IT格差をなくす! 人の心を大切にするITの専門家 村松 裕基さんインタビュー

立志財団会員ロング・インタビューでは、会員のみなさまの志やビジネスのサクセスストーリーをご紹介していきます。

合同会社eeesの村松 裕基(むらまつ ゆうき)さんです。

ITが苦手な人のためのサポートしている現在の活動と、IT化が進んでいる社会における今後の活動の展望について語っていただきました。

行き場のない困りごとを解決

現在のお仕事について教えていただけますか?

村松:一言で言うと、ITのコンサルティングや、ITのサポートの仕事をさせていただいています。パソコンなんて触りたくない人やITが苦手な人、そういう方たちにもITを活用してもらって、それぞれのビジネスが豊かになってほしいという想いで『ITが苦手な方のためのITコンサルタント』をテーマにやらせていただいています。

一番多いのは、パソコンを買い替えるときに「どんなパソコンを買えばいいのか分からない」という本当の最初のところですね。どんな作業で使うか要望と予算を聞いて、パソコンを買ってお宅にお伺いします。そして、プリンターの設定やインターネットの接続なども直接対応します。あとは、よくある“SNSのフォロワーを増やす”とかではなく、「SNSって何?」「どうやって投稿するの?」「アカウントのつくり方は?」というご相談や、「スマホが壊れたのでデータ移行してくれ」「USBのデータが飛んだから復旧してほしい」など、そういう基本的なレベルのサポートをしています。身近にある、どこに聞けばいいのか分からないITの困りごとが私のところに来るイメージです。相談内容で言うと家電もありです。本当に苦手な人にとって、そもそもITの区別が分からないじゃないですか。だから、何かの専門家とかではなく、ITのことを広く浅く理解しているというのが村松です。基本的なことに関してはなんでも対応できます。もっと細かなプログラミングなどは専門家の方を紹介します。ZOOMの相談も受けていますが、ITが分からないとオンラインもできない方が多いので、訪問が一番多いです。あとは、チャット上でITのことをいつでも何でも相談できるオンラインサロンもやっています。

例えば、グループチャットにパソコンのエラー画面の写メが送られてきて、「どうにかしてほしい」という相談があり、村松が回答するみたいな感じです。会員全員が見られるようになっているので、それを見ると他の会員さんも「こういう解決法があるんだ」というのが分かったり、「このトラブル前に見たな」とか、「こんなことも相談していいんだ」というのが分かるようになっています。

 

IT格差をなくす

―ITコンサルを始められたきっかけはなんですか?

村松:もともと私は理系の高校、理系の大学で、その後プログラマー・ITエンジニアになりました。完全にIT業界の人間で、しかも父もずっと昔からパソコンを持っていてそのお古をもらっていたので、3歳の頃から自分のパソコンを持っていたんです。パソコン歴で言うとその辺のエンジニアには負けないくらい長いです。パソコン人間だったのでパソコンがあって当たり前だし、使えるのが当たり前という環境で育ったんです。でもいろんな転機があって、25歳の時に保険の営業マンに転職するんですね。その時に、世の中にはこんなにパソコンが使えない人もいるんだと気づいたんです。営業マンはあまりパソコンが得意ではないので。この世にはIT格差がものすごくあるんだなというのを肌で感じました。今ももうIT化は来ていますけれど、それがもっともっと激しくなって、5年後、10年後ほんとにITが使えないとどうなってしまうんだろうと思った時に、私にできることはそういう人をサポートすることじゃないかなと気づいたのがきっかけですね。

取り残された人を見過ごさない

―なぜ、ITの技術や知識を自ら発揮する側でなく、苦手な人サポートする側を選ばれたのですか?

村松:一番大きい経験は、小学校1年生の頃にいじめを受けていて4年間くらいひきこもっていたことです。その経験から、取り残されているというか一人になっている人、そういう人を見過ごせない性格なんです。自分がいじめから立ち直ってからは、人にばんばん声をかけたりする性格に振り切ったので、ITにおいても取り残されている人たちを見過ごせない、見過ごして前進するのが嫌なんですよね。だから、そういうところをカバーする人間になりたいなと思っています。

挫折を経験し天職に出会う

―起業しようと思ったきっかけはなんですか?

村松:もともとはプログラマーだったんですけれど、会社を首になってしまったんですね。私が入社した時がリーマンショックだったんです。リーマンショックから2年後に会社の経営が傾いて誰か切ろうとなった時に、「村松はエンジニアじゃなくて営業マンぽいからうちの会社じゃない」と言われて切られたんです。その時に、会社は守ってくれるものではないんだなというのが身に沁みて。だから25歳の時に、会社に入るも入らないも、自分一人でも稼げるというか、生活できる人間になろうと決断したんです。それで、じゃあどうすればいいかなと考えて、とりあえず営業力を磨けば、どんな事業でも独立も成功するんじゃないかというテーマで転職活動をして、保険の営業マンになったんです。なので、いずれ独立って考えながら転職活動をして、保険の営業マンになったらITのサポートというのが私にできることじゃないかと気付いた、そういう流れです。

IT社会だからこそ大切なのは人の想い

―今後の展望を教えてください。

村松:一つ目は会社の経営理念である『この世からIT格差をなくす』ですね。そのためにも私一人では無理なので、ITをサポートできる人間が日本中に散らばるような仕組みを作っていきたいなと思っています。最終ゴール地点は、ITサポートのウーバーイーツみたいなものをやりたいです。ITスキルを持った人が登録をして、研修をして、どこのエリアにもスキルがある人がいるような状態。得意な人は副業にもビジネスにもなるし、苦手な人にはITサポートにもなるみたいな状況を作り出すという構想があります。実際にどうやってやるかは今考え中です。

もう一つは、『想いで動く人間をもっと増やす』ことです。これからITがどんどん進んでいって、AIの時代になっていきます。AIの時代に何が必要かと言うと、私は一重に“志”とか“人間の想い”だと思っているんです。うちのロゴにもその想いを込めていて、青がITで赤が人の想いです。この2つが融合するものをという意味合いがありここに強い想いがあります。

ITはツールなので、振り回されずITを使いこなす人間を増やしたいです。AIもそうです。AIに支配されることもあり得るので、AIを使いこなす人間を増やしたいです。

今は稼げる話で再現性が高いビジネスとかがあるじゃないですか。でも、再現性が高くマニュアルが作れるということは、AIにプログラミングをすれば同じことができるので、AIに仕事を奪われてしまうんです。だからスキルどうこうではないんです。熱い志を持った人間がこれからは生き残る、IT時代に負けない人間になるんです。

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