【起業家教育から立志教育へ進化する】新時代の教育で会社員や学生も元気になる!

立志財団会員ロング・インタビューでは、会員の志やビジネスのストーリーをご紹介していきます。

今回は立志財団理事長の坂本憲彦(さかもとのりひこ)先生です。
この度、立志財団の経営理念が【起業家教育で人々を幸せに】から、【立志教育で人々を幸せに】に変わりました。
その経緯と内容、今後の展望についてお話しを伺いました。

立志財団の強みは「真志命を見つけること」

−経営理念が変わった経緯について教えて頂けますか?
坂本:経営会議で立志財団の強みが何かを話し合いました。ほぼ全員から“真志命を見つける、明確にする”という意見があがり、改めてうちの強みは『志』だなと思いました。以前経営していた会社の影響から、これまではマーケティングの部分にも意識が向いていました。もちろん、必要時にはやりますが、強みはここではなかったと再認識したところです。
そして、立志財団を立ち上げて6年目に入り、対象を起業家に限定する必要はないんじゃないかと思い始めました。
立志塾で学び、会社から独立した会員さんから、社員さんに真志命の話をしてくださいと依頼がありました。いきなり一般の会社員の方々に真志命の話をすることには抵抗がありましたが、事前に会員さんから真志命を説明してくれていたこともあって、すんなりと受け入れてもらえました。その中のお2人が真志命発見セッションを受けたいと言ってくれ、その結果、お2人ともものすごい変化と気づきがありました。
立志の対象は起業家だけでなく、もっと広く多くの人に伝えていきたいという想いに至り、【起業家教育】から【立志教育】に言葉を変えた経営理念になりました。

起業家教育から立志教育へ

―なぜ今、立志教育なのでしょうか? 
坂本:日本の戦後教育に立志の教育がなくなったんですよね。学校で教わったことはないじゃないですか。その結果どういう社会になっているかというと、子供たちにやりたいことがない、夢がない、大学を選ぶ時もやりたいことではなくて行けるところに行くという基準です。とりあえずいい所に行っておけば、大学入ったらやりたいことは見つかると。けれど、卒業後の進路を決める時も、いい所の基準はやりたいことではなく、給料がいい所、福利厚生がいい所です。
だから実際に会社に入っても、ただ上司から言われた仕事をやるだけ、何のために働いているのか分からない、という状態になります。その結果、すぐに仕事を辞める人がいたり、体調や心を壊したり、自殺をする人も出てくるのです。今の日本は恵まれているはずなのに、幸福感を感じている人がものすごく低い国になっているんですね。
高度成長期は、戦前の立志教育、侍の魂を受け継いだ人達がいたので復活ができたんです。でも今はその世代の人は完全に引退しています。魂を持ってやっている人が減った結果、日本は一人当たりの競争力が低い国になったんです。そこで、本来強かったはずの日本を復活させる手段が立志の教育だと思っています。
5~6年前だったら立志の考え方は受け入れられなかったと思います。でも、コロナになって生活が変わり、みんなが生き方を考えるようになったじゃないですか。“軸に沿って生きる”という考え方に共感してくれる人が増えて、時代的にも立志教育が受け入れられる土壌が整ったと感じています。

立志教育で学生・会社員も元気にする!

―具体的に立志財団の在り方に変化はありますか?        
坂本:立志教育の一番の軸として“真志命発見セッション”を広げていきたいと思っています。真志命発見セッションというのは、立志塾の前半の部分、真志命を見つける部分を行います。志が明確になっていない人にとっては、これだけでも十分に価値があると思います。
受けてもらう人はもちろんですが、セッションを提供できる講師を増やすことにも力をいれていきたいです。
そこで、新たな教育コースをつくります。          
今までの立志塾は経営者コースと起業支援コースの2つでしたがこの2つを経営コースとしてまとめ、新しく“立志教育コース”をつくります。 “立志教育をする人、真志命発見セッションをやる人”を育成するコンサルタントのカリキュラムとして提供しようと思っています。立志塾卒業後の次のステップですね。
そしてもう一つ、起業家だけではなく多くの人に立志を広めるというところで、“キャリアコース”もつくります。これは、起業までではないけれど、会社員でキャリアアップをしたい方や、転職をしたいと考えている方向けのコースです。全13回の立志塾のうち、8回目の立志プレゼンまでをするコースです。会社員として働いている方達にとっては、普通に真志命見つけるだけでも大変だし、プレゼンでも大変なんだと気づいたんです。みんなそれだけ“自分のやりたいことを言う“ことをやってきてないんだなと。向き合いたくないし、人に言うことが恐ろしいと思っているんですよね。だからこそ、それをやることで仕事への向き合い方が変わり、業績にも良い影響が出てくるのです。
起業家、サラリーマンなど、仕事は違っていても、何をやるにしても真志命は大切になるので、真志命を広めるという体制を強化しました。

立志教育の指導者コースを新設

―立志教育の指導に携わることで、どのような変化が期待できますか?
坂本:真志命を教えられるということは、コーチ・コンサルの人は武器になります。そして、経営者や管理者は自分自身の組織がどんどん変わっていきます。真志命を教えられるということは社員の意識を変えられて、自分の会社をより良くできるということです。この人が一番求めていることは何だろうって、一人一人の真志命が見えるようになるので、それを会社の理念と繋げてあげることができたら、最強の組織になります。
また、教える相手が大事な志を見つけてくれた瞬間は、相手の喜びにもなりますが、教える側も魂の喜びを感じるんですよね。相手のコアな部分に触れるということですから、その喜びは他にないものなんです。その喜びに触れていると自分自身の魂も成長するということですね。相手のためだけではなく自分の成長にもつながる、こんなにいい仕事はないと思っています。
真志命発見セッションの講師になるかどうか別として、人を育てたいという意思があって、相手により良くなってほしいと思う人ならまずはやってみてほしいと思います。立志塾を受けて、自分自身が真志命と向き合い、喜びを感じた人であればできると思います。そしてその喜びを知りたい、触れていたいと思う人ですね。

『立志教育』が世界を変える

−新たな経営理念のもとで、新たなスタートを切る立志財団の今後の展望を教えていただけますか?
坂本:『立志一万』を実現していきたいです。
志は私利私欲のためではなく、誰か人のためにより良くなってほしいという想いが根底にあります。立志した人が1万になれば、日本が元気になるし、世界が変わってくると思います。立志教育は今はまだ常識ではありませんが、これから広がって、みんなが本当にやりたいこと見つけ、それをやっていけるとすごくいいですよね。もしかしたら困るのは今の経営者かもしれませんね。社員が自主性を持つことを嫌がる経営者もいるでしょう。言われたことを正確にこなすロボットみたいな社員の方がいいという人もいるので。でも、それだと結局一人一人の生産性は絶対に上がらないので、立志の教育をした集団の方が強い組織になります。
イメージしているのは、100人の社員でも、100人のお客さまでも、100人のコミュニティでもいいんですけれど、100人に影響を与えられる人を100人育てるというかたちです。
まずは、真志命発見セッションや立志の教育をできる人を100人育てて、その人達が100人に立志の心を教えていただくという体制を目指したいですね。