【学習塾経営】大伯父から続く教育者の道へ 真志命を実現するための新たな挑戦 山口俊哉氏

立志財団会員ロング・インタビューでは、会員の志やビジネスのストーリーをご紹介していきます。
今回は、学習塾セルモ足立皿沼教室を運営している山口俊哉(やまぐちしゅんさい)さんです。
会社員から教育者へと転身したきっかけや、真志命を見つけたことで起こった変化、そして新たな仕事への挑戦について語っていただきました。

生徒が主体的に学ぶ自立型学習

−まず、現在のお仕事について教えていただけますか?
山口:足立区でセルモ足立皿沼教室を運営しています。
セルモの教育には特徴がありまして、他の塾とは形態が違う“自立型”の塾です。

一般的な東京の塾は、講師が中心になって説明をし、生徒がついていくという形です。しかし、セルモは講師が教えることよりも、問題演習が中心です。困った時に声を掛けるけれど、基本的には自力で問題を解いていくシステムです。とても簡単な問題からスモールステップでやっていくので、自然と考え方が分かるようになっていくんですね。

自立型学習のメリットは、まず短期間で成績が上がることです。
他の塾は教えてもらう時間が多いので、授業中にあまり問題を解けません。成績を上げるためには一人で問題を解けるようにならないといけないので、その分宿題がたくさん出るのが普通です。
でもセルモでは授業中にたくさん問題をやるので一人で解く力が身に付きます。さらにパソコンが教材なので動画もあって楽しく勉強ができます。その結果、短期間で成績が上がりますね。

2つ目のメリットは弱点をすぐに発見できることです。
プリントと違ってパソコンはクリックしただけでつまずいたところにすぐ戻れます。小1~中3まで教科書準拠のシステムですので、前学期や前学年の弱いところにすぐ戻れます。
それから分からなかったところが分かるようになり、自信がついていきます。
講師は弱いところだけをポイントで教えるので非常に効率良く進むと思います。逆に、余裕があったらどんどん先に進むこともできるので予習復習が自由自在です。

大伯父から続く教育者の道

−なぜ、教育の仕事に携わろうと思われたのですか?
山口: もともとは会社員で、出版業界と広告業界が長かったんですが、教育の仕事はいつかやってみたいと思っていました。景気が悪くなって以前の会社を辞めることになった時に塾のフランチャイズ・オーナーの募集があって始めました。

教えることが好きで得意だったのですが、なぜ教育なのかは自分でもはっきり分かっていなかったんです。けれど、坂本先生に「両親の影響を受けている」と言われて気づきました。

私の父親も母親も教育者で、知らないうちに影響を受けていたんですね。母に尋ねて分かったことですが、実は父方の叔父や母方の叔父、大伯父も教育者で、代々教職が続いていたんです。
最初の就職の時にはそんなことはまったく考えていなかったんですが、自然と教育の道を選んで、40代で塾をやるということになったんですね。
大人になっても、子供の時に受けた両親の影響が強いわけですね。

私たちは無意識のうちに自分を押さえていたりしますが、坂本先生のもとで志を見つける勉強をして、子供の頃を振り返って、何十年も前のことを書き出して、本当はどこへ行きたかったのか、何をしたかったのかを思い返す、このワークを繰り返すと今までと違う自分が見えてきます。
それから、自分のやるべきことが見えてきたという感じですね。

真志命と今後の展望

− 今後の展望を教えてください。
山口: 今後は将来的に国語教室を始める予定です。
私の真志命は「作文教育で“自分らしさ”を育てる」ですが、いまの教室だと英語と数学ばかりを教えることになるので理想の未来が半分も実現しません。

私の強みは作文・小論文指導です。そして、「将来、社会問題に取り組んで解決したい」という大学受験生を対象にしたいので、少し方向転換しようと思います。

ですから、時代の移り変わりもあって、次はオンラインでマンツーマンの個人指導ですね。
普通、作文・小論文は学校では習いませんし、塾のアルバイト大学生では難しい。塾によっては作文専門の先生がいるらしいですが、私は独自の授業(講義)ができますので、より自分らしい作文教育ができると思っています。

“自分らしさを育てる”教育

—作文教育の中でもなぜ“自分らしさを育てる”ことにポイントを置かれたのですか?
山口:今まで塾では第一に成績や点数を考えるので、それに合わせた授業をするという発想になってしまうんですね。
能力とか技術的なことを一生懸命に伸ばすという感じですが、その考え方で教えていると自分らしさが全然育たないわけです。

真志命を発見して、私が本当にやりたいこと、私の強みというのは、文章で自分のことを表現することなんです。教育者家系でその才能を先祖からもらっているので、文を書くところが私の持ち味です。

私が最初に就職したのが出版社の編集部だったので、作文や小論文を書くことは難しくないです。さらに塾長経験もしたので、教え方の自信もあります。

記述式がメインになる

山口:今までの日本の受験は、マークシートや、答えだけ合えばいいシステムだったんですね。答えだけ合っていれば正解という形式がずっと続いてきました。
ですが、今後の日本の教育はこれまでのスタイルを辞めてグローバル化をしようとしています。世界の標準に日本を合わせていこうとしているわけなんです。

マークシートや知識重視で“答えは一つしかない”という正解主義から記述式に移っていきます。つまり、“あなたの考え、意見を○○字以内で書きなさい”という記述問題になっていくんです。ですから、作文・小論文で自分を表現することが大切になっていきます。
ここに私の持っている力や経験が役立つと思っているんですね。

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