『しなやかな自分軸を育む』自分を見つめなおすことで志がより明確に

立志財団会員ロング・インタビューでは、会員の志やビジネスのストーリーをご紹介していきます。

今回は、一般社団法人マイドキュメンタリーJAPAN 代表理事、株式会社道々楽者 代表取締役 佐藤 太志朗 (さとうたいしろう)さんです。
佐藤さんは立志塾23期で学ばれました。すでに会社は動いていたため、起業について学ぶことが目的ではありませんでした。経営が軌道に乗っている佐藤さんが立志財団にどのような目的で入会され、どのようなことを学ばれたのか、お話を伺いました。

フリーランスから法人化、そして新たな挑戦へ

−立志財団に入る前はどのような状況でしたか?

佐藤:僕はフリーランスで6,7年やった後、個人事務所で人を雇ってさらに10年くらいやっていました。
その後法人なりして、スタッフ10名弱くらいの規模で、7,8期迎えた会社というタイミングでした。

また、現在一般社団法人マイドキュメンタリーJAPANを立ち上げていますが、当時は構想として一般社団法人化していくことが具体的に決まっているような段階でもありました。

コロナのタイミングだったので、打撃も受けましたが、スタッフも抱えて事業としてどうやって回していく会社なのかというのは、もうできている状態ですね。

自分を見つめなおす

―なぜ立志財団に入会しようと思いましたか?

佐藤:僕は最初に立志財団会員の長井さんと出会って、「自分を変えてくれた立志財団の坂本さんと、よかったら一度話をされてみるといいですよ」と紹介いただきました。

坂本さんとお話をさせていただき、人が志を立てて、そこに向かって社会で仕事として成し得ていく、そういう理想とする人のイメージだとか社会のイメージにすごく共感が出来たんです。

僕のマイドキュメンタリーJAPANでは、『しなやかな自分軸を育む』と言っているんですけれど、つまるところはやっぱり立志なんですね。
内省化とか自分の価値観とか、そういうところに触れていく、これをしっかりと定めていくと立志になっていくと思います。 
僕はその観点を持つことの大切さに気付いてもらうためのプログラムをやっているので、このあたりに坂本さんとの共感がありました。

また、志は一度立てたら一生変わらないもの、というものではなくて、自分の変化と向き合いながら変わっていっていいものだよね、というところも坂本さんと同じ考えで大変共感しました。

一度立てた志にこだわってしまうと、状況の変化とか、困難な状況には折れるしか無くなってしまう、もしくはこだわって対立してしまうしかなくなるんですよね。
でもそうではなくて、そういう時にこそ、改めて一番大切にしている軸は何だっけ、と見つめ直したり、こういう風に自分を捉えていたよなと気づけたら、もう少ししなやかに対応していけるじゃないですか。

なので、僕は“しなやかな自分軸”しかもわざわざ“育む”とつけているのは、軸を確立するのではなくて、そこのきっかけづくりを大切にしています。

さらに、僕自身も自分を見つめなおす大切さを分かってやっていますし、これは一人でやるよりも人と関わってやった方が良いということを自覚しています。

立志塾を受けようと思ったのは、社団を作るために分からないことがあるとか、初めてビジネスを立ち上げようとしているからとか、何からやっていいか分からないとかではなかったんですよ。
でも、坂本さんが描いている理想も共感出来ているし、自分を見つめなおす、信じられるプログラムをきっとやっていらっしゃると思えたので、立志塾23期、立志財団会員なりました。

企業理念がより明確に

―立志財団に入会してどのような変化がありましたか?

佐藤:これまでの自分や会社を振り返り、百年大計を作ることで、やるべきことや現状の課題が明確になりましたね。

僕は百年大計を整理したものを会社の社内説明資料に使っていて、前期も今期も百年大計をもとに事業計画をブラッシュアップして、年度の方針説明にも使っています。

次のステップを考えるときにも、百年大計にもうちょっとこの辺を足した方がいいなとか、ここ変えようかなと考えるためのベースにもなっています。

百年大計の中でも事業計画の部分では毎年実際に結果が出るので予実の管理になると思うんですよね。
計画通りに進んでいるのか、違うのか、違うこと自体がいいことなのか悪いことなのか、そういう判断の一つの軸になります。

これまでもそれをやっていなかったわけではありませんが、自分や会社の課題の洗い出しをすることで、より明確化する機会になりました。

また、営業が中心の会社をやられている方は、多分営業さんが使う会社の説明資料や営業資料があると思いますが、百年大計はもう少し社長目線の資料になっています。

そういう意味では社内におとすのに使いやすく、社長が会社を伝えなければいけないシチュエーションの時に、自分の志を言語化することに役立つと思います。
僕の場合は立志塾を受けたことで、創業からつくっている企業理念自体は変わりませんでしたが、読み解き方や伝え方がより明確になりました。

自分がどう活用するかを意識する

―立志財団ではどのような取り組みをされましたか?
 
佐藤:最初の頃は実践会に月1回くらいのペースで入っていました。
改めて1回立ち止まって、今月の事業はどうだったとか、僕自身はどうだったかなと考える時間になりました。
会社の規模とか関係なく、その日たまたま同じになった仲間からフラットに意見をもらえるのも、逆に人のトピックに一生懸命考えて答えるのも気づきがあって役立ちました。

僕は去年会社がバタバタしていてこの1年程コンテンツを一つも受けられていないんです。

活用していない代表みたいな過ごし方をしていますが、逆に、そんなタイミングだからこそコンサルタントをやりませんか、サポート面談チームに入りませんか、というお誘いは、喜んでお受けしました。
コンサルや面談で御相手に一生懸命に向き合うことは、同時に自分自身が新たな視点をいただいたり、学ばせていただく機会になっていてそういう意味で活用できていると思います。

どんな会でもそうですけれど、入った後、自分がどう使おうって考えながら活用することが大切だなって思いますね。

志を明確にして次のステップへ

―どのような方に立志財団をおすすめしたいですか?

佐藤:ひとつは、軌道に乗っているビジネスモデルがあって、経営の次の集中と選択みたいなことを考える時期にきたなとか、もしくはまだまだ自分は現役だけど最期この会社どうしようかなというのがなんとなく頭によぎっている人。

もうひとつは、ちょっと会社の経営が苦しくなってきたなという人や、既存のモデルで明るい未来が少し見えなくなってきた人にいいと思います。

これから起業を考えているような人たちへのプログラムが充実していることはもちろん、ある程度経営をしてきているフェーズの人にもいいものだと思っています。

起業されている方もいろんなタイプがいて、数字に強いけれど想いの部分が不十分な方もいるし、想いが強いけれど数字がうまくいかない方もいます。
ただ、どんなタイプの経営者も、次に何をしようかなというときに、志を再度明確にすることはすごく効果的だと思います。

また、目先の儲け話的な事業計画だけではなくて、それが5年後10年後、百年大計でいう100年後の、自分が死んだ後の事業をどうするか、というところを具体的な数字をみながら考えることが大切だと、経営を10年くらいやっている人たちは気づいているはずです。

経営をある程度してきて、事業自体のモデルはある程度できたよという人たちも、次にどこに行くかというときに学ぶ機会は大切だと思います。
そういうところで、立志財団にはとてもいいプログラム、コンテンツがあると思うんですよね。