コンサルタントで起業する方へ
毎週日曜朝9時半から、FM那覇で放送中の『坂本憲彦のラジオ起業塾』。起業家の専門家、坂本憲彦がはじめての起業で成功するために大切なポイントをお届け。沖縄で起業したい人を応援するラジオ番組です。
▼こちらの音声は、下記の「FM那覇」のサイトよりお聴きいただけます(※2019/04/14放送)▼
http://www.fmnaha.jp/program/radio_kigyojuku/
結果にコミットするのがコンサルタント
森川 今日は坂本先生に、僕の方からぜひお聞きしたいことがあります。沖縄で起業したい人たちにはどんな人が多そうか、イメージは浮かびますか?
坂本 飲食店の人が多そうという印象はありますね。
森川 実際、国際通りのような繁華街が多くて、飲食店をやりたい方も多いです。最近よくうかがう職種の中に、コンサルタントになりたい方もいらっしゃいます。お話をお聞きすると、自分が今まで頑張ってきた経験やノウハウを後輩にあたる人たちに提供することで、コンサルタントとして起業したい方がいるようですね。一方で、コンサルタントは言葉の響きはカッコいいけど評判が怪しいとか、好き勝手言ってクライアントに成果が出なくてもお金をもらっていくなど、悪いイメージもあります。コンサルタントで起業する人に対して、坂本先生の考える成功の秘訣や考え方など、お話をお願いできますか。
坂本 コンサルで起業したい方は、結構いらっしゃいますね。サラリーマンとして特定の業界で経験があって、それをノウハウや知識で提供していく形をお考えなのでしょう。コンサルとしてやっていく上で大事なことは、どこまで結果にコミットメントできるかというところなのではないでしょうか。
森川 結果にコミットメント。
坂本 はい。ライザップみたいな。
森川 そうですね。
坂本 要するに、どこまで結果を出すことにフォーカスできるかです。そこがコンサルタントとしての腕の見せどころというか、大事なところだと思います。
森川 はい。坂本先生ご自身のことや知っている中で、結果にコミットすることについて、もう少し詳しくお話をうかがってもいいでしょうか。
坂本 そうですね。コンサルタントは、いわば形が無いものを売っています。最終的には、途中でどれだけ労力をかけようがかけまいが、自分のクライアントさんが望む結果が出ていればそれでOKなわけです。
森川 はい。
坂本 たとえば、100時間かけて出した結果と1時間コンサルして出した結果が同じなら、むやみに時間をかける必要はありません。お金をかけた以上のリターンをクライアントさんが得ているなら、1時間で100万円のコンサル料をもらってもいいのです。
森川 はい。
坂本 結果につながることをどれだけ提供し、自分が約束しているものに対してコンサルタント自身がどれだけ責任を持って前向きに関われるか。そこが肝心だと思います。
森川 はい。結果にコミットっていうと、人それぞれイメージが違うと思いますが、たとえば返金保証などはその代表例に当たるんでしょうか?
坂本 そういうのも、ひとつの形ですね。講座を受講してみて、成長を感じられなかったら返金とかはうちでもやっていますが、ひとつの見せ方ではあります。
森川 はい。
坂本 ただ単純に返金保証をつけただけで結果にコミットするかというと、必ずしもそうではありません。ちゃんと、望む成果を出させてあげられているかではないでしょうか。
森川 はい。
坂本 たとえば、コンサルの契約期間が半年だとします。半年経ってそのクライアントさんが望む成果を出せてないときに、ではどこまでサポートするか。追加料金を取るのか、またさらに半年間無償で延長するのか。そこが、コミットする力が問われるところですね。
森川 はい。
坂本 有料だからダメ、無償だからいいという単純な話ではありません。成果を出させるところに、コンサルタントがどこまでこだわってるのかが大事だと思います。
2〜3年で消えてしまうコンサルタントとは
森川 なるほどですね。自分ではできるけれど、他の人に成果を出させるのが難しいことはコンサルタントの方なら誰しも感じると思うのですが。坂本先生ご自身がコンサルをされるときに現場で感じられた難しさや、逆にこうやると成果が出やすいなどの体験談はありますか?
坂本 そうですね。今まさに森川さんが言ってくださったのですけど、自分で成果を出すのと、人に成果を出させるのはかなり違うなと思います。
森川 本当にそうですね。
坂本 もちろん、自分が成果を出しているから伝えられる部分もあります。でも自分が上手くいった方法をそのまま伝えるだけだと、成功させられるのは僕の感覚では20人に1人くらいだと思います。
森川 自分と相性ぴったりなのは、20人に1人だけですか。
坂本 良くても、10人に1人だけぐらいな感じですね。自分の成功パターンが必ずしも、相手の人や組織の成功パターンになるとは限らないのです。
森川 そうですね。
坂本 やっぱり、タイミングも関わっている人も違います。自分のクローンやコピーではありませんので、無理にコピーを作ろうとすると非常に苦労します。コンサルを受ける方個人の性格や特性、生い立ちなども含めた上でのサポートを考える必要があります。ただ短期的に、自分の上手くいったパターンを教えますで済むなら、世の中は全員成功者でしょう。
森川 そうですね。
坂本 コンサルをやる方は、クライアントに合わせた戦略を考えてあげるのがとても大事です。
森川 営業の仕事をしていると、やっぱり成果が出る人と出ない人がいます。そこで、出ない人に向けて、営業コンサルタントがやり方を教える研修やセミナー、コンサル契約があるのですが、僕に全然ピンと来なくて合わなかったのは「とにかく元気出せ!」みたいなものでした。元気を出せということで、発声練習や笑顔の作り方みたいなことをやります。それで成果が出る人もいると思いますが、僕には全く合いませんでした。なので、元気がなくても売れる方法を探した方が早いかなと思いました。僕自身のように、元気を前面に出すキャラでもない人には、それなりのやり方があると思います。
坂本 そうなんです。だからコンサルタントとしてどちらを狙っていくか、元気を出す営業スタイルだけを教えていくのもそれはそれで全然OKなんです。ただ、やり方を特化させれば特化させるほど、そこに合った人しか反応しないのです。お客様にもなりませんし、成果を出せるのも合った人だけですね。
ですから、そこを踏まえた上でコンサルをしていく必要があります。一つのやり方だけを教えるスタイルでは、限界がすぐに来るでしょう。
森川 そうですね。
坂本 僕の印象だと、コンサル業界では2、3年で消えていく人が多いように思います。
森川 2、3年で消えていくというと。廃業されるんでしょうか。
坂本 そうですね。廃業なのか、もしくは鞍替えしているか。コンサルを続ける場合でも、別のことをやっています。コンサル業で長く続く人は、とても少ないです。
それはやっぱり、自分のやり方だけを教えているからです。相手に合わせた教え方をしていかないと、成果がすごく限定的になってしまいます。
森川 孫子の兵法で「彼を知り、己を知れば百戦あやうからず」と言いますね。相手のことも熟知して、自分のノウハウをどう応用すると望む成果を出せるのか。それをしっかり考えることがコンサルタントに求められるのではとないかと思いました。
坂本 そうですね。かなり求められますね。パターン対応力というのが、とても大事だと思います。
森川 パターン対応力?
坂本 はい。色々な人の性格パターンとか、全員違いますね。
森川 そうですね。
坂本 僕は色々な性格分析を使いますけど、ベーシックなものでも3パターンあります。細かく分けていくと12パターンですとか、もっと細分化できます。
森川 はい。
坂本 最低でも、その3パターンに合わせた指導をしないといけません。より正確を期するなら、12パターンに合わせた性格分析でその人なりの戦略を組み立ててあげます。
森川 はい。
坂本 自分と同じことだけ伝えていればいいというコンサルは、ほぼすぐに消えてしまうでしょう。成果を出せないので、苦しくなってしまうんです。
森川 両方がですか。
坂本 教えている方も、教え子さんもです。
森川 成果が出ないと、やはりそうなってしまいますね。
坂本 教えている方も、まともな神経を持っていたら続けられないです。
森川 だから2、3年で消えていくというか、廃業される方が多いんですね。
坂本 はい。
やり方を教えるだけでは、行き詰まる
森川 坂本先生ご自身の事例でも構いませんし、お知り合いの方や教え子の方で、コンサルタントをされている方はいらっしゃいますか。
坂本 住宅営業専門でコーチをされている方で、立志財団の会員さんの石川さんという方がいらっしゃいます。コミットもすごくて、コンサル料をいただいたらずっとサポートします。
森川 それは、半永久的にということでしょうか。
坂本 そうですね。石川さんは、売り上げが一定数上がるまでは続けるみたいです。
森川 さきほどの結果にコミット、というところですか。
坂本 そうです。それを期限が来たら終わりではなくて、結果が出なければ期限を過ぎてもサポートしますという形です。
森川 はい。クライアントさんに合わせた教え方という点では、石川さんはどう上手くやっていらっしゃるんでしょうか。
坂本 そうですね。どうやっているかを細かくはうかがっていませんけど、石川さんも基本はクライアントさんの話を良く聞いて、それに合ったスタイルでお伝えしています。
森川 はい。
坂本 さきほど森川さんがお話されたように、営業って人によって千差万別なものです。ガンガン元気でいく人もいれば、大人しいけど凄くしっかり話を聞いて、それでお客様の心をつかむ人もいます。そういう、その方に合った営業スタイルを指導しています。どちらかというと、石川さんも話を聞くスタイルを教えられていると思います。
森川 はい。ノウハウだけを教える方って、それは価値のあるものなんでしょうけど。ノウハウという「形」に囚われているのかもしれませんね。
坂本 はい。
森川 ノウハウとかスキル、やり方というのは、たとえばセールスプロセスでいうとお客様の感情を高める目的のためにノウハウがあるとします。でも目的と手段の優先順位が入れ替わってやることだけにこだわってしまい、なぜここでこれをやるのかとか、目的が不明確になってしまっている方が多いように思います。
坂本 そうですね。ノウハウだけに頼ってしまうと、やっぱり「なんでみんな、このノウハウができないんだろう」というところに行き着いてしまいます。
森川 そうですね。
坂本 自分はこんなにやり方を教えているのに、なんで成果が出ないんだろう。そのジレンマが出てきます。僕も昔、痛感しました。
森川 はい。
坂本 僕が前にやったビジネススクールは、ネットマーケティングを教えていました。ブログを書きましょうとか、ホームページを作って集客しましょうとかをやってました。でも、やり方を教えてもみんながみんな、成果が出るわけではないんです。サポートが悪いのかなとも思ったので、僕たちは24時間365日いつでも電話OKですなどもやっていました。
森川 そういえば、以前お話をお聞きしましたね。
坂本 それで、コンサルタントも15人くらい揃えてやっていましたが、成果を出せる人は3割くらいでした。
森川 それでも3割でしたか。
坂本 そうでしたね。だからやっぱり、そう考えるとやり方だけを教えるのは限界があります。その方が何をしたいのかをちゃんと考えて、その人に合った戦略を考えてあげないと難しいですね。
森川 なるほどですね。ありがとうございます。コンサルを生業とする会社って世の中には結構ありそうですが、そういった会社さんももしかするとウェブマーケティング専門のコンサルにせよ、他の分野にしても自分たちの持つノウハウを提供するだけに留まっているのかもしれません。本当の意味でそれを上手く活用していたり、PDCAサイクルをきちんと回したりして徹底しているのは、個人でも企業でもあまり多くはないのかもしれませんね。
坂本 そうですね。そこまで関与しようとすると、面倒臭いですから。
森川 面倒臭いというのは、凄く分かります。
坂本 そこまで大変な手間をかけると、選択肢としては「教える」か「代行する」かという話になります。
森川 代行する方が早いかも、と思ってしまいますね。
坂本 そうなんです。こちらで受注して、Webサイト制作からホームページでの集客まで全部やってしまう方が早い場合もあります。ただその場合は、代行するのが自分たちの得意分野なのか、そうではないのかという見極めが必要ですね。単に自分のやり方を押し付けるのではなくて、坂本先生でいう3通りや12通りの性格分析みたいな工夫です。
森川 はい。
坂本 コンサル業は在庫が無いから元手がかからないなどの理由で、安易に手を出す人が多いですが、自分で成果を出すのとは全く違うスキルが必要になってきます。ですからそんなに簡単ではないですね。人間理解がより深くできていないと、できない方の気持ちが分からないと難しいです。
森川 はい。
坂本 たとえば、プロ野球の長嶋監督は選手としては一流でした。でも監督として一流かというと、また別の話になってきます。天才経営者だからといって、教え方が上手いかどうかは別の話なんです。自分が経営者をやるのと、経営者を育てるのでは異なります。
森川 はい。
坂本 だからそこは、ちゃんと教えられる人が教えていく。そういう意味では、コンサルという仕事の価値はあるんですけども。そこを理解する必要があります。教える技術を持たない人が自分で成果を出したからと、教えればお金になるからと安易にコンサルをやっても上手くはいかないでしょう。
森川 そうですね。坂本先生が人間理解と言われたのは、凄くなるほどなと思いました。先日たまたま、男性が女性を口説く技術を教えている動画を見る機会があったときに、これは言っていいのかなという発言がありました。男性講師の方が、女性を楽しませることのできない男性は、男性として失格だと決めつけていました。その言いたいことは分かるんですけど、人間理解の観点からはそれができなくて困っている、悩んでいる人が来ているのに心を折るようなことを言ってはいけないでしょう。
坂本 はい。
森川 それよりも、その人が真剣に悩んで成長したい姿勢にこちらも寄り添って、その上でその人の望む結果にコミットしないといけませんね。嫌な人だなと思ってしまいました。
坂本 そうですね。そこをちゃんと理解していくのが、コンサルタントとしても一番大事になってきます。
森川 ありがとうございます。やり方さえ知っていれば、ノウハウとなる経験があれば誰でもコンサルタントになれるわけではないのですね。一概には言えないんだと、今お話をうかがって改めて感じました。
坂本 そうですね。コンサルをやる人は、知識や経験があるのは大前提、当たり前です。それに加えて、どうやって自分以外の人に結果を出させるか。その能力がコンサルタントの腕の見せどころです。そこをぜひ見せてほしいなと思います。
森川 このラジオ起業塾のリスナーさんの中にも、コンサルタントとして独立されたい方がいましたら。ぜひ今の坂本先生のお話などを参考にしていただいて、ご自身もクライアントさんも幸せになれる良いコンサルタントとして起業に成功していただければと思いました。坂本先生、今回もありがとうございました。
坂本 はい。ありがとうございました。
森川 また次回もよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
お問合せ
起業に関するご意見、ご質問を募集しております。
下記のお問合せフォームに必要事項をご記載の上、お問合せください。(※お問合せ内容の欄にご質問内容と「ラジオ起業塾へのお問合せ」とご記入ください。)
番組概要
番組タイトル |
沖縄で起業したい人を応援します「坂本憲彦のラジオ起業塾」 |
---|---|
ナビゲーター | 坂本憲彦 |
オンエア | 毎週日曜 09:30~09:56 |
コンセプト | 起業家育成の専門家、坂本憲彦がはじめての起業で成功する為に大切なポイントをお届けします。 |
関連サイト | ■ポッドキャスティングでいつでも聞ける! http://www.fmnaha.jp/podcasting/85.xml (iTunes等お手持ちのRSSリーダーにURLを登録してください) ■起業・独立・創業・副業の方法なら 一般財団法人 立志財団 http://risshi.or.jp/ |
こちらの音声は、下記の「FM那覇」のサイトよりお聴きいただけます。
http://www.fmnaha.jp/program/radio_kigyojuku/