立志財団会員ロング・インタビューでは、会員のみなさまの志やビジネスのサクセスストーリーをご紹介していきます。
今回は株式会社キラグレース代表取締役の飯田 優子(いいだ ゆうこ)さんです。女性起業家のサポートとしてコンサルやイベント事業を行い、幸せと豊かさを実現する志を語っていただきました。
好きを活かして独立した自分だからできる女性起業家ビジネスパートナー
−まず、現在のお仕事について教えていただけますか?
飯田:女性起業家ビジネスパートナーとして会員さんのビジネス面のサポートをさせていただいています。具体的には商品・サービスへの思いはあるけれど売上を立てるビジネス構築が苦手な方へのコンサルテーションや、ビジネスを広げていく上での会員制コミュニティの運営、イベントの開催や起業家さん同士やユーザーさんとのマッチングを行なっています。会社としては3年目ですが、事業としては2012年からやっています。もともとはアパレルのデザイナーとして勤務していたんですが、フリーランスになって仕事をしている間にイベントをやっていました。そこで集まった人から先に繋がる有料制の会員コミュニティを始めたんです。
−なぜ独立しようと思われたんですか?
飯田:結婚はひとつのきっかけでしたが、好きなことを仕事にしたいと思っていました。アパレルの仕事がOEMの下請で夜遅くなったり出張が多かったりとワークライフ的に将来続けられるかな?と感じ自分にできることで起業を目指そうと思いました。25歳くらいの時に行ったビジネススクールで起業の道に出会ってから、企業様のファッションコーディネートをしたり、持っていたアロマの資格を活かして週末に教室を開いたりしていました。それで、やってきたことを集約して同じように起業を目指している女性を助けようとイベント事業を立ち上げて独立したんです。人によって性格もビジネスモデルも違うので私自身もセミナーに参加して、私が体験したこと以外も体系的に伝えられるようにしています。
−飯田さんならではの強みはどんなことがありますか?
飯田:今までの女性経営者で活躍されている方は、男性と同じフィールドでビジネスを動かせるパワーのある人が多かったんですね。でも女性は結婚したり子供ができたりライフイベントが入ってくると仕事の仕方も変わってくるので、ビジネスだけじゃないって方もいらっしゃるんです。そのバランスについて私がどうやって乗り越えてきたか、アパレル以外の仕事をしたことがなかった私でも出来た過程をお伝えできることだと思います。
仕事と家庭を両立できた経験から女性のライフステージに合わせて寄り添う
−独立後に大変だったことを教えていただけますか?
飯田:起業と結婚が一緒だったので、家のことをやりながら起業家としてビジネスを回していくのを同時並行でゼロからやってので、そこのバランスですね。主人も経営をしていて1年くらい話し合いを重ねましたし、お互いが納得できる形にするのに3年くらいかかりました。特に私は家事が苦手だったので、それがストレス解消になることもなく主人とのペースに入っていくのが大変でした。ただ、それを経験できたことで、どういう話し合いをしたか、家のことをやっていたかを個人的にアドバイスできる強みになったと思います。どうしても家庭のことをタブー視してしまう人もいるんですが、私はそういうことを話すのに抵抗がないので、どういう失敗をして着地したのかはどんどんお伝えするようにしています。女性は仕事をする上で仕事以外の部分が大きく関わってくるというのは、私自身が強く感じていたことなので、それに寄り添ってあげられるようにお話ししています。
−逆に嬉しかったエピソードを教えていただけますか?
飯田:パートでお仕事をされながらカウンセリングで起業をしようと思っていた50代の女性の方がいらっしゃったのですが、起業一本でお仕事できるようになったんです。決して、お仕事だけを集中してやってきたわけではなくて、自分の技術をちゃんとビジネスとして整えただけで、無理なく家庭も大事にしながら理想のライフスタイルに変更できたのは大きかったと思います。必ず一旗上げるという訳ではなくて、その方が永続的にできるビジネスの形を見つけていただくコンサルをこれからも大切にしていきます。
自分の目指すライフスタイルで幸せと豊かさを実現できる社会を作る
−最後に今後の展望を教えてください。
飯田:女性はライフイベントや家族の変化で働き方も常に変わっていく傾向があると思いますし、私自身も知識の限界や年齢的な問題も出てくると思うので、頭でするコンサルのお仕事、無形のコミュニティ運営から少しずつ物質的なお仕事に切り替えていこうと考えています。例えば、シェアオフィスやレンタルサロンと言った有形の場所の提供ですね。それと将来的に主人の稼業にいく予定でいるので、そちらのリゾート事業の方で引き続き皆さんの環境作りをしていきたいなと思っています。これからも自分一人ではできないことができる環境を作っていきたいなと思います。
こういう風に考えられたのも「だから起業じゃなきゃダメだったな」と腑に落ちるところがあります。こちらの都合に会員の皆さんを巻き込んでしまう部分もあるのですが、それでも自分にできる形で皆さんのメリットがある事業にしていきたいですね。今のご時世で、オンライン化と言われている中でアナログな考えだとも思うんですが、やっぱり集まる場所というのは時代の変化の中でも残るものだと思うので、そこを形にしたいなというのはコロナの影響も含めて思ったことですすね。
−飯田さんご自身もこれからのライフステージ合わせてビジネスの形を変えていかれるのですね。
飯田:私の真志命は「幸せと豊かさを実現できる社会を作る」というのを掲げています。一人ひとり、ライフスタイルや幸せのレベルって違っていて、それは比べるものではないですし、幸せと感じているほど目指したい目標が出てきたり、反対にそこで終わってしまったりするので、そのレベルを良くしていただきたいと思うんです。幸せをより良くしていくのが、「豊かさ」で、経済的な豊かさだったり、心の豊かさですよね。物心のともに豊かさがないとそれは難しいなと思っていて、豊かさが当たり前になる社会を作っていきたいと思います。
私自身、今までいろんな人に支えてもらいながらここまで来れましたし、私の目指したいものを見つけて、起業する中でそれは人と比べるものではないと気づくことができたので、より多くの人に自分にとってのより良い形を目指せるようになって欲しいですね。そうすれば社会全体が良くなると思うので、幸せで終わらずに豊さも手に入れていきましょう、と伝えていきたいと思います。