第28回 意外に見落としがちなリサーチの盲点

いつか起業を考えているけど、何から始めていいか分からない・・・
そう悩んでいる方へ。

起業家教育の専門家である坂本憲彦が、はじめての起業で成功するポイントを解説します。

今回は、「意外に見落としがちなリサーチの盲点」について、お届けしていきます。

Podcastの音声はこちらよりご視聴ください

PodcastをiPhoneやアンドロイドから視聴する方法は、
こちらをご覧ください。


http://www.fmnaha.jp/program/radio_kigyojuku/

起業家に求められるリサーチは2つ

森川 今日も、立志財団の副理事長の三木さんにお越しいただきまして、起業についての秘訣やアドバイスを頂ければと思います。

今日お尋ねしたいことは私に相談に来られる方で本当に多いんですが、自分はこれが良いと思っているから、えいや!でやってしまう事が結構あるようで、そういう想いはもちろん大事だと思うのですが、リサーチというか事前にこういうことをした方がもっといいのになって感じることが多いのです。ですから今回はリサーチについて三木さんからアドバイスを頂ければと思います。

三木 はい、ありがとうございます。

森川 三木さんも実際リサーチはご自分のビジネスを立ち上げた時にされたと思いますが、どうでしたか?

三木 そうですね。僕は最初にビジネスを立ち上げた時、リサーチは大事だってよく言われてましたが、本当の意味でリサーチの大事さって全然わかってなかった部分があるんですね。

森川 振り返るとっていうことですね。

三木 そうですね、振り返るとなんですけど。

それでちょっと紆余曲折して、売上が上がるまで結構時間がかかってしまったのです。ですから今だとリサーチの大事さがすごく分かります。僕はリサーチって2つあると思うんですよね。

森川 2つですね。

三木 例えば自分のお客様が誰なのかっていうターゲット層に対してのリサーチ。

森川 お客さんを知るっていう所ですね。

三木 そうですね。どんな人がお客様になって何を望んでるのかっていう、対お客様に対するリサーチ。

もう1つは、自分と並列に並んでる競合他社、ライバルですよね。その人達のリサーチっていう、この2つを並行して進めていかないといけないなっていうのは強く感じますね。

森川 なるほど。その2つどちらかだけでもリサーチには不完全っていう感じなんでしょうか。

三木 そうですね。すごく不完全ですね。例えばどの方がお客さんになるのかって調べるのはめちゃくちゃ大事なんですけど、そこだけで止まっちゃってすぐビジネス発進する人がいるんです。ただ周りの状況がどうなってるのか知らないと、せっかく頑張ろうとしても、自分の顧客にしようとしてるターゲットが他に食われて行ってしまう。自分より秀でているものを持ってるライバルって結構たくさんいますので、いくらやっても空回りみたいな感じになると思うんですよね。

森川 それはもうライバルとかの事を知らないので、そういう状態になってしまうっていう感じなんですかね。

三木 そうですね、はい。

森川 そう聞くと、ライバルのリサーチってすごく大事だと思うんですけれども、逆にライバルのリサーチの仕方とか、こういう結果を求めてリサーチをするとかっていうアドバイスはありますか?

 

ライバル会社をリサーチするコツ

三木 そうですね。私は実際にやりましたけど、まず本当に競合他社のホームページを片っ端から調べるんですね。例えばこれにはコツがあってですね。僕はブログ中心でやってますが僕のブログを、来て欲しいお客さんがどういうキーワードで検索してるのかをイメージして、キーワードプランナーっていうGoogleのサービスがあるんですがそこでキーワードも調べながらやるんです。そのキーワードで検索窓をたたいてみた時に、いくつかライバルが出てくるはずなんですね。

森川 あーそうですね。

三木 そのライバルたちを上から順番に片っ端から見ていくんです。

森川 はい。

三木 だいたい、検索って1ページ2ページくらいで終わらせちゃうことが多いと思うんですけど、僕はだいたい15ページから20ページくらいですね。

森川 数で言うと相当ですよね。

三木 相当ですね。

森川 1ページに10社くらい?

三木 10社くらいですね。

森川 掛ける10っていう事ですもんね。

三木 そうですね。

森川 徹底したライバルリサーチって感じですよね。

三木 そうですね。なぜそこまでやったかって言うと、そこまでやらないとどの競合他社が強みがこれで、どの競合他社がこれが足りてないっていうのが全然わからないんですよね。

森川 なるほど。

 

リサーチで自分に足りないものを作り上げていく

三木 やっぱり大事なのは、競合他社を調べていく中で、このライバルにはこの強み、これを売り出してるんだな。このライバルはこれが無いなって吸い上げていって、自分に足りないものを作り上げていく感じかなと思いますね。

森川 足りないものですね。

三木 はい。例えば、僕の例で言うと、パニック障害という心の病の専門家をやっているのですが、出張カウンセリングをしてる競合他社が一人もいなかったんです。

森川 カウンセリラーはみんな往診というか、来てもらうという事ですね。

三木 そうです、そうです。ルームに来てもらうか、メールか電話かっていうだけだったって事に気づいたんですね。

森川 確かに言われるとカウンセラーさんって、カウンセラーさんだけじゃなくてお医者さんとか診療所とかは、小さな村だったら行くとか、自転車に乗っていくっていうのあると思うんですけど、あんまり普通に最近そういう話は聞かないし見ないですよね。

三木 そうなんですよね。

森川 それが調べた結果、そういうのが無かったんですね。

三木 そうなんですよね。やっぱり、これ私のお客様というかクライアントさんもそうなんですけど、外に出れない方が結構多いので。外に出れないというニーズがあって、でもカウンセリングは受けたいという。

でも競合他社調べたら、出張をやっている所がないって分かって、これはもう強力なUSPだなと思って、それもう大々的に。

森川 そうですね、そうですね。オンリーワンですもんね。

三木 そうなんです。今でこそ結構真似されちゃってますけど。最初の方はそれの依頼は多かったですね。

森川 なるほど。今自分ができることの中で、何か強みになるとか選ばれる理由とか独自の売りとかになるものっていうのをヒントにライバルのリサーチっていうのが非常に有効だったっていう感じがすごくお話しを伺ってしたんですね。

今のお話しを聞くと、無理にお金とか時間をかけて新しいノウハウ、スキルを身に付けたわけじゃなくて、単に呼ぶか行くかの、行くかっていう選択をしただけっていう。

三木 そうですね。

森川 ちょっと言葉良くないかもしれないですけどね。

 

リサーチは競合他社がやっていなくてニーズがあるもの探し

三木 いえいえ。本当にでもその通りだったんですね。周りがやってなくてニーズがあるものをただバッと出しただけっていう。お金もかからずにノウハウを買ったわけでもないみたいな。すぐできるっていう事ですね。

森川 と言うと意外にあれかもしれないですね。ライバルとかがあまりにすごくて、いや自分はできないかなっていう風にちょっと誰でも弱気になっちゃう事ってあると思うんですけど、そういった事も今の三木さんの例にならって、ライバル見てたら意外に自分が勝てる土俵みたいなのがあったりして、今すぐできてお金もかからない、すぐできますみたいなそういうのが結構あったりするんですね。

三木 そうですね。やっぱりリサーチする時もそういう所を細かく見ていくっていう癖をつけるっていうのは大事だと思うんですよね。

森川 競合に不足しているけどお客様は望んでいるであろうことっていう。

三木 そうですね。そこで初めて2つ、お客様のニーズと競合他社がやってないってことを2つ調べ上げないとこれは絶対にわからない。

森川 なるほど、そうですね。逆にその2つをしっかり自分で調べて、自分でできることっていうのを考えたら、それだけでって言うと言葉がオーバーかもしれないですが、起業家としては後輩かもしれないけど、先輩たちとも全然戦っていけるというか。

三木 もう全然戦っていけますね。

森川 あーなるほどなっていうのが、すごく今お話しを聞いてて思いました。

三木 ありがとうございます。

森川 いえいえ。今回のそもそもの話になってしまいますが、意外にそのリサーチに見落とされがちな盲点があるんだなっていうのを今お話を聞いて思いまして、調べるのは当然ですが、ライバルたちを合わせてすることで、自分が戦える土俵っていうのが明確になる事をすごくわかりやすく聞かせて頂きました。

三木さん今回もありがとうございました。

三木 とんでもないです、ありがとうございます。

森川 また次回もよろしくお願いいたします。

三木 はい、ありがとうございます。よろしくお願いします。