立志財団会員ロング・インタビューでは、会員のみなさまの志やビジネスのサクセスストーリーをご紹介していきます。
今回は営業トレーナー、ボディメイクプランナーの島田皓一(しまだ こういち)さんです。営業マン時代、独立後の数々の苦悩を乗り越えてご自身の真の強みを見出したその道筋について語っていただきました。
精神的なゆとりが良い営業を作り出す
―まず、今の事業を始めた経緯についてお話いただけますか?
島田:以前は商社で、転職後に人材紹介の会社で営業マンをしていました。自分の拠点の営業成績が最下位でマイナスなんてときもありましたね。
―マイナスなんてあるんですか?
島田:はい、早期退職やキャンセルがあると…それはもう鬼シバキでしたよ。もう腹を括って押しをなくして、メリット・デメリットを両方伝えるようにしました。結局お客さんが自分で選ばないと意味ないですから、お客さんの話をどれだけ感じとれるかを意識しました。すると自分の精神的にもゆとりができて、成績も今度は全拠点中一位の達成率140%を出すことができました。
―精神的なゆとりがパフォーマンスに大事なんですね。
島田:ギリギリの状態では「売りたい気持ち」がお客さんにも伝わってしまいますから。余裕を持っている方が絶対良い提案ができます。そこから営業成績に悩む人を助けたいと思うようになりました。
一人では気づけなかった自分の強み
島田:会社にも色々と思うところもあり、病気と怪我も重なり退職して一昨年の11月に知り合いの会社を手伝いながら独立して営業トレーナーを始めました。
―ボディメイクについてもその時から?
島田:スポーツ関係で何かやりたいというのは頭の片隅にあった程度で、それが具体的になったのは立志塾からです。イケるよ!とたくさんお声をいただいて…
―島田さんのスポーツ経歴を改めて教えていただけますか?
島田:体操歴は28年。トレーナー歴としては17年です。12歳のとき全日本Jr.大会で全国5位になりました。周りの人にはすごい強みと言ってもらえるんですが、何がすごいのかわからなかったけど…自分の怪我が多かったこともあり、そこで得た知識を人に活かそうとスタートさせました。
―私も相当すごい実績だなと思ってしまいますけど(笑)
島田:百年大計も作って、実際にモニターを募集したらかなりの人数が、それも女性が集まって驚きました。教えていることは自分では息をするような感覚だったので(笑)。正式にメニューが決まったら教えて欲しいという人もいて、これだけ期待されているならしっかりと収益化していこうと思えましたね。坂本先生が仰っていた「自分の当たり前は他人の当たり前ではない」ってこういうことなのかと思いました。僕は体操の世界では上には上がいるのを知っているから自分の実績に自信が持てなかったんですね。ずっと半信半疑だったけど、人に言われてようやく強みを自覚することができました。
独立後の経済的・精神的苦悩を乗り越えて
―独立してからの苦難はありましたか?
島田:数えだしたら切りがないですけど、一番苦しんだのは独立して2ヶ月くらいしてから資金ショートしかけたときです。病気と怪我で貯蓄があまりない中で会社を辞めてしまったので。月末に向けてどうする…という状態でした。結論から言うと親にお金を借りたんですがこの「お金を貸してくれ」と親に電話するのに1ヶ月近く悩みました。
親に心配をかけたくないというのもありましたし、売上が立っていない自分を認めたくないというのも今思えば確かにありました。「今日電話しようか…今日電話しようか…」とずっと悶々とするなかで12月の終わり、銀行の営業日も残り2日、この日を逃したらもう無理だというところで意を決して親に電話をしたんですね。
そしたらその電話、1分で終わりました!「すまん、金貸してくれ…」、「おう!いくら?」って(笑)。「明日振り込んでおくから!じゃあ頑張ってね!」って言われました。俺はこの電話するのにどれだけ悩んだんだ…って思いましたね(笑)。でもこの電話をするまでの1ヶ月が本当に苦しかったです。現実を受け入れられなかったし、精神的にも相当追い詰められていました。
―それだけ親に信頼されていたんですね。
島田:父親が独立に賛成してくれていたのが大きかったですね。父親自身がもともと転職したかったし独立もしたかったけど叶わなかった。だからこそそういった夢を僕に託してくれているのかもしれないですね。その後は銀行からの融資もおりたので、少しは余裕をもってビジネスに取り組めるようになりました。
―それからは仕事面でも変化はありましたか?
島田:徐々にセミナーに来てくれる人も増え出して、コンスタントに参加者は集まる状態でうまく回り始めていきました。時間はかかったけど経済的・精神的な余裕がビジネスにいい影響を与えるんだって改めて思いました。
対価をいただくことが心とサービスを鍛える
―それは営業マン時代にも通ずるところがありますね。
島田:ありますね。それをわかっていたつもりでも焦ってしまった。それはお金を貰うときの恐怖心にも言えます。自分のビジネスでお金を貰うとき本当に価値を提供できているのかという恐怖です。営業マン時代に散々やってきたはずなのに…だからこそ、筋トレのモニターでは小額も頂くようにしました。
それは本サービスを始めた時の恐怖心をなくすための、いいサービスを提供して正当な対価として受け取る勇気のための、自分との約束なんです。そうすることが、自分のサービスの向上になると思います。
自身の経験から真の健康を提案していく
―最後に今後の展望をお願いします。
島田:ボディメイクの事業はこの時勢でもいい波ができているので、まずはこっちを黒字化させていくことです。そこから営業の事業も拡大させていきたいです。
―ボディメイクではどんな価値を提供していきますか?
島田:最終的には自分自身で健康になってもらうことです。いつまでも僕が指導していく方がお金になりますが、教えた方法を無理なく自分でやっていくことが本当の健康につながると思うからです。日常的にセルフコントロールできること、ほんのちょっとの積み重ねが大切だというのは僕自身が体操の怪我を通して学んだことなので、自分の意志で自宅でも継続できる方法をお伝えしていきます。
インタビュアー:岡﨑智紀