事業を成功に導くビジネスプランの作り方!人の心を動かす書き方とは?
ビジネスプラン(事業計画)をあなたはどのように活用されていますか?
補助金の申請や、融資を受けるために作成をされている方も多いと思います。
もちろん、資金を得ることも活用方法のひとつではありますが、本来の目的はビジネスのもっと根本的なところにあります。その目的を理解することで資金を得るときに役に立つだけでなく、事業の成功に繋がります!
今回は1万人以上の起業家を指導した実績のある、起業経営の専門家である坂本憲彦氏に、そもそもビジネスプランとは何なのか、意義と活用方法や作成時のポイントを伺いました。
これからビジネスプランを作成される方も、そもそもビジネスプランがよく分からないという方も事業の成功に繋がるプラン作成についてぜひご参考にしてください。
ビジネスプランとは
ビジネスプランとは、事業を成長させて倒産しない会社をつくるための『ビジネスの設計図』です。
家を建てるときには必ず設計図を作りますよね。
設計図なしにその時の気分で家を建てたら、住みにくかったり、崩れやすい家になってしまいます。
ビジネスも同様で、計画なく行き当たりばったりの経営では倒産確率が高いのです。
特に計画の有無はうまくいかなくなった時に大きな影響が出ます。
何か不測の事態が起きた時にもビジネスプランを立てていれば、計画を見直して軌道修正を図ることができます。しかし、全くベースがない場合、修正の方法が見つけられずそのまま倒れてしまうのです。
実は国もビジネスプランの作成を推奨しており、それが補助金政策です。
国としては事業が成長しないと雇用が増えず経済も活性化しないため、事業を拡大させていく中小企業や個人事業主を増やしたいと考えています。
ビジネスプランがないと上手くいかない会社が多いことは明らかになっていますが、計画を立てて経営している会社はまだまだ少ない現状があります。
そこで、国の成長戦略として事業計画をつくる会社を増やすため、きちんとした計画を立てた会社を応援しますというのがこの補助金政策なのです。事業を失敗させないための国のやさしさとも言えますね。
つまり、ビジネスプランの本来の目的はあなたが自分の会社をうまく運営していくことにあります。そして補助金の申請などで作成する書類は、そもそも申請用に作成するのではなく、もともと作っている計画を見せてくださいねということなのです。
ビジネスプランの必要性
①会社を維持・運営する
会社を経営していくうえで、自分だけががうまく仕事をできても成り立ちません。社員がきちんと会社の方針に沿って働いてくれることが必要です。
そのためにビジネスプランは、会社の理念や目的は何か、現在はどのように動いていて、今後の展望は何か、そのためにあなたに何をしてもらいたいのか、といった会社の方向性を伝えていくために役立ちます。
社員に定期的にビジネスプランを伝えることで、全員が同じ目的に向かって働くことができ、会社の発展に繋がるのです。
会社が向かっている方向性が分からないと、社員は不安になり離れていきます。社員を導いていくために社長の一番大切な仕事と言えるでしょう。
②人を集める
就職先を決める時に、会社の5年後、10年後が見えないと将来の不安から一緒に働こうと思えません。ただ、将来の夢を語ってはいても、それが絵空事で理想ばかりでも人はついてきてくれません。
計画的にビジネスを考え、商品とサービス、収益の獲得方法、人員配置や資金の調達、運用モデルなど実現可能な仕事の内容を具体的にしたうえで未来を示し続けること、安心に繋がり人が集まる会社になります。
ビジネスプランはビジョンを伝えるための手段であり、信頼を築くことにも役立ちます。
③融資を受ける
銀行は100%お金が返ってくる事業でなければ融資をしてくれません。
どのような事業をやっていて、それはどんなニーズがあって、どうやって収益化するのかなどを説明し、利子をつけて返せることを理解してもらう必要があります。
これは投資家も一緒で必ず利益があると確信したものでなければお金を使ってくれません。
ビジネスプランをきちんと作っておくことで、利益が出る具体的な根拠を示し相手に協力を求めることができます。
ビジネスプランの書き方
坂本氏が運営する起業家コミュニティ立志財団ではビジネスプランとして『100年大計』という計画の作り方をお伝えしています。
100年大計とは、100年後、自分が亡くなった後も孫の代まで続く自分の想いのこもったビジネスの計画です。
長く続く事業にするための要素、人に伝わるビジネスの要素が詰まった内容ですのでご紹介します。
1.真志命
人生の目的、あなたの生きる意味
2.経営理念
会社の存在目的、どんな会社をつくるのか、ビジョン
3.コアバリュー
会社が大切にしている価値観
4.行動指針
経営理念を実現するための行動の基本方針
5.超長期構想
100年後の世界を考えて、そのための10年後の構想を考える
事業を通して何を残していきたいか、世界をどう変えていきたいか
6.ビジネスモデル
ビジネスコンセプト、セールスフロー、組織体制
まずは5年後10年後のビジネスモデル
7.経営数値目標
売り上げ、粗利、KPIなど5年~10年の経営目標
数字にならないものは実現しない
8.経営方針
経営の具体的な方針、会社のルール
9.年間スケジュール
毎年行う必要のあるものはスケジュール化する
10.実行計画
3~6か月の実行計画
半期または四半期の実行計画
商品、集客、営業のタスクとともに問題点、解決策もタスクに入れ、数値目標を考える。
11.社長の想い
なぜこの計画を実現したいのか、あきらめない理由
ビジネスプランは一度作ったら終わりではありません。
できれば半年に1回、最低でも1年に1回は見直す必要があります。会社の状況、計画の進行状況に合わせて常にブラッシュアップしていきましょう。
特に起業したての時は毎日作り変えてもいいくらい見直しが重要なものです。
ビジネスプラン作成時のポイント
効果的なプランを作成する際に特に大切にしたいポイントがありますのでご紹介します。
①社長の魂がこもっているか
一番大切なことは、ビジネスに対する社長の想いです。
この軸がしっかりとしていなければ、どんなに綿密な計画を立てたとしても、成功するビジネスにはなりません。
人は“想い”にひきつけられます。一緒に働きたい、協力したい、出資をして応援したいと思うのは社長の魂がこもったビジネスなのです。
社長の“本気でやっていきたい”という想いをビジネスプランに込めて作り上げてください。
②内容に一貫性があるか
最初から最後まで伝えている内容が一致していることです。
文章を書いていて、途中から自分が何を言いたかったのか、訳が分からなくなることはよくあることですが、初めに行っていたことと結論が一致していなければ計画とは言えません。
“誰向けに何を提供する事業か”を明確にしておくことが大切です。
③分かりやすい文章になっているか
ビジネスに使用する文章というと、難しいビジネス用語を並べてかっこよく書くことがいいと思われる方もいらっしゃると思います。ですが、このプランを読む人は必ずしもあなたのビジネス分野に精通している人ではありません。
ですから、事業を知らない人でも理解ができる分かりやすい文章であることもポイントの一つです。よく言われている目安は“小学5年生でも見て分かること”です。
シンプルで分かりやすい計画書を心がけてみてください。
④費用対効果とリスク予測ができているか
計画を立てるうえで、経営を具体的な数字に落とし込むことは事業を現実的に見つめる際に重要です。
この事業をどれくらいの期間で収益化するのか、補助金や融資をしてもらうのであればどれくらいの期間で返済のめどが立つのかなどを計画していきます。
ただし、数字の予測はなかなか思い通りにはいきません。そこで予測は『理想の金額』『+20%』『-20%』の最低でも3パターンつくることをオススメします。
特に事業を立ち上げたばかりの初期の頃は、売り上げが予測の半分でもやっていけるのか、は考えていきたいところです。経営者は最悪の事態を考えることも必要です。
まとめ
今回はビジネスプランとはそもそもどういうものなのか、その活用法と作成のポイントをお伝えしました。
ビジネスプランは、ただ補助金や融資を受けるためのツールではなく、あなたのビジネスを成功させるための柱になるものです。
頭の中で描いているアイディアや構想を計画書というかたちにし、ビジネスへの想いを伝えてください。
ビジネスのつくり方や考え方については立志財団で毎月開催しているセミナーでもお伝えをしています。こちらもぜひご活用ください。
立志財団についてはコチラから⇒https://risshi.or.jp/