【第3回】坂本憲彦のラジオ起業塾「ビジネスを長く続けるための秘訣」

毎週日曜朝9時半から、FM那覇で放送中の『坂本憲彦のラジオ起業塾』。起業家の専門家、坂本憲彦がはじめての起業で成功するために大切なポイントをお届け。沖縄で起業したい人を応援するラジオ番組です。

第3回目は実際に起業して成功されているゲストの方をお迎え。ゲストの方は約11年前に医療や福祉の会社「オフィス・テルヤ」を立ち上げ、現在も第一線でご活躍されている照屋裕子さん。起業のきっかけや会社を長続きさせるための秘訣、仕事をするうえで大事にしていることなど、様々な経験を通して分かった起業を成功させる為の秘訣を特別にお話して頂きます。

▼こちらの音声は、下記の「FM那覇」のサイトよりお聴きいただけます。(2019年1月20日放送)▼

http://www.fmnaha.jp/program/radio_kigyojuku/

起業家の紹介

森川 立志財団の森川です。今回もラジオ起業塾が始まりました。坂本先生、よろしくお願いいたします。

坂本 よろしくお願いいたします。

森川 本日はゲストの方をお招きしております。約11年前、医療と福祉に関する事業を立ち上げられ現在も様々なご活動をされている、起業家の照屋裕子さんです。よろしくお願いいたします。まずは自己紹介をお願いいたします。

照屋 照屋裕子です。よろしくお願いいたします。私は”医療と福祉のコンシェルジュ”「オフィス・テルヤ」という会社を立ち上げ、起業しました。元々は作業療法士で主に高齢者の認知症のリハビリを行い病院や施設で働いていましたが、様々な方と関わっていく中で認知症になった後ではなく、認知症になる前の高齢者の方と関わりたいと思うようになりました。なので仕事を辞め独立し、現在は色んな所でお仕事をさせて頂いております。

森川 ありがとうございます。ちなみに起業されてからどれくらいの年月になりますか?

照屋 今年で11年目に入りました。

森川 11年は結構長いですよね。坂本先生、11年というキャリアはいかがでしょう。起業してそれだけ長く続く会社は多いのでしょうか?

坂本 起業して10年以上続くということは確率としてかなり少なくなってくるので、それだけ長く続けていらっしゃるっていうのは本当に素晴らしいことだなと思いますね。

森川 実際10年以上続く会社というのは割合で言うとどれくらいなんでしょうか?

坂本 起業して5年続く会社が5%、10年続くのは6.3%、20年続くのは0.3%と一般的なデータでは言われています。それでいうと照屋さんは全体の6.3%に入りますね。独立されお仕事を継続的に続けられているのは本当に素晴らしいことだと思います。

照屋 ありがとうございます。自分が全体の6.3%に入っているなんて思わなかったのでびっくりしました(笑)

坂本 皆さんあまり知られてないんですけど、お仕事を続けることって難しいんですよ。独立して会社を立ち上げるのは結構簡単なんですけど、そのまま1年2年3年5年10年・・・と続けていくとなるとハードルが上がってくるんですよね。

照屋 じゃあ私は本当に恵まれていますね。会社を11年も続けてこれたのは私の力だけではなく、これまで色んな方に助けて頂いたからです。今のような人間関係を構築できてなかったらここまでくることはできなかったと思います。

起業のきっかけ・やりたかったこと

森川 照屋さんが起業されたきっかけや起業の方法など教えて頂けますでしょうか?

照屋 私は元々認知症の高齢者の方のリハビリをしていたので、認知症に関係のある脳の活性化について、また人の心など心理学にも興味を持っていました。なので在職中にそのような資格を色々取得していたんですけど、勉強しているうちに認知症を予防する為にはどのようなことをすればいいのだろうと考えるようになりました。そして考えた結果、自分にできることを仕事としてやっていこうと思い、高齢者の方々が集まる老人クラブや父会に営業をかけたり、高齢者の方と関わりのある介護福祉士の養成校の非常勤講師をして色々教えたりしました。また高齢者の方だけでなく、高齢者を支える人も私が支えたいと思い起業して現在に至りますが、とてもやりがいのある仕事だと自分では思っています。

森川 病院や施設で働くよりも、起業をして自分一人で仕事をしたいと思っていたということですか?

照屋 そうですね。大きい施設や事業所で20年頑張って、残りの20年は自分の力で誰かの役に立てる仕事ができたらいいなとは思っていました。当時まだ施設で働いている時から、少子高齢化や高齢化社会によって介護人材の不足が問題とされていました。しかしそうは言っても施設を利用しなければならない高齢者の方はたくさんいます。私は施設でその方たちをただ待ち受けるのではなく、施設に来なくてもいいように認知症予防のお手伝いをしたいと思い、独立することにしました。

森川 照屋さんがしたかったことは、施設で働きながらできることではなかったのでしょうか?

照屋 施設はすでに認知症になった高齢者の方が多くいらっしゃるので、私は主に認知症の改善を目指しリハビリをしてきました。でも私は認知症予防や高齢期を楽しんでもらう為のお手伝いなど、施設ではできないようなことをしたいと思っていたので独立しました。さきほど在職中に様々な勉強をし資格を取得したとお話しましたが、脳の活性化など若い方にとっても役に立つ資格も取得したので、そのおかげで最初は高齢者や老人クラブの方が対象だったのが、婦人会の方、婦人会のお子さんやお孫さんなど、幅広い世代の方と関われるようになりました。生まれた時から人生の最後を卒業する日まで、長く関われたらなと思っています。

森川 では照屋さんは独立し起業されたことで、自分が本当にやりたかったことがより自由にできるようになったということですね。

照屋 そうですね。あと高齢者の方は基本的に保険に加入すると思うんですけど、医療保険や介護保険にはしっかりとした法律があるのでできることは限られています。なのでそのできないことを私がすれば、高齢者の方やクライアントさんがより楽しく、充実した生活を送ることができると思ったんです。そういった隙間産業を狙った感じですかね。

森川 なるほど。これから起業される方は照屋さんの起業方法がお手本になるんじゃないかなって思ったんですけど、坂本先生はどう思いますか?

坂本 見習うべきところはたくさんあるんですけど、とくに素晴らしいなって思ったのが、介護を必要とされる前の方にアプローチしたいと思ったことと、実際にそれを行動に移したところ。これって結構簡単そうに思えますが実際すごい難しいことなんです。多分当時はそういう市場がほとんどなく、何も見えない中で独立されたと思うんですけど、それでも起業しようと思ったのは大きな理由があったんですか?

成功の秘訣は”知識と経験”

照屋 医療や介護保険は2000年くらいから始まったんですけど、私はその前からこの業界におりましたので、保険でできることとできないことの違いをよく理解していました。なので保険でできないことをして高齢者の方を楽しませる方法も分かっていました。だから元々そういう市場がなくても成功するという確証があったんですよね。あと一部の高齢者の方で、介護保険が始まる年齢(75歳)になったら「私はもう死んだほうがいいね」っておっしゃる方がいたんですよ。これまで人生色々頑張って生きてきた方が死んだほうがいいねっていう業界ってなんだろう、自分に何かもっとできることはないかと思ったのも起業した理由のひとつです。ただ起業して最初の5年間は本当に手探りで、何をやっていいのか悪いのか分からず失敗したことも多々ありました。またこの仕事だけでなく講師業や他の人材育成の仕事も同時にしていたので、すごくウロウロしていた時期もありましたね。

坂本 そうだったんですね。法律で決まっている分野以外のところをケアされたいって思ったことは本当に素晴らしいと思います。でも最初みなさん誰もが悩むことだと思うんですけど、起業してお金をどう頂いていくか考えますよね。照屋さんは最初どのようにしてお金を頂いたんですか?

照屋 最初はツテを辿ってデイサービスや非常勤講師などこれまでの私の実績を活かせるお仕事を紹介してもらいました。そして高齢者の方と接するときに、「介護保険じゃないけどこういうことができるよ」とお話したり、また自分のこれまで培ってきた人脈を使い高齢者の方と関わりのあるケアマネさんや塾講師の人に、「こういうことで困っている高齢者の方がいたら紹介して頂けますか?」とアプローチしました。そのおかげでいくつかお仕事を紹介して頂けたので、本当に色んな方に助けられてここまでやってこれたなと思います。

坂本 人間関係って大事ですよね。ちゃんと人間関係を築いてきたからご自身が独立された後もそこからお仕事を紹介して頂けたということですもんね。

照屋 ご紹介して頂けるのはすごく嬉しいことですが、その分ちゃんと責任を持ってやらないと相手の顔を潰してしまいますので、そこはすごく気を付けています。

坂本 そうですね。今の時代ネットを使ったりブログで情報発信をしたりとかそういう起業・集客の方法があるんですけど、そういうのがなかった時代にちゃんと信頼関係を作られていたから今こうしてお仕事を続けられているということですよね。本当に素晴らしいことだと思います。

森川 照屋さんが起業されたとき既に人脈やツテがあったということは、照屋さんのこれまでしてきたことが評価され、信用できる方だと思われていたということですよね。

照屋 紹介して頂けるのは本当にありがたいですし、私がこれまでやってきたことは間違ってなかったんだと思うことができました。これまで同僚だった人の紹介でお仕事を頂き、その方のまた紹介でお仕事を頂き、それからどんどん紹介でお仕事がもらえるようになったので、やっぱり信用って大事だなと思いますね。

坂本 そうですね。あと最初から色んな仕事を受け入れてやっていたと先ほどおっしゃっていたんですけれども、お仕事を受ける際に気を付けるポイントなどあれば教えて頂きたいのですが。

照屋 起業して最初は何をすればいいのか分からない状態だったので、まずは集客のために”なんでも屋”という形でアピールし、とりあえず色んなことをやってみました。仕事をしていくなかで様々な方と接する機会があったのですが、そのときに私ができることや得意なことをまとめたパンフレットを見て頂き、そこから新たな契約を結ぶということをしました。ただどうしても対人関係のお仕事なので、きちんと理解して頂いたうえで契約するということを気を付けるようにしていましたね。

坂本 なるほど。最初はなんでも屋さんとしてお仕事されていたそうですが、おしゃれな感じにしたくて”コンシェルジュ”という呼び方にしたんですか?

照屋 その通りです。でも”コンシェルジュ”はウケる世代とウケない世代があるんですけどね(笑)でも最初は本当になんでもやります「なんでも屋」って感じで名刺にも書いていましたね。

坂本 そうだったんですね。でもそういうスタンスで自分ができることや周りから求められていることを提供されているのは素晴らしいと思います。

照屋 なんでも屋として最初は仕事していましたが、やっぱり自営業だとNOと言えない怖さはあります。断ったら次から依頼が来なくなってしまう可能性がありますからね。あと依頼をなるべく受けられるようにするために、たくさん勉強をして様々な資格を取りました。起業する前よりも起業した後の方がたくさん勉強したなという感じはしますね。

坂本 これすごく大事なポイントで、起業する前の方でよくいるのが、なんとなく資格を取ったり、目的はないけどとりあえず資格を持っておきたいから勉強するという方がとても多いんです。でも実際それってすごくもったいないことだと思うんですよね。結局資格を取っても仕事に繋がらないこともあるので、仕事をしていく中で勉強をするのが一番いいと思います。

照屋 そうですね。私も働きながら、仕事の役に立ちそうな資格をいくつか取りました。周りからは資格フェチだと思われていましたけどね(笑)でもそれが実際役に立っているので、とっておいてよかったと思います。

坂本 そういう過去にやってきたことが全部お仕事に役に立ち、今に繋がっているということですね。

森川 照屋さんは最初なんでも屋としてお仕事を始めて、断ったら次に繋がらないと思って色んなお仕事をされたんですよね。でも嫌々仕事を受けてたという感じがしないのですが、やりたくないお仕事の依頼は来なかったのでしょうか。好きな仕事の幅を広げるために無理して仕事したということではないのですか?

照屋 今までやりたくない仕事を無理してやったということは11年間一度もありません。ありがたいことに好きなことを仕事としてやることができています。ただなんでもかんでも無責任に仕事を受けないようには気を付けていました。保険で賄えることは私よりもさらに専門の方に繋げるようにしたり、私のできることや得意なことを一番最初に説明して、きちんと理解して頂いたうえでお仕事をさせて頂きました。

起業して一番辛かったこと

坂本 自分が本当に好きな事をされているという感じがすごく伝わってきますね。では逆に起業してみて一番辛かったことや大変だったことは何かありますか?

照屋 この仕事をしていて一番辛いことは、お客様といつ会えなくなるか分からないということです。私が関わるのはほとんどが高齢者の方だったので、どうしても若い方に比べ会えなくなる可能性が高いんです。昔の話になりますが、仕事である高齢者の方と2週間後にどこどこへ行きましょうとお約束していたことがありました。しかしその日を迎える前にその方は亡くなってしまいました。とても残念でもっと色々してあげればよかったと後悔したのですが、その方のご家族がこのような言葉をかけてくれました。「2週間後のお出かけをとても楽しみにしていたまま人生を卒業したんですよ」と。私はそれを聞いて、私との約束が楽しい気持ちのまま人生を卒業された理由のひとつであればいいなと思ったんです。

坂本 照屋さんのされているお仕事は他の仕事に比べると、多くの出会いと別れがありますよね。

照屋 本当に一期一会です。とくに別れがすぐそばにある仕事だなとは思いますね。

仕事をする中で一番大事にしていること

坂本 照屋さんにお聞きしたいんですけど、仕事をする中で一番大事にしていること、信念や志などそういうものがあれば教えて頂きたいのですが。

照屋 相手の期待以上のことをさせて頂こうと常に思っています。あとは先ほども言いましたが、この仕事は一期一会が多いので1回限りで終わる可能性が高いです。なので少しでも次に繋げる為に、また紹介してもらう為にとにかくお客様を観察して優先順位を考え、実行していく。さらに次を考えて行動するということを意識して仕事をするようにしています。他にも学校の非常勤講師をしているのですが、ただなんとなく授業をするのではなく、ひとりひとりの生徒の良さを引き出すようにしたり、他の専任講師の方にきちんと内容を引き継ぐなど次に繋がるように仕事をしています。楽しい仕事は続けていきたいですからね。

坂本 相手が求めている以上のことをしよう、期待を上回れるようにしようと真剣に考え実際に行動されているから、それが仕事を長く続けていく為の秘訣ということですね。

森川 今ラジオを聞かれている方で、照屋さんにお仕事を頼みたいという方がいらっしゃったらどうしたらいいでしょうか?

照屋 ”オフィス・テルヤ”で検索して頂いて、ショートメールでお問合せください。それかお電話頂けたら対応いたしますので。ただ私沖縄県で3本の指に入る”電話取らない女”なので、留守電を残しておいて頂けると助かります(笑)。わざと取らないんじゃなく、忙しくて取れないんですよ(笑)

森川  ありがとうございます。色々ためになるお話を聞かせて頂きありがとうございました。

照屋 とんでもないです。ありがとうございました。

坂本 ありがとうございました。

次回:【第4回】坂本憲彦のラジオ起業塾「やりたいことが見つからないと悩んでいるあなたへ」

 

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番組概要

番組タイトル

沖縄で起業したい人を応援します「坂本憲彦のラジオ起業塾」

ナビゲーター 坂本憲彦
オンエア 毎週日曜 09:30~09:56
コンセプト 起業家育成の専門家、坂本憲彦がはじめての起業で成功する為に大切なポイントをお届けします。
関連サイト ■ポッドキャスティングでいつでも聞ける!
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