学生時代の起業失敗、厳しい保険営業マンを経て独立へ。挑戦する人達を保険でサポートする志

立志財団会員ロング・インタビューでは、会員のみなさまの志やビジネスのサクセスストーリーをご紹介していきます。

今回は株式会社イマジン・クオリティーズ代表取締役の廣瀬 知生(ひろせ ともお)さんです。保険という形のない商品を通して挑戦をサポートしていく志を語っていただきました。

オーダーメイドでお客様にあった保険を

−まず、現在のお仕事について教えていただけますか?

廣瀬:株式会社イマジン・クオリティーズという保険の代理店を経営しています。販売だけを専門にしており、扱っているのは東京海上日動のみの専属です。お客様は中小の法人様がほとんどですね。

−保険代理店として他社との違いはありますか?

廣瀬:違いとしては、オーダーメイドに保険を提供しているところです。オーダーメイドではない保険、例えば自動車保険などは、オペレーションがお客様企業にとっては負担になることがあるので、当社ではオペレーションをお客様にあった形で負担を減らしてリスクマネジメントできるように提供しています。そのためには保険のことを深く理解し、色々な業種のビジネスモデルやビジネスリスクを把握できる経験がないとできないので、オーダーメイドの保険を作ることが強みだと思います。

−それだけの経験と知識がおありなのですね。

廣瀬:業界経験としては10年くらいになりますね。延べ1,000社くらいは取引させていただきました。今のクライアント様は130社くらいです。独立前は東京海上日動の社員として2年、その後も比較的大きい代理店に3年いました。

厳しい環境で学んだ「営業」

−もともと起業を志していらしたのですか?

廣瀬:起業に対する興味はありました。学生時代に友達や先輩と一緒に飲食や株で起業をしました。その会社はうまくいかなくなってしまいましたが、いつか起業で再チャレンジしたいと思っていました。その時ちょうどロバート・キヨサキの本を読んでいて、起業で成功するためには営業を学ばないといけないと思いました。その後、知人から営業職の仕事を紹介してもらって保険の業界に入りました。

−保険の営業というと、とても厳しいイメージがあります。

廣瀬:めちゃくちゃ厳しい世界です。3ヶ月に一度更新基準があって、達成できないとクビなので。3年間で独立を許されるんですけど、120人いた同期のうち3年目の研修で残っていたのは10人くらいだったと思います。

−それはとても厳しいですね。学べたことも多くありましたか?

廣瀬:そうですね。売らないと生き残れないのもありますし、保険は「物がないもの」を売らないといけないので、営業っていうものを学べたと思いますね。お客様に鍛えていただいて、それなりに売ろうと思えばなんでも売れるようになれたと思います。

売り上げと人員、時間のバランス

−独立されてからの苦労について教えていただけますか?

廣瀬:まずは売り上げを上げることですね。独立してからも代理店なので保険会社のルールや方針に従わないとうまく売れない仕組みになっているので。まずは売り上げを上げること、次は増えたお客様の管理の問題があるので、今は人件費が課題ですね。今は5人の会社ですけど、家賃や人件費はかかりますから、成長性とコストとの兼ね合いはいつもあります。まだ5年なのでどうやって売り上げを上げるかは悩みますし、大企業ではないので採用コストもたくさんかけられない、かと言って誰でも良いわけではないので、そこが大きな課題です。

−そうですね。そのバランスは悩ましいですね。

瀬:あとは、時間との戦いなのでそのバランスも悩ましいところです。限られている時間の中で1日のアポイントを4つも5つも入れてしまうと、一人のお客様にかけられる時間を大切にできなくなるので信頼関係にかかわりますから。そして営業だけでなく経営者としてもやるべき仕事もあるので、時間に対する改善や効果性は考え続けています。最近では、オンラインミーティングができるようになってきたことに可能性を感じています。

挑戦者を成功に導く志

−ご自身の志について教えてください。

廣瀬:私の真志命が「挑戦をサポートする」ことで、会社としても「挑戦者を成功に導くプロ代理店」をミッションに掲げています。保険を必要としている人はリスクを取っているから必要なわけなので、挑戦者なんです。私自身のミッションとしてやりたいと思っていることの商品の形としては保険だなと、明確に繋がりを感じています。年間数百万とお支払いいただいている企業は、それ以上のリスクを負っています。中小の経営者は大きなリスクに1回見舞われたら会社を閉じるだけでなく、家族も露頭に迷うことと隣り合わせですから。実際に売り上げの7割は損害保険で、毎年の更新もあるので、その時の形に合わせて具体的にお客様の挑戦をサポートさせていただいている仕事になっていると思います。

−廣瀬さんが「挑戦」ということにこだわるのにはどんな理由がありますか?

廣瀬:昔から野球もやっていて、チャレンジするっていうのが学生の頃から好きだったんだと思います。立志塾で過去を振り返ってみたら挑戦しては失敗してを繰り返してきたな、というのはあったんですね。何より前の起業で失敗は何のリスクヘッジもなく無謀に挑戦したのが1番の要因だったので、知識があれば防げる失敗ってあると思うんですよね。リスクがあるからと挑戦しなくなるのが何よりもったいないですから。挑戦する人をサポートしながら、自分自身も挑戦し続けたいと思っています。

挑戦する若者と仲間をサポートする組織へ

−最後に今後の展望を教えてください。

廣瀬:保険業界自体は活気のある業界ではないです。とは言っても、これから起業する人は増えていくと思うので、チャレンジする人も増えていくと思います。保険代理店としては、そういう想いをもった若い人たちを増やして行きたいです。いろんな挑戦をサポートできる人材を増やしていって、もっと幅広くサポートできる組織を作って行きたいと思います。

ゆくゆくはウチの仕事を経験して独立したい人がいれば、どんどん独立してくれる仕組みができたら良いなとも思いますね。保険が売れたら大概のものは売れる力がつきます。さらに法人に売るためには法律や税務、社労など全て知らないといけません。これらを全部コンサルタントとしてお預かりできるスキルと経験がつけば、起業の基礎ができるような仕事だと思っています。最終的に扱う商材が保険じゃないと思えば自分の好きな起業をしても良いですし、そういった形のグループができたら良いなと思いますね。

−お客様の挑戦もサポートするし、仲間の挑戦もサポートしたい。

廣瀬:そうですね。挑戦したい人がいればどんどん応援できるような会社にしたいですし、これからの若い人は収入が働く上でのニーズの中心ではないのかなとも思います。挑戦をサポートする中でのやりがいというのは、いつも同じではない変化に富んだチャレンジのできる仕事だと思うので、多少不安定であっても学び成長したい、チャレンジ精神のある若者であればやりがいのある仕事だと思います。

−そういった若者を増やして行きたいですね。

廣瀬:そういうことを言葉で伝えるだけではなくて、実際に働いてくれる若い人が実感できるような組織にしていきたいですね。若手が少ない業界なので、これからの新しい世代に向けて、これまでの業界には無いようなモデルを作っていきたいと思います。