キヨサキさんの「金持ち父さんのパワー投資術」です。
初めてこの本を読んだのは20代の頃、銀行員時代です。世の中のお金の流れがどうなっているのか、そもそもお金はどうやって増やしていけばいいのか、サブタイトルにもありますが、お金を加速させて金持ちになるということを解説してくれています。
僕はどうやってお金が増えるかに興味があって銀行に入りました。最初に営業で取り扱った案件が町の蕎麦屋さんのアパート購入でした。
蕎麦屋さんが2店舗目を出すからお金を借りるのであれば分かりますが、なぜ新しいアパートを買うのか、初めは意味が分かりませんでした。訳が分からずに書類作りだけをしていましたが、いろいろ調べていくと資産を作っていく方法だと分かりました。
不動産経営というかたちでお金を借りて、ローンの返済以上に家賃収入で自然にお金が貯まってくる。借入金が減ってくれば自分のものになる。こうやってお金は増やせます。この時、勉強をするために読んでいたのがこの「金持ち父さんのパワー投資術」です。
経営をしていくうえで、どのようにお金が増えるかを知っておくことは必須だと思います。経営者は、単に物の売り買いで売り上げを伸ばすのではなく、お金にもどう働いてもらうのかをしっかり考えていかなければいけません。そうでないといつまでたっても自分が労働をして、時間の切り売りをするかたちで収益を上げなければいけなくなってしまいます。若いうちはいいですが、年齢を重ねてくると難しくなってきます。
しっかりと戦略を組むことで、最終的にどのような状態になることが理想的なのかということがこの本には書かれています。
3つの投資でお金を増やす
坂本:この本では3つの投資を活用しましょうと解説しています。
ビジネスに対する投資、不動産に対する投資、そして株や債券など紙の資産の投資です。今だとFXや仮想通貨も入ると思います。3つを組み合わせて投資をし、ここで出た利益をまた再投資して膨らませていくというかたちです。僕はこの3つの流れが分かったことが大きかったです。
銀行員時代にいろいろな社長さんとお話をさせていただきました。銀行員の特権が何かというと、その人の資産状況を見ながらお話ができることです。どのような資産を持っているのかがリアルに全部分かります。気づいたことが自分のビジネスの収益と、不動産投資からの家賃収益と、人によっては株などの投資収益の3つをぐるぐる回している人が多いことです。人によって得意パターンがあるので、1個だけの人もいますが、2つないし3つやっている方が多かったです。
ただ、ビジネスをつくって、不動産をつくって、資産をつくっていきましょうということは学校では教えてくれません。銀行でもそれを教えてくれるわけではなく、銀行員でも全員この意味を分かっていないと思います。この本はそれを分かりやく解説してくれています。
ビジネスをするうえでお金が増える流れを知らずに、ただ売り上げを増やす、利益を増やすやり方だと、お金が増えても残りません。使って終わりになります。これでは本当のビジネスの成功、ゴールではありません。
インカムゲインとは?資産と負債の違いとは?
坂本:投資を考えるときに一番大事にすることはインカムゲインという継続収入を得ることです。投資は今儲けるかどうかが大事で、インカムゲインがちゃんと入るのかというところです。
インカムゲインと対立するのが、キャピタルゲインという安く買って高く売る考え方です。例えば不動産や株は、安く買って高く売るという値段差で儲ける方法です。ただ、絶対に値上がるものがあればいいですが、値段差で儲けるやり方は運の要素が入ってくる、とロバート・キヨサキさんは言っています。
不動産だと家賃収入とローンの差額で収益になるか、ビジネスだったらそこから入る収益が継続的なものかというインカムゲインを考えます。そして紙の資産、株などはキャピタルゲインなので一番難しいと言っています。
もうひとつ大切なのは資産と負債の違いです。資産はそれを持っていることでちゃんと収入が入ってくるものです。
よくある話が、自宅は資産になるのかということです。値段が上がる時代は良かったです。バブルの時は上がり、その後下がって、またコロナ前までは上がっていましたが、今後どうなるかは不透明な時代に入ってきました。
そこで言われるのは自宅は負債ということです。家を持っていても何も生まれません、むしろ管理コストや固定資産税がかかるので、家を持っていてもずっとお金は出ていきます。ちゃんと収入を得るとなると家賃収入が生まれるような投資用の不動産をもつことが正しいという考え方です。
その辺のことを学ぶにはこの本は最適な1冊だと思います。ぜひみなさんの参考にしていただけたらと思います。
お金の教科書
中田:このシリーズは人気で、銀行員時代の先生にとっては教科書だったんですね。
坂本:教科書的な本だと思います。シリーズで出ていて、どれから読んでいいか分からない方は、この「パワー投資術」はお勧めです。
本当は金持ち父さんシリーズで最初に読んだ方がいいのは1冊目の「金持ち父さん貧乏父さん」と2冊目の「金持ち父さんのキャッシュフロークワドラント」です。この2冊は良書で、世の中のお金の流れ、お金の増やし方が書かれています。キャッシュフロークワドラントは、従業員、自営業、ビジネスオーナー、投資家という4つの働き方があるという内容です。それぞれの世界の何が違うのかを解説しています。どこを目指して働くのか、ここの意識を持っておかないとずっと自分がいる既存の世界で生きていくことになってしまうので、どうシフトさせていくかが大事です。
この3冊を読んでおいてもらえれば、概要は分かると思います。
中田:禰覇さんいかがですか、経済学。
禰覇:お金の部分は学校では教わらないので、社会に出て自分で学ばないと入ってこない情報だなと身に染みて思いました。この前行った本屋さんの一角に、お金を貯めるにはという本が積みあがっていて、みんなここに関心があるんだとも思いました。お金に関する本はいっぱい出ていますが、どれを読んだらいいのか分からなかったので、今日お勧めが聞けたので読んでみようと思いました。
中田:ある程度ビジネスの収益が固まってくると、次のストックビジネスやフローを求め始めて、投資セミナーに出ている社長さんも多いと思います。
今さら聞けないことがこの本で解決できるかもしれないですね。
坂本:特にまだ勉強をされていない経営者の方やこれから会社をやっていきたいという起業家の方はお金をどう動かしていくのか、動いていくのかをしっかり考えておくことが大切な戦略になると思います。
もちろん、個別の銘柄でどれが儲かるとか、今この投資をやれば儲かるという話も大事です。しかし、そもそも論として、お金がどうやって増えるのかというところ、何を最終ゴールにするのかというところをやっておかないと変な投資話に騙されたりします。
投資話で騙されない方法
坂本:ビジネスをやっていると投資話がよく回ってきます。いまだに事件がありますが、結局金融のリテラシーが低いということなんですね。
被害があっても、双方の言った言わないのことになるので金融のことは事件になりにく、報道されていないものも多いです。僕も過去に100万円くらい損したことがあります。
おいしい話が来た時に、なぜこの人は私に話を持ってきたかという理由を理解しておかなければいけません。
例えば、配当を月5%出すよという話は、要は5%を金利として払わないとお金が集められない人です。経営者として営業利益から5%を出すことは結構大変なんですよね。それを出してでもお金を集めたいということは何か裏があるんじゃないかと疑ってかからないといけませんね。自分がそこまですごいポジションではないのに話が来るということは注意が必要です。
例えば、所有者が破綻するので銀行で不動産を売らないといけない、いい利回りの不動産があった時にどこに情報を持っていくかです。僕は銀行にいましたが、支店の中でお金を持っているお客さんのベスト3くらいに持って行きます。社長さんは投資のことも分かっているし、お金も借りられるので、そこで決まれば話をまとめるという感じです。だから、本当にいい案件が来るのはお金持ちのところです。お金を出せない人や投資が分からない人に話を持って行っても時間の無駄ですから。
50万円や100万円からできるよくある投資話は、額が小さくなればなるほど怪しいということです。要は小口で集めないといけないということです。本当にいい案件で集めるなら、1億なら1億持っている人に話を持って行った方が1発で決まるので早いわけですよね。そういう裏側も分析しながらやらないとお金を奪いに来る人がいくらでもいます。
リアル版金持ち父さん
中田:今日は秋の読書シリーズということで、金持ち父さんシリーズの話ですが、本だけでなく、先生は実際金融業界にいらっしゃったので、いろいろな社長さんのこともご覧になってきて、それがすごく学習になっている部分がおありになると思いました。
坂本:僕も最初は本の中だけの話なのかなと思いましたが、“あの社長はだからこれをやっているんだな”と分かるようになりました。
僕は銀行員時代に、すごく尊敬する商店街の主のような不動産屋の社長さんがいました。その社長さんもいろいろな不動産を購入してゼロから自分で資産を作りました。不動産屋さん自体は息子さんと奥さんとやっている小さな不動産屋さんですが、息子さんの一人は市会議員になったり、商店街の活性化などもやっています。ベースは不動産で安定した収益を作って地域貢献をしているというところです。
そういう社長さん見ていて、これがいわゆるリアル金持ち父さんなんだなと思いました。
金持ち父さん貧乏父さんはファンタジーの話ではなくてリアルにその辺を歩いている人の話です。
中田:本の内容をお話しいただいて、インカムゲインなどは識別が難しかったところなので基本的なことがすごく学びになりました。
お金のことは今さら聞けないことが多いと思うので、この1冊をぜひ読んでいただきたいですね。
坂本:経営者はインカムゲイン、いかに継続収入を作っていくかが役割だと思います。キャピタルゲインでどんと儲かると、特に初心者はそれを全部使ってしまうんですね。ベンツを買ったり、高い時計を買ったり、お姉ちゃんに使ったりしてしまいます。儲かっている間はいいですが、それもブームですから絶対に落ちてくるので、その後継続収入になるものに投資をしないと結局ダメになって苦しみます。
中田:投資家、浪費家ですね。
坂本:それは僕も経験をしたので、ちゃんと継続的な収入が発生するものに投資をしていかないと。今はサブスクリプションのモデルが流行っていますが、継続収入は小さいけれど積み重なると大きいので大事ですね。
中田:この1冊の本から先生のリアルな体験談をお聞き出来て、生きた学習の1時間だったと思います。
坂本先生、禰覇さんありがとうございました。
坂本・禰覇:ありがとうございました。
次回:【第91回】坂本憲彦のラジオ経営塾「読書の秋代二弾!【金持ち父さんのパワー投資術】から学投資に必要なのは「知識と関心」」
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