起業したい時の後悔しない相談先の選び方。誰に何を相談するかが大切!
コロナで働き方が変わり、起業に関心を持っている人が増えています。
ですが、初めての方にとって起業は未知の世界。分からないことだらけで不安が大きく、なかなか一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
そんな時に大切になるのが、適切な相手に相談ができることです。
今回は1万人以上の経営者・起業家を指導してきた坂本憲彦氏に、起業をするために確認しておきたいポイントや、相談先の選び方を伺いました。
起業を考えているけれど誰に相談をしたらいいか分からない!という方はぜひご参考にしてください。
起業をする時に相談しておくべきこと
初めて起業をする時は、そもそも何を相談したらよいのかから分からない方がほとんどだと思います。
まずは相談するべき内容を確認していきましょう。
起業をするための準備段階は大きく2つに分けられます。
それぞれの段階で相談するべき内容を説明していきますね。
ビジネスモデルを明確にする
まずは自分が何で起業をするのか、ビジネスモデルを確立する段階です。
どのようなビジネスアイディアがあり、どのように運営をしていくのか、基盤となる事業計画が必要です。
起業の知識がない状況で事業計画を一人で作ろうとすると大変ですので、専門家に相談しながら作成するのが良いでしょう。
特に相談すべき3つのポイントについてご説明をします。
〇コアコンセプト
事業の目的、内容、誰に売るのか、独自の売りは何か、といった事業の核となる部分です。
ここがしっかりできているかどうかで売れる商品やサービスになるかが決まります。
自分のやりたい事業が成功するものになるか、専門家目線で見てもらうと安心です。
〇売り上げの見通し
事業をやるうえで利益は欠かせない部分です。
どのくらいの期間でどれくらいの売り上げをつくるのか、
会社を辞めて事業を始める方は、売り上げがない期間の生活費はどうするのか、など
具体的な数字の目標を立てておく必要があります。
経済面の計画をしっかりと立てておくことが事業を継続できるかのポイントになります。
〇行動量と時間
売り上げの目標が決まったら、行動量とそれにかかる時間を考える必要があります。
自分の商品・サービスで目標の売り上げをつくるためには、どれくらいの行動が必要か、それはどれくらいの時間がかかるのか、行動レベルで考えていきます。
副業で事業をやる場合は主にやっている仕事との両立が可能なのかも考えます。
どの項目も従業員として働いている時には考える機会がなかったものだと思います。経験がないと難しいところですので、専門家に相談をするのがよいでしょう。
必要な手続きを確認する
ビジネスモデルが明確になったら、事業を始めていくために手続きをする段階になります。
主な手続きは
〇会社を設立するための手続き:開業届、登記申請、開業に必要な資格 など
〇財務関係の手続き:税務、補助金 など
〇職種によって必要な手続き:許認可 など
職種によって必要な手続きが違うため、自分に必要な手続きの種類と、手続き方法について知っておく必要があります。
起業の悩みを相談できる機関
起業に関する全般的な知識を相談できる5つの相談先をご紹介します。
商工会議所
商工会議所は全国に500か所以上ある、商工業の発展・改善を目的とした団体です。
地域を基盤としており、あらゆる業種や業態の商工業者の方が在籍しています。
事業支援サービスとして、税務、金融、労務といった経営の基本的な相談から、取引・販路開拓といった事業の発展に関する相談までのってくれ、必要時、弁護士や税理士、公認会計士などの専門家も紹介してくれます。
経営指導員が起業や経営に関する全般的な課題解決をサポートしてくれる場所です。
よろず支援拠点
よろず支援拠点は、国が全国に設置する経営相談所です。
様々な分野の専門家が在籍しており、経営課題に合わせた専門家チームが本質的な課題の明確化と適切な解決策を提案してくれます。
課題の大小問わず、創業時の悩みや売り上げ、商品開発、後継者の問題まで多岐に渡る悩みに対応してくれます。
日本政策金融公庫
起業や経営に役立つ情報提供を行っています。
これから起業をする人や起業間もない人向けに経営のノウハウなどを教えてくれるメールマガジンの配信や定期的にセミナーを開催しています。
全国に支店があり中小企業診断士の相談や、創業計画書、融資について教えてもらえる窓口も設置されています。
電話やオンライン相談にも対応しています。
中小企業基盤整備機構
起業のステージに合わせた幅広い支援を展開しており、各地域の自治体や支援機関と連携しながら、起業の成長を支援する団体です。
各分野の専門家が中小企業の経営に関する課題や悩みに対応してくれます。
また、事業活動に必要な助言、研修、資金の貸し付け、出資、助成および債務の保証なども行っています。
全国9か所に相談窓口を設置しているほか、電話やメール、オンラインでの相談も受け付けています。
立志財団
立志財団は坂本氏が運営する起業家コミュニティです。
志ある起業家を育成する教育機関として、セミナーや研修、コンサルティングなどさまざまな活動を行っています。
各分野の専門家が在籍しており、自分のやりたいことを見つけてビジネスモデルを作るところから、実際に事業を稼働させた後の手続きや相談まで幅広く対応しています。
これから起業をしたいと考えている方、既に起業をしていて発展させたい方、どちらの方に対してもサポート体制が充実しています。
誰に何を相談するかが大切
起業に際して発生する手続きや疑問、悩み別に相談できる専門家をご紹介します。
起業自体に関することは起業家
ビジネスモデルやマーケティングのポイントなど起業に関する全体的なやり方や起業の流れは、起業家に相談することをオススメします。
起業をした人でなければ分からない情報がありますので、実際に自分で起業をしている人に聞くのが一番です。
身近に起業している人がいないという場合は起業家同士の交流を目的としたイベントも行われています。立志財団でも毎月交流会をやっていますので、ぜひご活用ください。
税務・会計に関することは税理士
税務や会計関係の処理や手続きは複雑です。
税務の専門家である税理士に相談することで安心して起業ができます。
設立に必要な費用のことから、確定申告、節税についてのアドバイス、助成金や補助金、融資等の相談もできます。
法律に関すること全般は弁護士
経営をしていくうえで法律問題は避けて通れません。
法律が関わる手続きやトラブルはこじれると大きな問題に発展する可能性があるため、起業前にいざという時の対処法や契約書作成のポイントなどを相談しておくとよいでしょう。
そして、なにかトラブルが起きた時は早い時期に弁護士に相談することでスムーズに対処ができるので、気軽に相談できる弁護士がいると安心です。
起業の手続き・助成金に関することは司法書士・行政書士
起業をする際に必要な手続きについての相談先は、司法書士や行政書士です。
司法書士は会社設立までの書類作成・申請の手続きをすべて任せることができます。登記手続きは司法書士にしかできません。
行政書士は許認可手続きを代理で行ってくれます。許認可は定期的に更新手続きが必要となるため、更新頻度や手続きを熟知した行政書士に依頼すると安心です。
会社設立に必要な手続きについては司法書士、許認可が必要な特定の業種の方は行政書士に相談するとよいですね。
自分に合った相談先を選ぶポイント
相談先を決めるうえで大切なのは、自分が今起業するためのどの段階にいるかを把握することです。
最初に“起業をする時に相談しておくべきこと”でお伝えしましたが、自分がビジネスモデルを明確にする段階なのか、実際に事業を稼働していくための手続きをする段階なのかで相談先が変わります。
手続きに関してはネットにも情報が載っていますので、自分で調べて行うことも可能です。ただし、時間と労力がかなりかかりますので、先ほどご紹介した各専門家に相談するとスムーズです。
自分に必要な手続きが分からない場合にはまず相談機関で確認をし、
各種手続きの方法が分からない場合にはそれぞれの専門家に相談するとよいでしょう。
ビジネスモデルを確立する段階の方は、それぞれ方のやりたいこと、経営目標などでやるべきことが変わってきます。つまりネットに答えはありません。
そして司法書士や弁護士、税理士といった専門家は、必ずしも起業を熟知しているわけではありません。
経営に関わる知識を身に付けている中小企業診断士も、一般的な経済学や運営管理、法務のことは学んでいますが、実は実際の営業については知らない場合が多いです。
つまり、専門家の方は起業に関する法的なところに関してはとても頼りになる存在ですが、実働の面では専門外のため、実際に起業をしている起業家に相談することをオススメします。
起業家を選ぶときにもポイントがあります。
起業コンサルには2種類あり、“起業のノウハウ”を教えてくれるところと、“起業のマインドセット”を教えてくれるところがあります。起業のやり方が分からないのか、そもそもアイディアが固まっていないのか、で選ぶべきコンサルタントが違います。
時々高額商品をはしごしてしまう人がいますが、そのような方は要注意です。結果が出ないからと売れるノウハウを求め続けていろんな高額商品に手を出してしまう人に必要なのは、ノウハウではなくビジネスマインドです。自分のビジネスの課題と商品内容を照らし合わせて選んでくださいね。
起業のアイディアか、やり方か、手続きか、ご自身のビジネスの課題に合わせて相談先を選ぶとよいですね。
悪徳コンサルに騙されないポイント
世の中にはたくさんの起業コンサルや起業セミナーがありますが、中にはでたらめな情報を高額で販売するような悪徳コンサルも存在します。
そういった悪質なビジネスに騙されないように、相談先を見極めるポイントをお伝えします。
①経験年数
多くの起業コンサルは3年程度で消えています。
その理由は、コンサルがマインド面の悩みに対応することが多いため、ノウハウだけでやっていると行き詰まってしまう大変な仕事だからです。
自分自身が起業で上手くいったためコンサルを始めてみたけれど、違うことがやりたくなってやめてしまう、という人が多いのです。
つまり、継続年数が長いということはそれだけコンサルにかける想いがあり、力もあるということなので信頼してお任せができます。
ただし、SNS系など新しい分野に関しては若い人の方が得意ということもあるため、コンサルの内容と照らし合わせながら選択をしてください。
②実績
指導者本人の実績ももちろんですが、生徒さんがどのような実績を出しているかを見ることが大切です。自分が成果を出せることと、指導をした人が成果を出せることは必ずしもイコールではありません。どれだけの指導力があるかの見極めポイントになります。
実際参加した人の声も参考にしてみてください。
③過剰広告
過剰な売り上げアップをキャッチコピーにしていたり、「絶対に儲かる」とうたっているところは要注意です。広告だけをうのみにせずに必ず中身を確認してください。
④高額商品
50万円以上のサービスは慎重に考えてから購入してください。
高額なものが全て悪徳というわけではありませんが、受けることで将来的に自分にリターンがくるような内容なのかを考慮してください。
また、本当に自分に必要な内容なのかも考えてみてください。
今はネットで多くの情報を得ることができます。相談する前にまずは自分で調べてみて、それでも得られない情報なのかどうかを確認する必要があります。
⑤サポート内容
サポートがメールでのやりとりだけ、直接話せる個人面談は期間中1回だけなど、サポート体制が薄いと成果が出せません。
情報を得るだけであればネットを見れば収集できます。
大切なのは自分のビジネスモデルならどうなのかというところなので、サポートは実際にしっかりとやり取りをしてくれるものを選んでください。
特に①経験年数と②実績は重要なポイントですので、ぜひチェックをしてみてください。
まとめ
起業をするときに相談すべきことと、相談先の選び方についてお伝えをしました。
まずは自分の悩みがビジネスモデルをつくる段階にあるのか、手続きをする段階にあるのかを把握することがポイントです。
ビジネスモデルについては起業家に、手続きについては各種専門家に相談しましょう。
立志財団ではビジネスモデルについても、手続きについてもトータルでお答えします!
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ぜひご活用ください!