【第12回】坂本憲彦のラジオ起業塾「40代での起業②ビジネスアイディアの見つけかた」

毎週日曜朝9時半から、FM那覇で放送中の『坂本憲彦のラジオ起業塾』。起業家の専門家、坂本憲彦がはじめての起業で成功するために大切なポイントをお届け。沖縄で起業したい人を応援するラジオ番組です。

今回は前回に引き続き、40代の起業について。前回は「40代での起業①成功させたいなら3つのことから始めよう」ということで起業をする前にしておきたいことをお話しして頂きましたが、今回は誰もが悩む”ビジネスアイディア”について。様々なビジネスアイディアが思いついているけど何を選んだらいいのか分からない、そもそもやりたいことがないと悩む40代の方へ、坂本氏がメッセージを送ります。

▼こちらの音声は、下記の「FM那覇」のサイトよりお聴きいただけます(※2019年3月24日放送)▼

http://www.fmnaha.jp/program/radio_kigyojuku/

40代でビジネスアイディアが思いつかないという方へ

森川 立志財団の森川です。今日もラジオ起業塾が始まりました。坂本先生、よろしくお願いいたします。

坂本 はい。よろしくお願いします。

森川 本日もリスナーの皆さんのお役に立てる内容でお届けいたします。今回は前回と同じ”40代での起業”をテーマにお話して頂きます。前回は「40代での起業は遅くはないのか」というご質問でしたが、今回は「40代で起業するときにどのようなことをビジネスにすればいいのか」というご質問が寄せられております。様々なビジネスアイディアがある中でひとつを選ぶというのは非常に難しいことだとは思いますが、ビジネスを選ぶときのポイント、また自分に合うビジネスの見つけかたなどがもしあれば教えて頂けますでしょうか?

坂本 40代で起業を考えるなら、まずは今まで自分がしてきた仕事を振り返ってみるのが大事だと思います。40代だとある程度お仕事の経験もあるでしょうし、少なくとも20年くらいは働いてきたわけですよね。なのでその働いてきた経験の中からビジネスに繋がるものがないか探してみる、あとは自分が趣味でやってきたことがビジネスにならないか考えてみる。ビジネスアイディアを見つける為には自分がこれまでの人生でやってきたこと、関わってきたことなどを全部棚卸して振り返るのが一番良い方法だと思います。

森川 今までやってきた仕事の中にビジネスアイディアがあるかもしれないというのは理解できますが、趣味に関してはビジネスになるのか、起業に役立つのかと疑問に思う方もなかにはいると思います。実際趣味をビジネスに活かすことはできるのでしょうか?

坂本 多くの方は前職を活かして、直接仕事でやってきたことを起業してそのままやるっていうパターンですよね。例えば不動産業をやっていたら、独立して不動産関係のお仕事をするとか。でも起業って自由で何やってもOKじゃないですか。だから趣味でやってきたこととか好きで続けていることをビジネスとしてやってもいいわけですよね。元々サラリーマンとして働いてきた方はベースの仕事力がすごくあるので、その培ってきた仕事力を活かし、趣味をビジネスにして起業することもできると思います。

森川 なるほど。ではビジネスアイディアを考えるときは、自分のやってきたこと、自分の過去にヒントがあるということですね?

坂本 その通りです。実際に趣味を活かして起業した生徒さんがいるんですけれども、その方は元々上場企業で働いており、石油関係の会社に勤めガソリンスタンドの設計などをしているサラリーマンでした。趣味はバイクで、ツーリングに行ったりバイクについて色々教えてくれる教室に行ってたみたいなんですけど、その趣味を活かして起業したんですよね。自分でツーリング会を開催して人を集めたり、バイクの乗り方を教えるレッスンDVDを自分で作ってネットで販売しているそうです。このように趣味を活かして起業するという人もいますが、なぜこの方が起業して上手くいってるかというと、今までサラリーマンとして働いていてきて身に付いた仕事力や段取り力が新しいビジネスにも活かされているからなんです。いくら趣味が立派なものでも、ベースの仕事力がないと趣味も上手に活かすことができないですよね。なので趣味や仕事、これまで経験してきたことを全て活かし、組み合わせて起業すれば成功の確率は上がると思います。

過去の経験を全て活かそう

森川 起業というと、新しいことにチャレンジするとか、過去を切り捨てて未知の領域に飛び込むみたいなイメージを持たれている方もいますよね。でも坂本先生はそうではなく、これまで経験してきたことは自分にとって大きな財産だから、その財産を捨てるのではなく、むしろ有効活用するべきだということですね?

坂本 そうですね。自分の培ってきた能力を全て使っていかないと起業しても上手くいかないので。20代で起業するのであれば、森川さんが言うように過去をリセットして始めるのもいいと思うんですよ。もし失敗したとしてもまだ若いので何度でもチャレンジできますからね。ただ40代だと20代に比べ残り時間が少ないので早く結果を出さないといけないですし、何回もやり直しはできないですよね。だから40代は過去をリセットするのではなく、むしろ過去の経験を武器にして起業したほうがいいと思います。僕の場合30歳で起業して、その前に銀行で約6年半サラリーマンをやっていたんですけど、サラリーマン時代の営業の経験や、そのとき覚えたお金の知識などが今でもすごく役に立ってるんですよ。だから40代の方は過去の経験を活かしていかないとむしろ損だと思います。そしてその経験をどのジャンルで活かしていくのかが重要です。先ほど言ったように趣味をビジネスにするということでもいいですし、自分が興味を持てるジャンルで起業をしたほうがいいと思いますね。

森川 過去を振り返ることで、ビジネスアイディアのヒントを見つけられる。そして様々な経験をして身に付いたスキルは何かを自分で改めて理解できる。このように過去を振り返ることは2つの意味があるということですね。

起業する前に「人生の棚卸」をする

坂本 40代の方は起業する前に必ず人生の棚卸をやって欲しいです。そして人生の棚卸をするときにやって欲しいのが、”自分史”を書くこと。これは以前もお話したんですが、自分史とは自分が生まれてきてからの出来事、楽しかったことや悲しかったことなど、覚えていることを書き出して自分の年表を作ることです。自分の経験を書き出すことで、自分に繋がっているテーマが見えてきます。出来事はそれぞれ違っても何か共通していることがあるんですよ。例えば人を笑顔にするのが好きだったなとか、人に楽しんでもらうのがよかったなとか、チームで何かしたときすごい力を発揮できたなとか、自分のパターンが見えてくるんです。だからその共通していることは何かを自分で認識することが大事で、そうすると自分のやるべき道が見えてくる。だから40代の方は特にこの自分史を書くということをやって欲しいですね。

森川 自分史を書くことで自分の好きなことや苦手なことが何なのか分かりますし、書いた出来事を掘り下げることによって、元々持っている才能や素質にも気付けるかもしれませんね。

坂本 ちゃんと書けば気付くことができると思います。そして自分史を書くときに大事なポイントは、出来事と一緒にそのときの感情も書き出すこと。例えば小学校の運動会の記憶があったとしたら、運動会は楽しかったのか、悔しかったのか、その時感じたことを出来事と一緒に書きます。そうすることによって自分がどういうときに嬉しいと思ったのか、どういうときに苦しいと思ったのかが分かってくるので、嬉しいとか楽しいって思った出来事に共通していることは何かを考える。それをヒントにビジネスを創っていくという方法もありますよね。

森川 自分だったらどのような自分史を作れるのかと今考えてみたんですけど、記憶に残っている出来事で共通しているのは、とにかく理不尽なことが嫌いだということですね。例えば学生時代、部活で1個上の先輩がすごく偉そうにしていたことがすごく記憶に残っているんですけど、僕より練習をしていないのに1年早く生まれただけで何でこんなに偉そうなんだ、理不尽だと思ったんです。そのように思ったのは先輩にだけじゃなく、学校の先生や自分の親、そして社会人になってからも取引先の相手や上司にも思うことがありました。会社勤めだとそれこそ理不尽なことを押し付けられるのはよくあることですし、普通の人だったら我慢できることでも僕はそれが多分他の人よりすごく苦痛に感じるんですね。だから僕は自分で自由にできる起業に興味を持つようになったんだと、今過去を振り返ってみて気付くことができました。過去を振り返って自分史を書くことで自分が何が好きで楽しいかということが分かりますし、僕のように何が嫌いで苦痛と感じるのかも分かるので、自分の好きなことと嫌いなことが分かればビジネスを始めるときにとても役に立ちますよね。

坂本 自分の好きなことや嫌いなことが分かると、自分が何を一番大事にしたいのかが見えてくるんです。これはビジネスの軸になる部分なので自分で理解しておくことが非常に重要になってくるんですよね。森川さんの場合、嫌いなことは理不尽な対応をされるということなので、それをなるべく生み出さないビジネスだったり仕組みを考えていくことができますよね。

森川 そうですね。僕が起業した理由は僕自身が理不尽な対応をされたくないっていうのもあるんですけど、周りにいる理不尽な扱いを受けている人を救いたい、と思ったのも理由のひとつなんですよね。僕にできることで何か困っている人の役に立てないかと考えたとき、自分のやるべきことがおのずと見えてきたんです。

坂本 素晴らしいですね。自分の一番大事なことが分かれば自然とやるべきことも見えてきますからね。自分の人生のテーマを見つけていくということはすごく大事だなと思います。

自分の人生のテーマは何かを考える

森川 人生のテーマを見つけるということは年齢関係なく重要ではあると思うんですけど、40代の方は特に重要だということでしょうか?

坂本 20代のときはイケイケでもいいと思うんです。あまり何も考えず自分のやりたいことや好きな事で起業してもいいですし、女の子にモテたいとかそんな理由でもいいわけですよ。ただ40代くらいになると物理的な死というものが近づいてきますよね。そして環境も大きく変わっているはずです。子供が出来たり親が病気になって介護をしたり、亡くなってしまっている方もいると思います。このように40代は人に生き死にに接する機会が多くなり、人生の転機が起こる年齢でもあるんです。だからこそ自分の人生を振り返って、見つめ直す。そして自分の人生のテーマは何かを考え、そこから繋がるビジネスを創っていくのがいいと思いますね。

森川 では40代から起業をしたいがビジネスアイディアが何もないという人は、自分の過去にヒントがあるのでまずは自分史を作って自分を見つめ直すこと。そこから人生のテーマを見つけ出し、それをビジネスの軸にすること。答えは全て自分の中にあるということですね。

坂本 そうですね。40代からは自分の人生観や人生のテーマに合ったビジネスを選んでいく、または創っていくというのを意識された方が、結果的に長く続きますね。20代だったら2~3年で流行るようなビジネスをやってもいいと思うんですけど、40代って先ほども言ったように残りの時間が限られているんですよ。だから無駄な寄り道をせず、自分のベストというか一番いいものを創っていくのが大事だと思いますね。

40代で起業するときに気を付けたいこと

森川 では実際40代で起業をする場合、やってはいけないビジネスや何か気を付けるポイントなどあるのでしょうか?

坂本 さっき言ったように、人生観とか自分の価値観に合ってないビジネスをやるのはおすすめしません。あとは流行っているからという理由だけで始めたり、色んな儲け話に安易に乗っかって始めるのもよくないと思います。起業したいという話をすると、これ儲かるからやらないかみたいな話が色んなところから来るんですよ。その紹介されたビジネスを絶対にやってはいけないということではないんですけど、でももしやるんだったら命懸けでやったほうがいいと思います。いくら儲かるビジネスだと言われても、それはその人がたまたま儲かっただけで、自分がそのビジネスをやって儲かるかは分からないですよね。起業って自分の時間を投下してやるものですし、自分の時間を削ってやることは、自分の命を削ってやってるのと同じことですよね。だからもしビジネスをやるなら、自分が命をかけれるかどうか。こういう視点で考えることが大事だと思います。

森川 分かりました。ありがとうございます。40代で起業するのは20代や30代に比べ様々な悩みが不安があると思いますが、まずは自分のこれまでの人生を振り返り、見つめ直すことから始めてみること。そして流行や他人の儲け話に流されないように注意し、自分の人生のテーマに合ったビジネスを創っていくのがベストだということを教えて頂きました。坂本先生、本日もありがとうございました。

坂本 ありがとうございました。

 

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番組概要

番組タイトル

沖縄で起業したい人を応援します「坂本憲彦のラジオ起業塾」

ナビゲーター 坂本憲彦
オンエア 毎週日曜 09:30~09:56
コンセプト 起業家育成の専門家、坂本憲彦がはじめての起業で成功する為に大切なポイントをお届けします。
関連サイト ■ポッドキャスティングでいつでも聞ける!
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