偉大な経営者は作っている ビジネスの成長に欠かせない百年大計

立志財団会員ロング・インタビューでは、会員の志やビジネスのストーリーをご紹介していきます。
今回のロングインタビューは、立志財団理事長の坂本憲彦(さかもとのりひこ)先生です。
今回は、ビジネスはもちろん、人生もより良くしていく【百年大計】についてお話を伺いました。百年大計とはどんなものなのか、作ることでどのようなメリットがあるのかなどを詳しく伺っています。

百年大計はビジネスを成長させる

−まず、百年大計について教えていただけますか?
坂本:百年大計とは、真志命を具体化したもので、いわゆる事業計画です。百年後の未来まで見据えた計画を立てます。偉大な経営者は超長期のビジョンから事業を描いています。100年後という自分を超えた未来を描くことで、何を次の世代に残したいのかが見えてくるのです。
100年後の未来を実現するために、30年後、20年後、10年後、5年後、3年後、1年、6ヶ月、3ヶ月、今、何をするのか、計画を具体的に立てることで、ブレない事業計画を作ることができます。
事業計画というと、多くの人は、銀行でお金を借りる際や補助金申請の際にコンサルタントに作ってもらったりします。ですが、事業計画のそもそもの目的は事業を成長させるための“ビジネスの設計図”です。ですから、コンサルの人に作ってもらったものは申請を通してお金をもらうという面では意味があるかもしれませんが、経営という面では意味がありません。経営者自身が作ることが大切なのです。
既に起業をしている人でも、そもそも事業計画を作っていなかったり、あったとしても百年大計レベルで作っているかと言ったらそうではない人が多いと思います。はっきり言って百年大計を作るのは大変です。だから後回しにするのですが、これを作っているだけで、最終的には自分で事業の改善すべきところが分かって自走できるようになるんです。そうすることでどんどんビジネスが成長していきます。
そこで、今まで百年大計は立志塾を受けた人しか作っていませんでしたが、これからは、立志財団のみなさんに作ってもらうことを標準化したいと思っています。これを作れるようになるところが立志財団の役割かなと思っています。

事業の全体を把握しなければ発展はない

−百年大計を作るメリットについて詳しく教えてください。
坂本:事業の見える化ができて、全体最適の視点でビジネスを考えることができます。
みなさんの相談でよくあるのが、複数の事業をやっていて、その中の一つの事業についての相談です。
“全体最適と部分最適”という考え方があります。組織の一部をハイパフォーマンスな状態にしても、組織全体として最適な状態でなければ結果として成果は上がらないという考え方です。つまり、ビジネスをより良くしていくためには、事業全体を見て、どの事業に時間を費やしているのか、進んでいないのはどの部分なのか、今集中すべきところはどこかなど、全体最適をしたいのです。事業全体を把握する時にこの百年大計がとても役立ちます。
そもそも皆さん、会社を経営していても全体最適を実践できていない方が多いようです。
立志塾の受講生で、社員から「うちの会社が何をやっているか分からない」と言われた方がいました。そこで、今やっていることを全部書き出したら、社員4,5人にも関わらず10個のビジネスが出てきました。全部を書き出したことで、何に集中すべきか、誰が何をやるかが明確になったんです。
要は、全体が把握できていないと、社長自身も自分がやってことが分からなくなり、とりあえず目の前のことをこなすだけになります。もちろんその状況では社員もどうしてよいか分からないので、指示がないと動けないようになってしまいます。まだ仕事が回っているうちはいいですが、気づいたら需要が下がって仕事がないという状態にもなりかねません。これでは会社は発展しません。見える化をすることはすごく大事なんですね。

現状を知ることで成長ができる

坂本:また、もう一つのメリットとして現在の事業の足りていない部分に気付くことができます。
実際に百年大計のテンプレートに沿って書き出してみると、書けない項目が出てきます。でも、それがいけないということではありません。書けないということは、自分に足りていない部分だということです。例えば、実行計画が書けないということは、計画なく思い付きでやっているということです。これではいくら頑張っても事業は成長しませんよね。
自分に足りないところに気付けたら、あとはそこが書けるように立志財団のサービスを受けてみればよいのです。立志財団には、志ビジネスを実現するために役立つ様々な分野のコンテンツが揃っています。
実行計画がなければ『実践会』、真志命が書けなければ『真志命発見セッション』、ビジネスモデルができていなければ『ビジネスモデルブートキャンプ』に出ましょう、といったように、自分がどのサービスを使えばいいかも分かってきます。個別で専門家のコンサルを受けられる『立志コンサルティング』もあります。ご自身のお悩みをピンポイントで相談できるためぜひ活用していただきたいサービスです。コンサルを受ける際も百年大計があることで的確なアドバイスを受けられるようになります。ビジネスの全体が書き出してあれば、どこまで分かっていてどこが分からないかが明確なっているため、効果的な指導ができるのです。
ぜひ、ご自身の弱い部分や強化したい部分を把握して活用してください。

立志塾で成長スピード5倍

−百年大計はどのように作ったらよいですか?
坂本:百年大計の概要は、『立志塾特別1DAYセミナー』や『ビジネス基礎講座』で説明をしています。話を聞いてもらって、一人で作るのが難しそうであれば、ぜひ一緒に立志塾で作りましょうというかたちです。私の話を聞きながら一人で作った方もいましたが、完成するまでに二年かかりました。立志塾であれば数カ月で出来上がるため、その分事業の成長スピードも速くなります。さらに、アドバイザーや同期から多くの意見をもらえるためより良いものが出来上がります。立志塾を受けて上手く活用している人は、百年大計を自分で毎年作り直しているんです。そうすると、自分ができていない部分と、強化しようという部分が見えてくるためです。これをやっていたら勝手に売り上げが上がっていきます。自分で現状把握をして見直していくのですから、売り上げが上がらないわけがないですよね。

百年大計は人生計画

―百年大計は、経営者以外の方にも必要なものですか?
坂本:ぜひ、一般の会社員の方にも作っていただきたいものです。自分が経営をしていなくても、今の会社のキャリアを考えていくために使ったり、副業をするならどうやって生活に組み込んでいくのかを計画する必要がありますよね。
サラリーマン事業部の現状はどうなのか、どういうコンセプトで進めているのか、副業はどうか、家庭はどのような方向で運営しようとしているのか、といったことを全部書き出していきます。イメージとしては自分の人生計画ですね。
家族用の百年大計を夫婦で一緒に作るというのもいいですよね。人が2人いたらそれは組織ですからね。年に1回家族会議で、その年の家族の方針をどうするか話してもおもしろいと思います。