【第4回】坂本憲彦のラジオ起業塾「やりたいことが見つからないと悩んでいるあなたへ」
毎週日曜朝9時半から、FM那覇で放送中の『坂本憲彦のラジオ起業塾』。起業家の専門家、坂本憲彦がはじめての起業で成功するために大切なポイントをお届け。沖縄で起業したい人を応援するラジオ番組です。
今回は起業をする前に知っておきたい、起業のアイディアについてお話して頂きました。
「やりたいことがなくて起業できない」「好きなことはあるけど儲からなそうだからできない」などネガティブに考えてしまっている方へ、坂本憲彦が導き出した答えとは?
▼こちらの音声は、下記の「FM那覇」のサイトよりお聴きいただけます。(※2019年1月27日放送)▼
http://www.fmnaha.jp/program/radio_kigyojuku/
誰もが悩む起業のアイディアについて
森川 立志財団の森川です。今日もラジオ起業塾が始まりました。坂本先生、よろしくお願いいたします。
坂本 はい。よろしくお願いします。
森川 トークテーマに入る前にお伺いしたいことがあるのですが、1月13日にジュンク堂書店さんでトークイベントをされていましたがいかがでしたでしょうか?
坂本 ジュンク堂書店さんでは計3回目のトークイベントになるんですが、今回もたくさんの人に来て頂きました。思った以上の人が集まってくれたのですごく嬉しかったですね。その影響もあってか、私が書いた『6つの不安がなくなれば、あなたの起業は絶対成功する』という本はおかげ様で3刷りまでいきました。本当に感謝しています。
森川 トークイベントではどのくらいの人が集まると予想されてたんですか?
坂本 最初は正直5~6人くらいかなって(笑)前回トークイベントを開催した日がちょうど台風が直撃した時だったので、あんまり集まらなかったんですよ。沖縄の人が「これはひどい!」って言うくらいの大きい台風だったので。でも今回は20名以上の方に来て頂いたのでよかったなと思いましたね。
森川 ではほぼ満席だったということですね。ちなみにそのトークイベントではどのようなお話をされたのですか?
坂本 今回は”アイディア”についてお話させて頂きました。アイディアゼロでどう起業していくか。起業したい方が一番最初に悩むのってやっぱりここなんですよね。自分で何のビジネスをすればいいか分からないという方に向けて、解決策や起業のポイントなどお話させて頂きました。
森川 坂本先生は起業についてこれまで様々な質問をされてきたと思いますが、実際今回のような『起業したいけど何をしたらいいか分からない』といった質問はよくされるのでしょうか?
坂本 多いです。もちろんビジネスとして何をやっていくか既に決まってるという方もいますが、何かやりたい、情熱はあるけど何をしたらいいか分からないという方も多くいらっしゃるので、立志塾ではそういうゼロのところから一緒に考え、支援するようにしていますね。
森川 やりたいことはあるけど何をしたらいいか分からず、起業の夢を諦めてしまうのはもったいないですもんね。
坂本 そうですね。あとはサラリーマンの方で、会社で働くことがしんどいから起業をしたいけど、でも何をしたらいいか分からないという方もいらっしゃいます。
やりたいことがない人なんていない
森川 やりたいことが見つからない、思いつかないという方は、見つからないことに対して不安や焦りを抱えているのでしょうか?
坂本 そういう不安はやっぱりあると思います。得意なことや好きなことがないと何をやったらいいか決められないですよね。僕もよくそういった質問をされるんですけど、話を聞いていると本当にやりたいことがない人っていないなと思うんですよ。みんなやりたいと思っていることはあるんです。じゃあなんでそれをやらないのかっていうと、やりたいことをやってはいけないと思いこんでいたり、その気持ちを自分が気付かないうちに押し殺しているパターンがとても多いですね。
森川 それすごく分かる気がします。例えば好きなことを仕事にしてお金を貰い、生活していけるという話をすると「それは理想だけど現実的じゃないよね」とか「好きなことでお金を稼ぐなんてほとんどの人はできないよ」という反応をされることが多いんですよね。
坂本 とくに会社勤めの方だとそういう考えの方が多いです。会社は当然会社の方針があるのでそれに従わなければならないですし、やりたくないこともやらなければいけない状況もあります。なので自然とそういう考えになってしまうんですよ。でも起業したら自分が社長になるということなので何をやってもいいんですし、やりたくないことをわざわざやる必要はありません。何をしてもいい状況なんですから自分が一番好きだと思うこと、楽しいと思うことを思いっきりやって欲しいんですよね。起業したのに好きなことをしない、むしろしんどいことばかりするんだったら起業した意味がない。それだったらハッキリ言ってサラリーマンをやっている方が絶対楽だと思いますよ。会社行ったらとりあえずお金は貰えるんですからね。
好きな事はビジネスにならないのか
森川 やりたいこと、好きな事はあるけどそれで起業したいと思わない理由って、自分の考えていることがビジネスとして成り立たなそう、儲からなそうだからやらないって考えているからなんでしょうか?
坂本 そうですね。「好きなことはあるけど儲からなそうだからどうしたらいいですか?」という質問も多く寄せられるんですけど、”儲からない”って自分で決めつけて思いこんでしまってる場合がすごく多いんですよ。例えば以前ある女性の方から起業について相談を受けました。彼女はアフィリエイトといってブログやSNS等で商品を紹介し、それを見て商品を購入されたらいくらか紹介料が入るという仕事をやっていました。そのアフィリエイトを専業でやるために今まで勤めていた会社を辞め、その後は1日15~6時間ブログを書いていたそうです。
森川 1日15~6時間ですか・・・。
坂本 そうです。アフィリエイトを始めて2年くらいそのようなことをやっていると言っていました。でもそれだけやっても月収が10万円くらいで、どうすればいいでしょうかという相談を受けたんですよね。
森川 1日15~6時間ブログを書いて、月収10万円だったら普通にアルバイトした方がいいですよね。
坂本 そうなんです。月10万円しか稼げないということは書いている内容、または選ぶジャンルが悪いのかなって思ったんですけど、彼女がやっていたのはごく一般的な化粧品等の美容系ブログでした。女性だと美容に興味がある人が多いので彼女もそうなのかと思い、「美容系が好きなんですか?」と聞いたら「いや、全然私興味ないんです」と言ったんです。じゃあなんで興味のない美容系のブログを書いていたのかというと、人に勧められたからという理由だったんですよね。あと美容系は市場が大きいから。
森川 確かに美容系って儲かりそうなイメージがありますよね。
坂本 化粧品とか健康とか美容関係って検索回数がめちゃくちゃ多くて、自然とアクセスも集まりやすいんですよね。だから興味はないけど人に勧められたから書いているんだと言っていました。でもそれって苦行以外のなにものでもないですよね?美容が好きで書いているんだったらそれはすごく幸せなことですけど、好きでもないことをずっとやり続けるって・・・。しかもお金にならないっていうね。だから僕は彼女に聞いたんです。「なんか好きなことはないんですか?」って。そしたら「私実は占いが得意なんです。飲み会とかで1人占ってあげたら、他の人も見てって言っていってきて行列になっちゃうんですよ」と言いました。「じゃあそれをなにかビジネスにできないですかね」って聞くと「でも占いは儲からないんです」って。実際どうでしょう。森川さんは占いって儲からないと思いますか?
森川 僕は儲からないことはないと思います。例えば沖縄の国際通りで何人かの方が占いをお仕事としてされていますが、そのお店を通るたびに誰かが占ってもらっている姿を見るんですよね。だから儲かるんじゃないかなと思いますね。
坂本 僕も占いはめちゃくちゃ儲かると思います。もちろんやり方次第っていうのもあると思うんですけど、実際占い師さんが出している本ってすごく売れてベストセラーになっていますよね。しかも占い本って毎年必ず売れるんですよ。2019年度版とか2020年度版とかいって(笑)
森川 必ず新しいのが出て売れる仕組みになっているんですね!
坂本 そうなんです。毎年絶対何十万部って売れるんですよ。全員が全員そうやって儲かるわけじゃないですけど、儲かっている人はめちゃくちゃ儲かっていますね。
森川 今このラジオを聞かれていて、占いが得意だという方はもしかしたら占いで起業しようと思うかもしれませんね!
坂本 占いは勉強すれば大体当てることができますからね。しかもビジネスとして市場もちゃんとあるので、やり方次第ではありますが僕は儲かると思っているんです。でも彼女は占いは儲からないと決めつけてビジネスにしなかった。これってすごくもったいないことで、他人から見るとそれすごいビジネスチャンスじゃん!って思うことでも、自分で儲からないって判断してしまう方がすごく多いんですよ。好きなことはビジネスにならないって思いこんでしまっているんです。じゃあなんでそのように考えてしまうのかというと、ほとんどの方が過去に好きな事をやって否定されたり、失敗した経験があったりするんですよね。とくに多いのが、昔親から「あんた好きな事ばっかりやってちゃだめ!」と子供の頃に怒られたという経験。その記憶が大人になっても残っていて、これを取り払ってあげないと結局起業してもあえて苦しいことを選んでやってしまいます。だから結果的にやりたいことはないという答えになってしまうんですよ。
森川 なるほど。親が子にそうやって怒るのは何かしらの理由があってのことだからそれが悪いということではないですけど、でも怒られたことを全て真に受けてその記憶がずっと残っちゃうということですね。ではその記憶を取り払う為にはどうしたらいいでしょうか?
過去の嫌な記憶を取り払う方法
坂本 自分が好きとか面白いとか楽しいって思う感情を大事にしてあげたり、心が動くことを何かやってみることです。どこかへ出かける、感動する映画を見る、面白い本を読む。こういう些細なことでもいいのでやってみると自然と心が動くと思いますよ。あとサラリーマンを長くやっていると心がだんだん動かなくなってくるんです。例えば会社で自分が思いついたアイディアや何か意見を言ってみたけども、上司から「それはだめだよ」とか「失敗したら誰が責任とるんだ」とか自分の意見を潰されることがよくあるのですが、そうすると自分で何かをしようと思わなくなってくるんですよね。そしてそれが続くと考えることすらやめてしまうんです。だって考えても意味がないしめんどくさいから。そうやって感情に蓋をしていくうちに、心が動かなくなってしまうんですよね。だからまずはその感情を取り戻すということが非常に重要になってきます。起業して上手くいっている方って、感受性豊かな人が多いんですよ。よく笑ったり泣いたり、そういう人が多いなっていうのはすごく感じます。
森川 まずは感情を取り戻して、感受性豊かな人になるということが大事なんですね。先ほど心を動かす為には映画を見るとかどこかへ出かけることがいいってお話されましたが、他に何かこういうことをしたらいいよとかありますか?
坂本 先ほど言ったこともそうですし、自分が普段やらないようなことをやってみるのが大事です。大人になってくると自分の行動パターンって大体決まってきてしまうので。家に帰るまでの道のりや仕事の作業、お昼ご飯など毎日同じことを繰り返している方がほとんどだと思いますが、そのルーティーンをたまに壊して欲しいんです。例えばお昼ご飯は普段絶対頼まないような物を頼んでみる、帰り道も普段と違う道をあえて通ってみるとか、なんでもいいので違うことをしてみる。人には安全領域っていうのが必ずあって、要はこの中だったら安全だっていうのを心の中で勝手に作っているんですよ。だからその自分の作った安全領域の中で行動している限り危険を感じないですし安全に生きてはいけるんですけど、そのかわり思考が固まってきて感情も止まってきてしまいます。だからその安全領域を超えて何か行動してほしいですね。一番ハードルの低い安全領域の超え方は、自動販売機で何か飲み物を買おうと思ったときに普段自分が絶対飲まないようなやつを買ってみること。ただ飲み物を飲むだけですが、美味しい、美味しくないといった感情の動きは出てきますよね。そういう小さなことからやってみるのもいいかと思います。
森川 その方法だともし飲み物がまずかったとしても、100円ちょっとしか損したことにならないのでほとんどリスクはないようなものですよね。そうやって日常の中に少しづつ新しいことを取り入れていくのは簡単なので誰でもやりやすいのかなと思いました。
坂本 そうですね。普段やらないようなことをやっていく、自分の安全領域をちょっとだけ超えていくという癖をつけてあげれば、止まっていた感情が動くようになって感受性豊かな人になれると思います。
好きな事をみつけるために必要なこと
森川 感受性豊かな人になれば、自分が何が好きなのか気付きやすくなるということでしょうか?
坂本 その通りです。自分が何を好きなのか知りたければ、何が嫌いなのかもちゃんと理解しておく必要があります。ずっと同じ生活をしていると嫌いなことすら分からなくなってしまうんですよね。だから普段自分がやらないようなことをやってみて自分は何が好きで何が嫌いなのか、色々試してみるのがいいかなと思います。
森川 自分の嫌いなことが分かれば好きなことも分かって、やりたいことがちゃんと見つかると。そして自分の安全領域を超える行動をすれば心が動くようになり、その結果好きなことを仕事にしちゃいけないんだという否定的な感情も湧かなくなってくるということですね。さらに好きなことで起業して上手くやっていけるということでしょうか。
坂本 そうですね。起業して10年20年と長く続けられている方って、やっぱり好きな事をやっていますよね。そしてわがままな人が多い。わがままっていうのは決して悪い意味ではなくて、自分の好きなこと、正しいと思うことを純粋にやっているから周りからそう思われてしまうんですよね。でもそうじゃないと起業家、経営者としてはやっていけないので、わがままというのは大事かなと思います。
森川 それくらい自分の意思が強い方じゃないと起業しないですよね。そもそも自分が好きなことをやるために会社をやめて起業していますから。
坂本 仕事は苦しいとか大変だって思ってやっている方もいると思うんですけど、僕は純粋に仕事は楽しいものだと思うんですよ。人に喜ばれるし、やってて感謝もされる。そして自分もやってて面白いって思えるから。これが本当の仕事かなと思うので、そういう風に仕事を楽しいと感じられる人がもっと増えたら嬉しいなと思いますね。
本当の”働き方改革”の意味とは
森川 最近”働き方改革”という言葉よく耳にしますよね。労働時間の短縮とか、仕事を効率化するとか。それも勿論大事だと思うんですけど、坂本先生がおっしゃったように仕事を楽しいと思えるようにするとか、好きな事を仕事にできるようにするとか、そういう意識的な改革も必要になってきますよね。
坂本 それも含めて働き方改革をしなければいけませんよね。そもそも労働時間を短くする、休みを増やすなど仕事に時間制限をかけるのは、仕事はつまらなくて大変という基本概念があるからだと思うんですよ。でも仕事が楽しかったら夜中でも気にせずやりたいものですし、そういうゾーンに入ることもありますよね。なので自分が面白い、やりたいと思っているのに無理やり止められるっていうのは本来の働き方とはちょっと違うのかなとは思いますね。
森川 嫌なことを無理やりやらせているという考えだから、時間を区切ろうとしているわけですもんね。
坂本 本当に嫌なことを強制させているんだったらそれは時間をちゃんと区切らないといけないし、守らなければいけないと思うんですけど、でもそうじゃない人はわざわざ区切らなくてもいいのかなと思いますね。
森川 国のルールとか法律もあるのですぐにというのは難しいかもしれないですけど、色んな意味で”働き方改革”がもっと世間に浸透して世の中が変わればいいですよね。
坂本 でも実際起業家や経営者にとって労働基準法はあまり関係ないですからね(笑)みんな自分でやっていますから、一日中仕事をしているという方もいらっしゃいますし。でもそうやって楽しいと思えることをやっていると、成果に繋がってくるんですよね。
森川 みなさんにも本当に好きだと思えることをやって欲しいですね。では今日のラジオ起業塾はお時間がきましたのでここまでになります。今回の内容があなたの起業の成功の役に立ちましたら嬉しいです。坂本先生、ありがとうございました。
坂本 ありがとうございました。
次回:【第5回】坂本憲彦のラジオ起業塾「起業する人、教える人の資質」
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番組概要
番組タイトル |
沖縄で起業したい人を応援します「坂本憲彦のラジオ起業塾」 |
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ナビゲーター | 坂本憲彦 |
オンエア | 毎週日曜 09:30~09:56 |
コンセプト | 起業家育成の専門家、坂本憲彦がはじめての起業で成功する為に大切なポイントをお届けします。 |
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