立志財団会員ロング・インタビューでは、会員の志やビジネスのストーリーをご紹介していきます。
becoming代表取締役 門松 一美(かどまつひとみ)さんです。
門松さんは、孤独で辛かったご自身の子育て経験から、同じような思いを抱えているお母さんたちの力になりたいと料理教室を始められました。
素敵な想いをお持ちの門松さんですが、“やりたいことは明確だけれど自信が持てない”という状況にありました。
そのモヤモヤを解消したのが真志命だったそうです。
どのようにして真志命を明確にされたのか、そしてどのように変化されたのか、お話を伺いました。
子育ての悩みを救った“いんやん重ね煮”
−立志財団に入る前はどのような状況でしたか?
門松:私は薬科大学を卒業して漢方薬局に約9年勤め、結婚を機に仕事を辞めました。
子どもを授かりましたが、生まれた子どもがアトピーでした。
もともと西洋医学よりも東洋医学が好きで、子どものアトピーに関しては、ステロイドを塗って治しても根本的な治療にはならないことは分かっていました。
子どもの顔を見るのが辛くて、私のせいだと自分を責めたり、子育てが思うようにならなくて、鬱っぽくなってしまいました。
心配した助産師さんが、入院食で取り入れている“いんやん重ね煮料理” を習って、食から変えてみたらどうかと提案してくださいました。
いんやん重ね煮料理は、化学調味料を一切使わず、アレルギーの基本となる砂糖、小麦、油を極力使わない料理法です。
5年かけて師範という免状を取りました。
そして、いつかはそれを利用して料理教室をやりたいと思うようになりました。
ですが、2人目の子どもを妊娠したり、習い事の送迎に追われたりと子育てが忙しく、新しいことを始めるほどのエネルギーもないので、子育て中は調剤薬局でパートをしていました。
薬では限界があることが見えていたので、内心では“薬に頼っても良くならないよ、早く気が付いて”と思いながら仕事をしていました。
やりたいことには直結しないのでやりがいはなく、お金のために働いているような感じでした。
しばらく自分の夢が置き去りになっていましたが、下の子が高校に入って手が空いた4年前に、ようやく子どもとお母さんのための料理教室を始めることができました。
志から始まる新しい一歩
−なぜ立志財団に入会しようと思いましたか?
門松:私は子どもにアトピーがあることで、子育てがすごく孤独でした。
子どもが何か症状を持っているということで、どうにもできないお母さんたちがいると思うんですよね。
私が料理教室をはじめたのは、そういうお母さんたちの力になりたいと思ったためです。
そう思う一方で、今の医療や、薬局で一緒に働いていた人たちを否定する気がして、ちょっとおっかなびっくり教室を始めていました。
自分自身に確信がなかったんですね。
そんな時に、友人に誘われて参加したニーズマッチで、隣のテーブルだった裕子さんに声をかけていただきました。
1on1をやらせていただき、もしかしたら私の今のこのもやっとした気持ちは、真志命をしっかりつかめばが解消されるのではないか、力強くなれるのではないかと感じました。
坂本先生と裕子さんの真志命を聞いたときに、いろいろな想いを端的に言い表す力強い言葉が心に響きました。
私はもやもやの答えを外側に一生懸命求めていました。
ビジネスの知識を身につけようとか、人との交流とか、外側を固めることで自分が強くなっていくと思っていたんです。
でも、お二人とお話をして、私の中をしっかり固めた方がいい、内側から出る志や想いをしっかりつかんだ方がいいと思い入会しました。
軸が定まり迷いから確信へ
―立志財団に入会してどのような変化がありましたか?
門松: もともとは、周りからの見られ方をすごく気にしていたのですが、真志命を決めてから周りは気にならなくなりました。
私の真志命は『命を食でつなぐこと』です。
真志命が定まるまではもがきましたが、決まってからは活動が広がるし、人の縁もつながって、やってよかったなと思います。残りの人生の目的が見えてきました。
“お母さんに伝えたい”という目的がはっきりしたので、自分の言葉に力が出てきたような気がします。 そこがすごく変わったところです。
私の料理教室は健康の基本を伝えることを大切にしています。
なのでレッスン前には必ず、薬に頼らずに健康になるための大切な考え方を伝える講座をやります。
健康とは?から始まり、調味料の選び方や砂糖の話、添加物の話といった健康に関する情報を、毎月テーマを決めてお伝えして、1年間で習得できるカリキュラムにになっています。
世の中にあふれているいろんな健康情報に振り回されない知識をお母さんたちにはちゃんと身につけてほしいなと思っています。
調理は“いんやん重ね煮”をお伝えしています。
切って重ねて煮るだけの簡単調理法です。
野菜には陰性と陽性があるのですが、切った野菜を陰性から陽性に重ねることで鍋の中で調和して、それがすごくおいしいんです。
例えばお味噌汁は野菜からいい出汁がでるので、わざわざ出汁をとる必要がありません。
ミネストローネ、カレー、ハヤシライスも、全部重ねて煮るだけでできます。塩をちょっと入れたら離乳食用に取り分けて、残りを大人用に調理することで別熱に調理する手間が省けます。
切って重ねて煮るだけの簡単調理法で、離乳食にも使えるので負担が減るし、 調味料はシンプルで身体にも優しいので多くのお母さんに知ってもらいたいですね。
揺るがない自分をつくる
―立志財団ではどのような取り組みをされましたか?
門松:立志財団入会してすぐに、真志命のカンファレンスを聞き、私も来年この舞台で発表したいと思いました。
そのために、まず基礎講座10回を受けました。
自分をどんどんどん掘り下げていくことで、“やるべきことはやっぱりあるんだ”と、この世に生を受けた意味を実感しました。
その後、真志命の解放を受けました。
当時はまだ真志命が確立しておらず、頭で一生懸命考えて、いい言葉探しをしていました。
ですがそれが違っていて、真志命は“見つかる”ではなくて、“中から湧き出る”という体験をすることができました。
そこから言葉に力強さが出てきた気がします。
この頃には、ひと通りプログラムを受けて自分の核を固めようと思い、最後に真志命コースを受けた感じです。
これをやらない限り、私が今やっていることは揺らぎやすいと感じたので追求しました。
幸せな生き方につながる場所
―どのような方に立志財団をおすすめしたいですか?
門松: ビジネスをしていなくても、老若男女すべての人にいいと思います。
しっかりと自分の人生の目的を表現することで、自分の生き方やあり方が定まったり、自分自身がこの世に生を受けた意味や、親・祖先から受け継いだものを意識して生きていくことで、それが自分の幸せにつながっていくと思います。
私の娘と息子はまだ大学生ですが、その頃から考え、感じることが大切だと思うので子どもたちにも受けてほしいと思っています。
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以上、門松一美さんのロングインタビューをお届けしました
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