10年後も稼ぎ続ける 経営者になるための 『5つの経営戦略』①ブレない軸をつくる

こんにちは!立志財団の坂本憲彦です。

はじめての会社経営は、多くのリスクを伴います。

お金や収入の面はもちろん、精神的にも大きな痛手を被ることがあります。

そんな最悪の事態に陥ることなく、経営者として成長していくためには、正しい戦略が必要です。

そこで、起業家や経営者の方に、10年後も稼ぎ続ける経営者になるための5つの戦略について解説させていただきます。

はじめに 

経営には正しい戦略があります。ただ、その本質をしっかりと丁寧に伝えてくれる人や講座が少ないという現実もあります。

私は20年間で1万人以上の方を指導させていただき、経営者に本当に必要とされる戦略は何なのかを正しく理解することができました。

そのノウハウをすべて公開させていただきます。

 

10年後も稼ぎ続ける 経営者になるための5つの経営戦略

今回はノウハウをビジネス成功の5サークルという形でまとめさせていただきました。

ビジネス成功の5サークルとは、

1.使命

2.自分の強み

3.商品・サービス

4.戦略・戦術

5.収益性・効率性

の5つがすべて揃うことで、ビジネスの長期的な成功を得ることができるという理論です。

ぜひ、あなたもこの経営戦略を学び、失敗しない会社経営を実現していってください。

 

今回から5回に分けてそれぞれの戦略について解説をしたいと思います。

1回目の本日は1.使命についてです。

【経営戦略その1】あなたのビジネスに絶対にブレない軸をつくる

についてお話をしていきます。

 

経営に欠かせない使命とは

サークル1はあなたのビジネスに絶対にぶれない軸を作るという使命のところです。これはビジネスのコアの部分になります。

使命=「人生の目的」からビジネスを考える

そもそも使命とは何でしょうか?

人によって言い方は違います。理念、経営理念、会社だと社是とか社訓、志と言ったりします。ミッションステートメントとも言います。とにかく自分の中心になるものです。一番大切にしたい価値観のことです。これが使命です。

 

ビジネスでは、変わっていいものと変わってはいけないものがある 

ビジネスを行っていく上で大事なのが、変わっていいものと変わってはいけないものがあるということです。ビジネスは、時代の変化もありますし、移ろいがありますから、変わっていく部分もありますが、その中でも変わってはいけない部分があります。

使命は基本的には変わってはいけない部分です。変わっていけないというよりも、変わらない部分です。

変わるのはビジネスモデルです。

この区別が大事です。みんな全部ひっくり返そうとします。特にスタートアップの段階ではそうです。

 

たとえばダイエットのビジネスを立ち上げようとして、うまくいかなかったら、今度は投資系の何かをやろうとか、まったく違うことをやろうとします。

それがその人の価値観の中でつながっていればいいのですが、こっちがだめだったら、あっちが儲かりそうだからあっち行こうという考え方だと問題になります。何か儲かっていないか、といろいろなビジネスモデルを探して、放浪し続けることになるからです。

変わらないのは常に使命であり、それがあった上で、ビジネスモデルは自由でいいのだという考え方が非常に大事です。

 

例として、孫さんのビジネスの作り方を見てみましょう。

孫さんは、『新30年ビジョン』というプレゼンテーションの中でも言っていますが、基本的には使命、ビジョン、ビジネスモデルという3つで、ビジネスを考えています。

ここでいう使命を、孫さんは志という言葉で表現しています。

使命からまず作ります。次にビジョン、どういう未来に行きたいかということですね。そしてビジネスモデルがあります。

孫さんも新30年ビジョンの中で、はっきりと「ビジネスモデルは分からない」と言っています。ソフトバンクもビジネスモデルはどんどん変わってきています。30年前、何をしていたか知っていますか?

はじめはソフトの卸会社からスタートしたのです。パソコンソフトなどの卸です。90年代に入ってネット回線の会社になりました。インターネット会社、ヤフーBBとかやりましたね。今はモバイル、携帯の会社です。やっていることは変わってきています。でも、孫さんは使命、孫さんの言い方だと、志は一緒だと言っています。

ソフトバンクの志は何かと言うと、

「情報革命で人々を幸せに」

です。

30年前は、情報革命で人を幸せにするのがパソコンのソフトでした。90年代はインターネットを普及させる、回線を普及させることが情報革命で人を幸せにすること。2000年代に入ってからは携帯です。情報革命で人々を幸せにという理念は30年間ずっと変わっていません。

志が変わらないということは、孫さんはこの先もずっと変わらないということです。ただ、時代時代によって何が情報革命の中心になるかどうか分からないから、ビジネスモデルは変わるかもしれません。

 

変わっていいものと変わってはいけないものが何なのか、そこをしっかり理解すること。何でも新しいことをやればいい最新のものがいいとやっていると、新しいもの症候群みたいになって、それに踊らされてしまいます。

使命とは自分の中の一番大切な、不変の価値観です。最終的には変わらないものです。

ただ、これを作る段階で変化していくことはもちろんあります。

使命とか考えたことがない人は特に、ぼやっとしてしまう。最初はそれでいいと思います。とにかく気に入った言葉を書けばいいです。最初からこうでなければならない、絶対変わっちゃいけないと考えると行き詰ります。最初は変わっていい。いろいろ試行錯誤しながらやって、最後に落ち着くものが出てくるはずです。

言葉尻も変わっていいと思います。でもコアの、魂の部分は多分変わりません。その表現がちょっと変わるだけです。

私の使命は「すべての人を真に導く」ということですが、できたのが数年前です。使命の大切さを聞いたのが10年ぐらい前ですが、ようやくそこに行きつきました。

これはもう一生やっていくことを腹に決めていますが、そのように、時間はかかります。

絶対にブレない使命の見つけ方

最初はとにもかくにもまずは、自分の、社長の、経営者としての使命を明確にしないといけません。

では、どのように見つければよいのでしょうか。それは、ビジョン(理想の未来)を明確にすることです。そして、なぜその使命を実現したいのか、諦めない理由を明確にします。そして最後に、使命を見直して完成させます。

あなたのビジョン(理想の未来)を明確にする

過去と現在と未来はつながっています。

皆さんがイメージしやすいのはまずビジョンからだと思います。どういう未来を描きたいか、5年後や10年後、こんなふうになったらいいな、こんな生活送りたいな、こんな仕事したいな、そういう「なりたい未来」があると思います。

そして、なぜその未来を実現したいのかを考えます。それが使命につながってきます。その未来を実現したいという源泉ですね。根本はどこになってくるか。それは過去につながります。

皆さんが描いている未来は、過去の経験があった上で描かれています。たとえば、自由な生活を送りたいという未来があるとするならば、それは多分、過去に不自由をした経験があるからです。束縛されて嫌だった、本当に苦しかったという経験があるから思っているわけですね。

自分が未来を描いたら、それをやりたい理由は過去にあります。そこがつながってくると、使命は明確になってくるのです。

 

 ビジョンを明確にするとは、理想の未来を明確にするということ、どこに行きたいのかということです。

自分が旅に行くとして、沖縄に行きたいのか、北海道に行きたいのかで方角は全然違います。どこに行きたいか決めないと飛行機に乗れませんから、まずはどこに行くのかを明確にしていきましょう、ということです。

 

 一般的な人間の願望と呼ばれるものは大体4つになります。

まずは健康人間関係です。恋愛とか夫婦、結婚したい、仲間がほしいというところです。

あとはお金貢献です。これが人間の大きな4つの願望です。

自分の欲求を明確にするためにも、それぞれについて、できたら3つくらい書き出してみましょう。いろいろ出てくると思います。そして自分の欲求が明確になっていきます。そこがスタートです。そこがしっかり出てこないと、自分がどこに行きたいのかも見えてこないので、自分は何がほしいのかを書き出してみるのが非常に大事です。

 

 ビジョンを考えるときに大事になのが、終わりから考えるということです。

終わりはどこかというと、人生の終わり、死ぬことですね。

これは本当に私も最近すごく感じます。去年、私の40代の友人が3人亡くなりました。

1人は経営者で、10年ぐらい前、まだサラリーマンだった頃に知り合いました。私もサラリーマンで起業直前くらいのときでしたが、あるセミナーで出会って、唯一私が年賀状のやり取りをしていた人でした。大阪で介護の施設を5つ経営していました。ホスピタリティのとてもある介護施設で、患者さんにとても喜ばれている施設でした。45歳でしたが、趣味でしていたグライダーの練習のときに墜落して亡くなったとそうです。

もう1人は47歳で、研修などをやっている講師の方でしたが、脳腫瘍で2年ぐらい闘病していて病院の中で亡くなったと聞きました。

あと1人は、私の幼馴染になります。私の地元の、実家のすぐ近くのお寺さんのご住職さんで、私の1歳上でしたが、年末に亡くなりました。

当たり前のことですが、やっぱり人は亡くなるのだと感じました。私自身、父親が2年前に亡くなり、母親は小学校1年生で亡くなっています。人の死をこの数年、実感するところです。

亡くなるとき、終わるときに後悔しない生き方をしていただきたいと思います。

ですから、人生の目的を考えるとき、自分はいつか死ぬことを意識しないといけません。

私もこの数年、自分の方向性を考えたり悩んだりしてきました。40歳を迎えて、バリバリできる年齢が、あと20年だと思いました。私、個人的には、60歳か65歳くらいまでが、一つの区切りだと思います。

そこで、残り20年でできることを考えるようになりました。今までは目の前のことを一生懸命やっていました。目の前のことをがむしゃらにやっていれば、それなりに結果もついてきたし、問題も乗り越えてきました。でも自分自身がどこに進むのかを改めて考えたときに、いつまで生きているのか、から考えるのが大事です。その現実を知っておかないと、できることにも限界が出てきます。しっかり見定めていかなければなりません。

人は死ぬ前に、やってこなかったことを後悔するとよく言います。やったことは後悔しないけど、あれをやっておけばよかった、これをやっておけばよかったと後悔します。私はみなさんに後悔しない生き方をしてほしいと思っています。

 

人生の計画を立てる

では、これだけはやっておかないと死んでも死にきれないことは何か?それを考えていくのが使命を考える上でもとても大事です。人生の計画を立てるには、死からの逆算で考えていくことが重要です。

参考までに、孫さんは人生計画を19歳のときに作っています。

人生50年計画です。そして、孫さんはその後、この人生計画の通りに人生を歩んでいるそうです。

孫さんは20代で名乗りを上げる、30代で軍資金を貯める、40代で一勝負し、50代でビジネスが完成する、60代でビジネスを引き継ぐと考えていました。

40代で一勝負するときに行ったのがボーダフォンの買収です。

1兆7500億円の買収です。非常に大きな借金をして勝負しています。孫さんがすごいのは、時価総額が2兆円くらいのときに、この買収をおこなったことです。要はほとんど全財産を突っ込んで投資をしたようなものです。もし孫さんが単なる自分の幸せだけを考えていたら、こんなリスクを背負う必要はありません。そのままでも、一生、お金に困らないのですから。でも、「情報革命で人々を幸せにする」という自分の使命・志があるから、それだけの勝負をしたのです。

ちなみに、孫さんは30代で軍資金を貯める計画を立てていましたが、どれくらいの金額を孫さんがイメージしたか知っていますか?

1000万、1億というレベルではありません。

1000億とか2000億という規模が孫さんのイメージする軍資金だったそうです。私もこのセルフイメージの大きさには負けました。

何兆円という話も孫さんは、起業当初から言っていたそうです。「自分は将来、豆腐屋さんになります」という話は有名です。なぜ豆腐屋かと言うと、売上を「ちょう」で数えるから。豆腐は一丁二丁で数える、自分も豆腐屋さんのように1兆2兆と数えられるような事業家になりたいと。これを、初めて起業した、福岡の事務所で、アルバイト2人を前に、ミカン箱の上に立って演説したそうです。ただ、そのアルバイト2人は、頭のおかしい社長だと思ったそうで、何日か後にいなくなってしまったそうです。

そして、いま、孫さんは50代で、ビジネスを完成されて、後継者に引き継ぐためにビジネスを作っていっています。

 

人は1年でできることを過大評価し、10年でできることを過小評価する

クリントン元アメリカ大統領などのコーチとしても有名なアンソニー・ロビンズ氏が、こう言っています。

「人は1年できることを過大評価し、10年でできることを過小評価する」

普通の人に多いのが、1年でできることを大きく見積もることです。

よくあるのが、新年の目標をお願いして、それが年末に叶っていないこと。それでまた去年と同じような目標を願っています。多くの人が、自分が1年かけてできることを過大評価します。大きく見積もり過ぎるのです。

一方で、10年でできることを信じていません。

人間の10年という時間はすごい時間です。私は10年という時間をかけたら、大抵のことはできると考えています。1年で10億円の会社を作るのは大変だなと思います。でも10年だったら、かなり現実感のある目標です。

そのためにも、10年後20年後30年後を考えるのが大事です。これを、ぜひ、紙に書き出してみてください。10年後20年後30年後、考えられる方は50年先まで考えていただいてもいいです。ざっくりと、どんな感じでこの10年を進みたいのか、次の20年はこう、次の30年はこんな感じという形で考えて、紙に書き出してみてください。

そういうタイムスパンで何をやっていくのか考えたほうが、物事は大きく見やすいと思います。目先のことだけを考えていると、自分自身の本来の目的を見失いやすくなってきます。20年、30年という長期の視点も持った上で、今の現状を見つめていくことができれば、今、何をするのかが、はっきりと見えてきます。遠いところから考えていく癖をつけることが大切です。

 

使命を決める

ここまでで、ご自身のビジョンが、なんとなくでも見えてきたかと思います。そして、次は使命を決めていきます。

使命を決めるというと、何をするんだろう?と思うかもしれませんが、一つの言葉を完成させて、言語化していきます。

使命という抽象的な概念を、言葉という具体的なものに落とし込んでいくことで、使命が明確化していきます。

使命を明確化するためには、この一文を完成させます。

 

「私の人生の目的は◯◯である」

 

この○○の中は自由に入れていただいて結構です。自分の好きな言葉、好きなキーワードでもいいですし、どんな言葉でも構いません。最初は無理に短くする必要はありません。まずは自分の好きな言葉、思いついた言葉を入れてもらえればいいです。

ただ、最終的にはシンプルな言葉のほうが力を発揮しやすくなります。

使命は、自分の人生で一番成し遂げたいことですね。これに生きていれば自分は幸せだ。これに生きていれば自分はもう後悔はない。そういう意味で目標とは違います。使命は一生涯かけても実現しないかもしれません。でも、自分はそれに生きていれば本望だと思えることです。

ただ、あまり考えすぎても、いい言葉は出てきませんので、まずは直感で書き出してください。正しい正しくないはないので、言葉尻に囚われる必要もありません。今、ピンとくるものでいいです。

使命は掲げることだけが大事なのではなく、使っていくことが重要です。そうでなければ絵に描いた餅になってしまいます。普段使っていく、意識していく中で、違うと思ったら言葉を変えてみたり、この言葉いいなと思ったらその言葉を入れてみたり、使っていく中でしっくり来るか来ないかが、だんだん見えてきます。

 

使命・ビジョン・あきらめない理由を明確にする

使命は単に書き出しただけでは、なかなか決められません。使命をさらにブレないものにしていくことが大切です。

使命をブレないものにするために最も大切なこと、それは「あきらめない理由」を明確にすることです。

使命を決めても、もし確信がなかったら、すぐにブレてしまいます。決めた使命と過去のあきらめない理由を、しっかりとつなぐことで、使命がブレないものに変わります。あなたの使命をなぜ実現したいのか?過去の原因を明確にすることで、絶対にブレない軸ができていきます。

使命は一人ひとり全く違います。なぜなら、一人一人、歩んできた人生がまったく異なるからです。たとえ同じ環境で育った人でも、受け取り方が全く違います。学歴や仕事、住んでいる場所、家族関係など、それぞれの過去が全く違います。そういったこれまで歩んできた経験の中から使命は出てきています。ですから、過去を掘り下げて、あきらめない理由を明確にすることが非常に大切なのです。

 

過去とは、生まれてからの体験、経験です。これを書き出していくのが大事です。

一年ごとの自分史を作ってみてください。自分が生まれてからどういう人生を歩んできたかを見直すことは、使命とつながる「あきらめない理由」を明確にするためには非常に大切です。

これまでの過去の中で、よかったことも、辛かったこともあると思います。意識していただきたいのが、よかったことはもちろん、悪かったことも書き出すことです。悪かったときの感情も一緒に書き出すのが重要です。よかったこと、悪かったことの両面が、今のあなたの人格を形作っています。

まずこれまでの人生の中でよかったことから書いていきましょう。大きいことでなくてもいいので、思いつく限り書き出してみましょう。

そして、次に人生で悪かったことを書き出してみましょう。

きっとあなたの使命に繋がる理由が出てくるはずです。

 

過去の辛い経験、いやだった経験が、あなたの理想の未来を形づくっていることが、よくあります。たとえば、過去に束縛された経験から、将来自由になりたいという夢を描いたりします。

使命を、何があっても成し遂げたいと思うかどうかは、過去の自分の原因と未来のビジョンがつながるかどうかです。それが1つのストーリーでつながると、とても強力になります。

成功した起業家や経営者の話を聞くと、いわゆる最低から最高へというストーリー(物語)を持っています。でも、ストーリーは、いわゆる成功者だけが持っている訳ではありません。一人ひとりの中に一人ひとりの物語があります。

必ずあなたの中にも物語があります。伝記になっているような経営者の方も、最初から最低から最高へというストーリーがあったわけではありません。後から振り返って、こういう意味づけができるなと作ったりする場合が多いのです。

最初は意味が分からなくても、意識的にストーリーを繋いであげることで、そこに本当のあきらめない理由が見えてきます。それが使命を絶対にブレないものにする、あきらめない理由になります。

 

孫正義さんのあきらめない理由

孫正義さんにもビジネスをあきらめない理由があります。

孫さんのあきらめない理由は、ソフトバンクのホームページに掲載されている「新30年ビジョン」というプレゼンの動画を見ると知ることができます。非常にオススメの動画なので、成長したい経営者の方は、ぜひ、一度、ご覧になることをオススメします。

孫さんは今でこそ、日本を代表する経営者になっていますが、経営においては何度もピンチのときがありました。インターネット回線を普及させるために、yahoo BBのモデムを無料でたくさん配っています。あのときは、4期連続で1000億円以上の大きな赤字が続きました。普通の人は耐えられません。株主からどれだけ言われるか。ソフトバンクの株も急落して、もう本当に詐欺師、呼ばわりされたそうです。

そういう経験もして、今では利益が1兆円を超える会社になったのです。紆余曲折があるわけです。でも、どんなに周りから非難されても、事業が大変なときでも、孫さんは絶対に事業をあきらめません。なぜ孫さんは事業を絶対にあきらめないのでしょうか?

それは、自分の生い立ちから含め、家族を本当に幸せにしたいという思いです。だから、どん底に追い詰められても乗り越えられる、どれだけ批判されてもそれを成し遂げるという想いにつながってくるのです。

「新30年ビジョン」は、ただの講演会ではなく、経営計画発表会です。株主や機関投資家という人たちがいっぱい来ている前で、孫さんは自らの創業の想いを泣きながら語るのです。その魂からくる言葉に、お金儲けの話を聞きにきた株主の人たちも思わず拍手をしてしまう。それが想いの力、真の使命の力です。

数字で見る部分ももちろんあるでしょう。でもそれだけじゃない部分、むしろそれより大事な部分があります。そこに人は動かされるのです。

 

使命の活かし方

使命を伝えるプレゼン力を身につける
使命で大切なことは、見つけただけでは意味がないということです。

使命をしっかり活用していくことが大事です。

見つける以上に活用するのは大変です。

ですから、自分が本当に実現したいことなのか、やっていきたいことなのかが大事になってきます。

そして、使命を自分の中に落とし込んでいくためには、人に伝えることがとても重要になってきます。

 

リーダーは自分の使命を人に伝える義務がある

特にビジネスという部分であれば、なぜ今そのビジネスをやっているのか、人に伝えるのが経営者の仕事です。人に伝えるというのはプレゼンテーションの力になりますが、人に伝えることは、自分自身に伝えることでもあります。

皆さんも、何か話をしていて、考えがまとまってきたり腑に落ちたりする経験があると思います。プレゼンテーションで何度も話すことで、自分の中に入ってきます。最終的に腑に落ちる。使命が本当に自分の中と一体になります。

人にメッセージを伝えるのは、実は自分自身に伝えるということです。そして人に伝えることによって、共感してくれた人が応援してくれる仲間になっていく。従業員の方にもぜひ使命を伝えてください。家族にも伝えてください。使命だけでなく、自分が作りたい未来を伝えてください。過去の経験から、きちんと語ってくださいね。

プレゼンテーションは別に格式ばってやるだけでなく、1対1で話すのもプレゼンテーションです。そこは説得ではありません。自分の思いを伝えるということです。そのうえで判断を委ねる。人に使命、ビジョン、あきらめない理由を伝えることで、共感で人を巻き込むことができるのです。

 

感動と共感でしか、人を自分の夢に巻き込めない

今まで仲間を自分のビジネスに巻き込めていない人は、ビジョンや使命、あきらめない理由を語っていないからです。

お金のためにビジネスをしていますと言っていたら、ふーん、となるだけです。でも「私の使命はこうだから、商売でこういう未来を作りたい、それは過去にこういう経験があったからだ」と言ったら、儲かるかどうか分からないけれど、ちょっと力を貸してやるよという人が出てきます。使命を語っていないから、誰も応援してくれないのです。

自分の使命やビジョン、あきらめない理由を語ることによって、いろいろな人に共感してもらうことができます。そうすると助けようと思う人がどんどん出てくるのです。

人を自分の夢に巻き込むには感動と共感を呼び起こすしかありません。利で繋がっていると、利がなくなれば消えていきます。だから利だけでやると、限界がすぐきます。

感動はもともと「感即動」という言葉から来ているそうですが、感じたらすぐ動くということですね。何か言って人が動いてくれないのは、人が感動していないからです。

 

共感を呼ぶには自己開示しかない

共感を呼ぶにはどうすればいいでしょうか?

その秘訣は自己開示です。本当の強さは何かというと、自分のいやな部分を開示できることです。自己開示するからこそ人は共感してくれるわけです。

すごいスーパーマンの人にすごいことを教えてもらえるより、過去に大変で辛かった経験があって、それを乗り越えた話をしますという人のほうが、話を聞こうと思うでしょう。

たとえば、「100億円遺産相続で持っています。そこから1億増やしたので、その方法を教えます」。そんな話に興味はおそらくありません。それよりも「自分は借金3000万あって、もうぼろぼろで大変だったけど、そこからいろいろなことをやって、成功して今では億万長者になっています」という話のほうが共感しますよね? 興味を持たれます。

 

自分の嫌なところを見せられるのが本当の強さ

自分自身の嫌なところを含め、自分を全部さらけ出せるということが本当の強さです。

あなたの人生で、これだけは伝えないといけないこと

それが使命です。

経営戦略においては、この使命が最も大切になります。使命が変わってしまうと、この後の戦略がすべて変わってしまいます。

長期に安定した収益を上げるためにも、ビジネスの軸である使命を明確にすることは非常に重要なのです。

使命を明確にしていくと、もしかしたら、人によっては仕事が変わる可能性もあるかもしれません。でも、それはそれで構いません。

それがその人にとっての本当の人生のやりたいことだからです。私は別に売上の大小がどうとかあまり思いません。もちろん、売上が増えて実績をつくれたらうれしいですが、それよりも大事なのはその人が望む人生を送れているかどうか。本当に人生をかけて、楽しいことに出会える仕事ができているかどうかだと思います。

ぜひ、使命を明確にして、ビジネスも人生も楽しいものにしていってくださいね!

 

 

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