経営の方法は十人十色!大切なのは「信念に対する想い」事業継続で変えてはいけない部分、変えてよいものとは?
毎週日曜朝9時半から、FM那覇で放送中の『坂本憲彦のラジオ経営塾』。起業家の専門家、坂本憲彦がはじめての起業で成功するために大切なポイントをお届け。沖縄で起業したい人を応援するラジオ番組です。
今回は2020年の振り返りをしながら、長く続く経営の方法について坂本憲彦氏に答えて頂きます。ゲストに来ていただいた経営者様のお話を通して、経営者に大切な“信念”のビジネスと、事業継承についてお伝えしています。
こちらの音声は、Podcastよりお聴きいただけます。
動画は、下記のYouTubeよりご覧いただけます。
経営者の物語から学ぶ“信念”のビジネス
中田:今年はたくさんのゲストの方に来ていただきました。今年最後の放送となる本日は、振り返りをしながら、印象に残ったゲストの方のお話をシェアしていきたいと思います。
坂本先生いかがですか。
坂本:今年からラジオ経営塾というかたちでスタートして、沖縄の地元の経営者さんもそうですし、立志財団の中で活躍している経営者さんにもご参加いただきました。コロナの時代なので、ビジネスモデルが変化したり、経営状況が変わったという方も多くいらっしゃいましたが、皆さんに共通していたのは、信念を持っているということです。
沖縄電子の宮城社長やエーツーサインの永吉社長にも出ていただき、2人も会社に対する想いや理念を大事にされていましたし、立志財団の中で来ていただいた方々も自分たちの信念というものを大事にしていました。そんな経営者さんの生の声を聞けたことは学びになりました。
中田:キーワードは“信念”、先生がよく言われる“志”が固いんだな、深いんだなということを私も感じました。
坂本:軸の部分をしっかり持たれている方が、こういう変革の時代も残っていくと思いました。
中田:これはほんと共通点ですね。この時代の流れもありますけれど、志経営をされている経営者様が、すごく頑張っていらっしゃると確かに思いましたね。
禰覇さんは印象的だった経営者さんはいらっしゃいましたか。
禰覇:女性の起業経営のビジネスを応援されている飯田優子さんですね。飯田さんご自身が独立されたという一つのかたちを見せてもらったことが印象的でした。男性と視点が違うということもあったので、女性が起業していく上での学び、気を付けるべきことなど、私は目からうろこで吸収するものがいっぱいありました。
中田:分かります。今年は女性の経営者様にも何人もご参加いただきました。確かに男性の経営者様とは違う、ソフトでしなやかな強さみたいな、でも志は強いと感じました。
禰覇:そうですね。やっぱり皆さん想いにしっかり芯があるというか、伝わってくるものが大きかったなと思います。それがあるからこそいろんなことをやりつつも軸がぶれないなと感じました。
中田:今20代の禰覇さんからすると、今年のラジオのゲストさんはいろんなロールモデルにお会いできたという感じですかね。
禰覇:まさにそうですね。世代が違ったり、やっていらっしゃる事業も全く違ったりする中で、こういうやり方があるんだとか、こういう考え方があって、どういう風にそのきっかけに辿り着いたとか、話を聞いて初めて知ることがいっぱいあったので、いろんな人の物語をみれたいい機会でした。
成功者が実践している音声から学ぶ経営
坂本:こういう起業家さん、経営者さんの生の声を聞けることは、本当に学びになると思います。ご興味がある方はぜひ、ホームページを見ていただくと過去の音声も聞けます。成果を出している人の考え方に触れることはすごく大事だと思います。
僕は昔、音声学習をやっていました。いろんな講演やセミナーの音声を、通勤中に流して聞くんです。アメリカの経営者で成功している人は、車の中で講演の音声をよく聞くと言われています。流し聞きするだけでも自分の潜在意識に入ってきて、そういう考え方に合わさっていくということがあります。今回僕もいろんな方とお話をさせていただいて、刺激を頂きました。
中田: 先生がおっしゃった通りで、実際に今、命を懸けて経営をやっていらっしゃる方の一言一言がすごく重い、宝石のような言葉というか。今悩んでいる人が聞いたり、私達もそうなんですけれど、勇気をもらえる話題が多かったなと思います。
禰覇:機会がないとこうやっていろんな人の声を聞くことはなかなかないので、ぜひ皆さんに何度でも聞いてもらいたいですね。
中田:今起業しようかなと思っていたり、起業3年目の悩んでいらっしゃる方、あと今回は2代目事業承継の思い出を話された社長さんもいらっしゃいました。アーカイブごとにまとめられているので、ロールモデルから見通しを学ぶという意味でも、ぜひこの番組をご利用いただければと思います。
創業社長に学ぶ長く続く経営の方法
坂本:僕は別のところでもう一つ、創業者倫理塾という企画をやっていて、そこでもいろいろな経営者さんのお話を聞かせていただいています。そこで今回、創業して50年くらいの会社の社長さん、いわゆる創業社長さんのお話を何人か聞かせていただきました。皆さんだいたいおっしゃっていたのが、7,8年くらいで事業が変わってくるということです。今回のコロナ危機もそうですけれど、その前はリーマンショックがあったり、バブル崩壊があったり、いろんな節目節目でこういう大きな転換点ってくるんですよね。そういう転換期や会社のビジネスモデルに合わせていく時に、皆さん会社をつくり変えているとおっしゃっていました。
事業をやっていく時に、立ち上げの時期は大変ですけれど、立ち上げてから7,8年経つことでまたリニューアルをしていく、つくり変えていく。会社は生き物であるという認識をしていく必要があると思います。我々が年齢を重ねると変化するように、会社も人の集まりなので変化してくるというところです。どういう変化をさせていけばいいのか、どういうヒントがあるかということを、いろんな方の成功談とか失敗談を聞くことで参考になると思います。僕もヒントをいろいろ学ばせていただきました。
中田:先生は指導者であって、経営者でもいらっしゃいます。今年もいろんな出会いや学びの機会をご自身で準備されていたということで、印象的だった方との出会いはありましたか。
坂本:僕が一番印象的だったのは、創業者倫理塾でインタビューをさせていただいた、リブランの鈴木会長です。一代で50年続く不動産の会社をつくられました。その社長さんが、不動産の会社もだいたい7,8年経ったらつぶれるとおっしゃっていました。不動産は稼ぐ額が大きいので景気が良いときは一気に上がっていきますが、景気が下降局面に入ったときにマイナスの方も大きくなる可能性が高いんです。そこで事業を生まれ変わらせているということでした。
今は2代目の息子さんが事業承継をされていますが、そういう社長さんも理念が大事だとおっしゃっています。社員さんには“会社に出社するんじゃなくて地域に出社しろ”と言っている、こういう他者を大事にしている会社さんが今後は残っていくんだろうなと思います。
単に私利私欲で自社だけが儲けたいという会社は2,3年はいいと思うんですよね。売り切って、逃げ切ってみたいな感じのビジネスモデルもあると思うんですけど、このコロナで見直されているのが日本型の経営、従来型の経営です。今までの西洋型の経営、資本主義が大きいアメリカだと、企業の平均寿命が15年で、30年もたないと言われています。結局、利益を出すところだけに目がいってビジネスモデルを吸い尽くしてしまいます。それがこのコロナで、今まで経済一辺倒だった価値観が命の大事さに気づかされました。これからの起業経営というのは単に自社の利益だけじゃなくて、社員はもちろん地域とか国とか世界に貢献できる、そういう事業になっているかが長く発展していく上で大事だと思いました。
事業承継で変えていくものと変えてはいけないもの
中田:先生のお話から思い出したことをお話しても大丈夫ですか。このラジオはコミュニティFM那覇、沖縄県から発信されていますけれど、離島である沖縄県は人口が少なくて、その中で一代目の社長様が高齢化して事業承継が難しいケースが多いと伺いました。問題はその一代で終わってしまうこともですが、その地域にその業種のサービスが1店舗しかなくてそこが閉業してしまうことです。事業承継は会社のみの問題ではなくて、地域に対する会社、経営者が果たす役割もあると思います。この問題は、人口が少ないところ、高齢化しているところほど多かったりするので、会社や経営が地域に果たす役割は今後大きくなってくると感じたお話でした。
坂本:沖縄は戦後の復興世代の方々が、今まで会社経営や起業の主流になっていたと思いますが、2代目3代目と引き継ぐときの課題があると思います。変えていく部分と変えてはいけない部分を考えることです。今はネットが普及したり、やり方もいろいろ変わっているので、変えていく部分は時代に合わせて。全部変えてしまうと本来持っていた良さもなくなってしまうので、創業時の想いや、人のためにやりたいとか、そういう想いは変えずに。そういったところを今後2代目3代目の方にもお伝えできるといいかなと思います。
中田:志を委譲するという感じですかね。
坂本:うまく受け継いでいけるといいなと思っています。一つ例で、ゲストに来ていただいた、おじいちゃんが和菓子屋さんの金子さん。お父さんの代まで受け継いだ後廃業して、ご自身は企業研修をされています。金子さんは和菓子屋さんをすごく継ぎたかったらしいんですけれど継げなかったと伺いました。そこで、おじいちゃんやお父さんの想いは継げるのではないですかというお話をしました。和菓子を通じてどういう人に貢献したかったか、そういう想いを継いで、今の自分の仕事に活かされるといいんじゃないですかとお伝えしたら、腑に落ちていたようでした。ビジネスモデルが変わったとしても、先代の想いを受け継いでいく。今の世代の人達は今のかたちのビジネスモデルにその想いを合わせて変えてやっていくのが大事かなと思います。
中田:想いと志は変わらずに受け継いで、時代の流れの中でビジネスモデルの工夫が必要。情報は新しいものをキャッチしながら更新をし続けていく、学び続けていくという努力が大事ですね。
坂本:そういう事業承継を今後伝えていきたいと思っています。事業承継はどうしても世代間の対立になったりするんですけれど、その受け継ぐ部分と変える部分をどちらもしっかり明確になるといいのかなと思いますね。
2021年の立志財団
中田:お会いになった経営者様や、今年の学びで印象的だったところをシェアいただきました。
先生ご自身の今年の気づきの中で、自分の時間をいか捻出するか、ということをおっしゃっていましたが、これはまた来年の新しい課題になるんでしょうか。
坂本:僕はまだ45歳なので後継者というのはまだこれからの状況ですが、そこも見据えたいと思っています。この立志財団を立ち上げさせていただいたのも、志をもった起業家の育成を僕の代で終わらせたくないというのがあります。そのためにも次のリーダーを育てていかなければと考えています。今までは僕一人が頑張ってがむしゃらにやっていた部分があったんですけれど、これからはどんどん次の世代の方々にリーダーとして頑張ってほしいと思っているので、僕の代わりにやっていけるような方々を育成することを目標にして来年はやっていきたいと思っています。
中田:そのために時間を捻出する、クリエイティブな時間を増やしていくということですね。
坂本:時間がないと考える作業ができないので、そこを中心にやっていくというかたちですかね。
中田:ぜひ先生が取り組まれている内容をシェアしていただけると私たちは多くの学びになります。
坂本:ぜひ僕も自分が体験したこと、経験したことを皆さんにシェアしていきたいと思います。上手くいったこと、いかないことをいろいろアドバイスさせていただいているので、自分がまず実践しないと、というところがあります。その実践を皆さんにシェアしていきたいと思います。
中田:禰覇さんに、坂本先生の大好きなポイントは何ですかと聞いたら、転んじゃったこと、すべっちゃったこともかっこつけることなく全部開示してくれることだって。これは定評がありますよね。
坂本:ありがとうございます。僕のタイプとしては先に行って皆さんの前に転んで、転んだことが皆さんの参考材料になればいいかなと思っています。器用になんでもできればいいんですが不器用なので。こうやったら失敗するんだよって身をもって体験をして、それをシェアさせていただきながら、皆さんはなるべく転ばないようにしていただけたらと思います。
中田:禰覇さん、来年の坂本先生とのお話がより楽しみになりましたね。
禰覇:なりましたね。失敗も成功も聞けると疑似体験じゃないけど、頭の中でなるほどと思うので、すごい参考にさせていただいています。
坂本:ありがとうございます。ぜひ参考にしていただけたらと思います。
中田:FM那覇ラジオ経営塾のアーカイブでも、多くの経営者様の声を学びのひとつ、そしてモチベーションのひとつとしてお聞きいただくことができます。坂本憲彦のネット検索でもいろんな情報、Facebook等々で、立志財団が出てまいります。ぜひこの年末年始のお休みにご自身の大事な時間として学びのお時間をもっていただけたらうれしいなと思います。
改めまして、坂本先生、禰覇さん、2020年多くのことがありましたが、ありがとうございました。
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