第30回 起業家がブレイクスルーを起こすきっかけ
いつか起業を考えているけど、何から始めていいか分からない・・・
そう悩んでいる方へ。
起業家教育の専門家である坂本憲彦が、はじめての起業で成功するポイントを解説します。
今回は、「起業家がブレイクスルーを起こすきっかけ」について、お届けしていきます。
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起業と人生の目的の関係
森川 今回坂本先生に質問させていただきたいのが、起業家の方が日々頑張ってるけれども、なかなか伸び悩んでる時期っていうのも絶対あるかと思うんですね。そういった方がいわゆるブレイクスルーを起こすきっかけっていうのがもしあるのであれば、アドバイスをいただければと思います。
坂本 ブレイクスルーを起こす瞬間っていうのは、結構いろんなポイントであると思います。商品がヒットしたとか、売上がすごい伸びたとかいろいろあると思うんですが、1つ大きくブレイクする瞬間っていうのがあって、それは何かって言うと、自分の人生の目的というかそれがちゃんとわかった瞬間ですね。ここっていうのはすごく起業家がブレイクする上でも大きな転換点になりますね。
森川 人生の目的が分かった瞬間ですか?
坂本 はい、そうですね。
森川 人生の目的って言うと結構壮大な話に受け取れると思うのですが、もう少し掘り下げてもいいでしょうか?
坂本 起業にそんな人生の目的なんて関係あるのかって思う方もいるかもしれないのですがそこすごく実は大事で、起業っていうのはその方の人生観が全部出ちゃうものなんですよね。
何でかと言うと、起業って要は何のジャンルをやってもいい訳ですね。ラーメン屋やろうが文房具屋やろうが、作家になろうがIT系になろうが何やってもいい訳で。
どれが儲かるとか儲からないっていうのは、人によって全然違う訳ですね。じゃあどれを自分はやっていけばいいのかっていうのがすごく大事になってくるので、その為にも自分が人生レベルで何をしたいのかっていうのがわかると非常に力強くなるというか、そこに一切のブレがなくなるので、本当にそこに邁進していける様になるのです。
森川 わかりました。実際いかがでしょうか?人生の目的とか、人生観とか、人生懸けて何をやりたいかって人によっては若い時から明確になっててそれが定まってる人もいると思うんですけれども、逆になかなかそういうのがわからなくて苦労してるとか、見つけ方がわからないって言う方もいらっしゃると思うんです。何かヒントになるお話とかありますでしょうか?
坂本 そうですね、多分ほとんどの人がそれがわからずにやってるので、その人生の目的がわからなくてもちゃんと進めて成果出してる人はそれはそれでいいと思います。
ただやっぱりそういうビジネスとか仕事で立ち止まったりする時っていうのがあると思うんですね。大きな壁にぶつかったりであるとか、自分一人の限界を感じたりとかっていう時ですね。
そんな時に僕らがお薦めしているのは自分の原点ですね。何で自分はこの仕事をしてるのかっていうのを見直すっていうところ。これをやっぱりやっていますね。
森川 自分の原点を見直すっていうのは、例えば過去を振り返るとかそういう事を意味しているんでしょうか?
起業家に必要な 自分の原点を見直すこと
坂本 そうですね。過去を振り返って自分の生い立ちとか、あと親との関係ですね。そこを見直すっていうのをやっていただいてます。
結構自分が今やってる仕事とかこれからやろうとしてるビジネスって、自分の幼少期の体験とか親との経験っていうのがすごく影響を与えているんですね。
そこをしっかり見直すことで、なぜそれを本当にそんなにやりたいのかがより明確になって、ブレないものになります。そこがブレないといろんな課題とかもクリアしたりとか、自分の進むべき方向が自然に見えてくるっていうのがあるんですね。
それをやっていくと、ビジネスはブレイクしていくっていう形なんですけれども。
森川 多分一般的には起業と親子関係ってなかなか結び付いて考えられないっていう人が多いと思うんですが、例えば何か坂本先生の周りで、そういう事を如実に教えてくれる具体的なエピソードとかあったりしますか?
坂本 そうですね。実際にうちの起業塾の事例で川崎さんっていう方なんですが、彼は今やろうとしてるビジネス、VRってバーチャルリアリティーですね、それとけん玉を組み合わせてVRでけん玉を上達しようというシステムをやってる方がいらっしゃいます。
この方が、今後事業展開していく上でVRは良いにしても、けん玉だと市場規模がちょっと小さかったりする訳ですよね。じゃあどういう形に展開していけばいいかっていう時にそこはすごく悩んでいたんですけれども、うちで今自分の人生で何のためにこれをやってるのかっていうのを見直していったんですね。
それを考えてる時に、その川崎さんの中で出てきたのが、出来ないを出来るにするっていうのがキーワードであると出てきたんです。けん玉を出来なかった人が出来るようになるっていうところ。じゃあ彼にけん玉の世界チャンピオンを育てたいんですかって聞いたら、それは違いますって言うんです。
別に世界チャンピオンを育てたいわけじゃないと。出来ない人が出来るようになってほしいと。普通に考えたら世界チャンピオンを育てたい方が強いのかなって思うじゃないですか。
森川 そうですね。
親子関係の見直しが起業の成功に繋がる
坂本 彼はそうじゃなくて出来なかった人が出来るようになる体験を積んでほしいと。
それがなんでそういう、出来ないを出来るにしたいのかって言うと、彼の子供の頃の体験に基づいていたんですね。彼が小学校1年生くらいの時に、体育の授業で鉄棒の前回りをやらないといけなくて、出来た人から抜けていき出来なかった人は残るっていうものがあって、彼最後まで残っちゃったらしいんですね。それで誰でも出来そうなことが出来なくてトラウマになっちゃったと。
ただこれが以前はそこまでしか答えてなかったんですが、それを助けてくれた人がいたんです。前回りを出来なくて苦しんでた自分を。それが彼のお母さんだったんですね。
お母さんがその後練習に3日4日付き合ってくれて、無事に前回りが出来るようになって、彼はそれを克服できたんですけれども、彼はお母さんに助けてもらって自分っていうのは、出来なかったものが出来るようになってすごく嬉しかったと、そのお母さんみたいな存在になりたいっていう事でこのVRをやってるっていう事に気付いたんですね。
森川 なるほど。
坂本 そこに気づいた時にすごく大きなブレイクスルーというか、ただ出来ない事を出来た事に変えたっていうのが、自分はお母さんのような存在になりたかったんだっていう様に自分がやろうとしてたことにすごく芯が通ったんです。
その出来ないを出来るに変えるっていうところに焦点を当てれば、じゃあ逆にこれけん玉じゃなくてもいいよねっていう形で横に展開できるように考えられるようになったんですよね。
それをいろんなスポーツ、野球とかテニスとか卓球とかそういうスポーツにも応用できないかっていうのを今考えていて企画を練ってるところなんですけれども、そういう形で自分の軸が定まると、どういう風に展開していくかっていうのも必然的に定まってくるっていう様なことですかね。
森川 なるほど。今の川崎さんの事例を聞かせて頂いて、例えば親子関係を見直すことと起業がうまくいくっていうことっていうのがすごくスムーズにリンクして聞かせて頂いたんですね。親子関係もそうですし、自分の人生について軸があるかどうかっていうのが、結局のところ起業と先生もおっしゃってたように人生観が出るってことがすごく詳しくわかりました。
坂本 はい。
森川 あれですよね、起業家がもしブレイクスルーを起こすきっかけがあるとするならば、大きな代表例としては、親子関係を見直して自分の軸がしっかり定まるっていうところが反省のきっかけになるというお話を聞かせていただきました。
坂本 そうですね。その辺が見直されて自分が何のためにやってるのか、何を受け継いでるのかが明確になってくると、自分の軸っていうのが明確になってくるので。
どうしてもビジネスって、起業って単純にお金儲けの方に走りがちなんですけど、お金儲けだけでいける限界っていうのがあるので、そこがわかってくると大きく変化してくるのかなと思いますね。
森川 今回は、ブレイクスルーを起こすきっかけについて聞かせていただきました。
坂本先生今回もありがとうございました。
坂本 はい。ありがとうございました。
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